AIの基礎

AIで仕事を効率化する方法|向く作業の見分け方と時間の測り方

AIで仕事を効率化したい人向けに、AIに任せやすい作業の見分け方、読む・書く・訳す作業ごとの使い方、かかった時間を記録して使う前と後を比べる方法を、総務省・IPAの調査と各サービスの公式ヘルプをもとに手順で紹介します。

AIで仕事を効率化する方法|向く作業の見分け方と時間の測り方(概念図)

AIを仕事に使い始めたものの、こんなところで迷っていませんか。

  • AIを使ってみたが、仕事が早くなった実感がない
  • どの作業に使えば時間が減るのか分からない
  • AIの答えを確かめる手間で、かえって時間がかかっている気がする

AIに任せやすい作業を選び、頼み方を合わせて試し、かかった時間を前後で比べます。 そうすると、自分の仕事で効くかを確かめられます。時間がどれだけ減るかは、人と作業によって違います。そこでこの記事では、他人の数字ではなく、自分の記録で確かめる方法を紹介します。

数値は、総務省と情報処理推進機構(IPA)の調査から引きます。調査年と、答えた人の条件はそのつど書きます。使い方の手順は、各サービスの公式ヘルプをもとにしています。

この記事のポイント

  • 総務省の2025年度の調査で、生成AIを使ったことがある人の42.8%が、使う理由に「作業の効率が上がる」を挙げました。ただし、これは使う理由で、減った時間を測った数値ではありません
  • 同じ調査で、各年代の生成AIを使ったことがある人に頻度を聞きました。「週に少なくとも1回(毎日ではない)」は、40代36.6%、50代37.4%、60代36.2%でした。毎日でなくても、週に1回ある作業から試して比べられます
  • 効果は、同じ作業の「頼んで出てくるまで」と「確かめて直すまで」を分けて記録し、使う前と比べて確かめます。同じ調査で、生成AIの答えを他の方法で確かめている人は38.2%でした

出典: 総務省「令和8年版 情報通信白書(第Ⅰ部第1章第1節 個人におけるAI利用の現状)」

AIで仕事を効率化する3つの手順

AIで仕事を効率化するには、次の3つの手順で進めます。この記事も、この順番に沿って説明します。

  1. 任せやすい作業を選ぶ(「効率化しやすい作業の見分け方」の節)
  2. 作業に合った頼み方で試す(「作業別の使い方と頼み方」の節)
  3. かかった時間を記録し、使う前と後で比べる(「かかった時間の記録の仕方」「使う前と後を比べて決める」の節)

例えば、営業職の人が、毎週の報告メールにAIを使う場面を考えます。まず報告メールが任せやすい作業かを確かめます。次に下書きを頼み、最後に書き終えるまでの時間を前の週と比べます。

見分ける・試す・測るの順に進める

3つの手順は、順番に進めるのが大切です。いきなり全部の作業でAIを試すと、何が早くなったのか分からなくなるからです。下の進め方は、筆者が整理したものです。

  1. 見分ける: 毎週くり返す作業を書き出し、候補を3つまでに絞ります。候補が決まれば、この手順は終わりです
  2. 試す: 候補のうち1つの作業で、AIに頼んでみます。何回か使って頼み方が決まれば、次に進みます
  3. 測る: 同じ作業の時間を、AIを使う前と後で記録します。合計の時間を比べて、続けるかを決めます

一度に試す作業は1つにして、時間の変化を見えやすくします。 作業を増やすのは、最初の作業で比べ終えてからでも遅くありません。

総務省の「令和8年版情報通信白書」で、2025年度の調査を見ます。日本の15歳以上で、生成AIを使ったことがある人は58.8%でした。ただ、使ったことがあるかどうかと、仕事が早くなったかどうかは別の話です。仕事が早くなったかは、自分で確かめるしかありません。

効率化は使う理由の4割強

効率化は、生成AIを使う理由のひとつです。ただし、いちばん多い理由ではありません。総務省の白書の2025年度の調査で、生成AIを使ったことがある人に理由を聞きました。複数回答(いくつ選んでもよい聞き方)です。

「時間や手間を省いてくれ、作業の効率が上がる」を挙げた人は42.8%でした。いちばん多かったのは「利用にかかるお金が無料又は安い」で、53.9%です。

ここで気をつけたいのは、これが「使う理由」の答えだという点です。AIで実際に何分減ったかを測った数値ではありません。使う理由としては、費用の安さを挙げる人のほうが多いと読めます。

効率が上がると期待して使い始めても、本当に時間が減ったかは自分で確かめる必要があります。 そのためにこの記事では、手順3で時間を記録して比べる方法を紹介します。

出典: 総務省「令和8年版 情報通信白書(第Ⅰ部第1章第1節 個人におけるAI利用の現状)」

効率化しやすい作業の見分け方

AIに任せやすいのは、くり返しが多く、結果を自分で確かめられる作業です。見分け方の公的な基準は、今回調べた範囲では見当たりませんでした。この節の基準は、筆者が整理したものです。

例えば、事務の仕事をしている人が、毎週の会議メモの清書と、年に1回の書類の見直しを比べる場面です。会議メモは毎週あり、中身も自分で確かめられます。先に試すのは、会議メモのほうです。

見分ける4つの基準

次の4つに多く当てはまる作業ほど、AIで時間が減ったかを確かめやすくなります。

  • 週に1回以上くり返す: 回数が多いほど、使う前と後を比べる記録がたまります
  • 1回に15分以上かかる: 時間が短すぎる作業は、差が見えにくくなります
  • 文章や情報の整理が中心: 読む、まとめる、書く、訳すといった作業です
  • 結果を自分で確かめられる: 正しいかどうかを、元の資料や自分の知識で判断できます

「15分」は、効果の基準ではありません。総務省統計局の社会生活基本調査が、1日の行動を15分刻みで集計していることを参考にした目安です。

AIが得意な作業の例は、提供元のヘルプにも書かれています。Googleのヘルプは、Geminiアプリで文章やリストの作成、計画の立案などができると説明しています。MicrosoftのWordのCopilotのヘルプには、下書き、書き換え、要約が並んでいます。

4つめの「自分で確かめられる」は、時間を比べるうえで特に大事です。 総務省の調査(2025年度)で、生成AIを使ったことがある人に聞いた結果です。答えを他の方法で確かめている人は38.2%でした。気を付けていることが「特にない」人も24.6%います。

確かめる時間が入るかどうかで、使う前と後を比べる条件が変わります。確かめられない作業は、比べる条件をそろえにくいと筆者は考えます。

仕事でAIを使う人が繰り返す作業

仕事でAIを使っている人が、くり返し使っているのは文章と情報の整理です。IPAの「2026年度 AIの説明に関する意識調査」(2026年3月)の結果を表にしました。生成AIを用途ごとにどのくらい使うかを聞いています。

用途 毎日使う 週数日使う 毎日+週数日(記事側の計算) 使ったことがない
文書作成・修正 16.6% 32.6% 49.2% 15.5%
情報収集・要約・分析 17.7% 31.3% 49.0% 18.0%
翻訳 14.1% 25.4% 39.5% 23.7%
デジタルコンテンツ生成 6.2% 14.5% 20.7% 49.7%
ソフトウェア開発支援 6.5% 12.7% 19.2% 57.4%

出典: IPA「2026年度 AIの説明に関する意識調査(付録2 単純集計データ)」

出典: IPAの調査(2026年3月)。対象はAIを業務で利用している従業員・経営者・自営業者2,000人です。一般の個人や、働く人全体の割合ではありません。

仕事でAIを使う人2,000人の用途別の利用頻度。毎日と週数日の合計は、文書作成・修正49.2%、情報収集・要約・分析49.0%、翻訳39.5%、デジタルコンテンツ生成20.7%、ソフトウェア開発支援19.2%

出典: IPA「2026年度 AIの説明に関する意識調査」(2026年調査)をもとに作成。対象はAIを業務で利用する従業員・経営者・自営業者2,000人で、働く人全体の割合ではありません

毎日と週数日を合わせると、文書作成・修正と情報収集・要約・分析は、ほぼ半分の人が使っています。

くり返し使われる作業ほど、使う前と後を比べる記録がたまりやすいと考えます。 ただし、この表は仕事でAIを使っている人の答えです。自分の作業を選ぶときは、表の順位より、前の節の4つの基準を優先してください。

後回しにしたい作業

最初の作業選びでは、比べにくい作業を後回しにします。比べる記録がたまらない作業や、正しさを自分で判断できない作業です。

後回しにする作業の例 理由
月に1回あるかどうかの作業 回数が少なく、使う前と後を比べにくい
診断・法律・お金など、専門の判断が要る作業 Googleのヘルプは、こうした専門的な助言をGeminiアプリに頼らないよう書いている
正しさを自分で確かめられない作業 間違いに気づけず、直す時間も読めない

IPAの調査(2026年3月、AIを業務で利用している人)を見てみます。デジタルコンテンツ生成を使ったことがない人は49.7%でした。ソフトウェア開発支援は57.4%です。

自分の仕事にない作業まで、無理に試す必要はありません。 この2つは、その仕事をしている人に限られる用途なのかもしれません(推定)。まずは、毎週ある文章や情報の整理から始めます。

出典: 総務省「令和8年版 情報通信白書(第Ⅰ部第1章第1節 個人におけるAI利用の現状)」/IPA「2026年度 AIの説明に関する意識調査(付録2 単純集計データ)」

作業別の使い方と頼み方

作業ごとに、AIに頼むことと自分で確かめることを分けておくと、使い方がぶれません。この記事で取り上げる4つの作業を、早見表にまとめました。

作業 AIに頼むこと 自分で確かめること
読む 長いメールや資料の要点を出してもらう 元の文と照らして、抜けや取り違えがないか
書く 宛先・目的・入れる事実を渡して下書きを作る 事実や言い回しが合っているか
訳す 文章を別の言葉に訳してもらう 人や会社の名前、数字が元の文と同じか
案を出す 企画やアイデアの候補を出してもらう どれを採るかを自分で決めたか

例えば、動画編集の副業をしている人が、依頼主とのやり取りにAIを使う場面です。長いメールを読む、返事を書く、英語の字幕を訳す、といった作業ごとに、確かめる点が違います。

使える機能や条件は、サービスやプランによって違います。この節の使い方は各提供元のヘルプをもとにしていますが、使える条件は提供元の案内で確かめてください。

年代別に見たAIを使う目的

どの年代でも、AIを定期的に使う目的は「情報の理解」がいちばん多い結果でした。同じ総務省の調査(2025年度)で、目的ごとに「定期的に利用している」と答えた人の割合です。

年代 情報の理解 文書作成や校正 翻訳
15〜19歳 55.3% 40.3% 33.0%
20代 42.2% 26.7% 13.6%
30代 35.0% 19.9% 12.6%
40代 29.6% 17.0% 11.7%
50代 22.8% 10.2% 5.3%
60代 17.0% 6.8% 5.8%

出典: 総務省「令和8年版 情報通信白書(第Ⅰ部第1章第1節 個人におけるAI利用の現状)」

出典: 総務省の白書(2025年度調査)。生成AIに限らない「AI」を、何の目的で使うかを聞いた結果です。割合のもとになる人(母数)は白書に書かれていませんが、まだ使っていない人を含む回答者全体と読めます(推定)。この図表では「文書作成や校正」を「文章作成や校正」と書いています。

情報の理解は、どの年代でも3つの目的の中で最も高い値です。50代と60代では、情報の理解が文書作成や校正の2倍を超えます(記事側の計算)。

最初に試すのは「読んで要点をつかむ作業」がよいと、筆者は考えます。 どの年代でも、定期的に使われている目的だからです。ただし、使われている割合は、時間がどれだけ減るかを示すものではありません。

読む作業:要点をつかむ

読む作業では、AIに要点を出してもらい、最後に元の文で確かめます。長いメールのやり取りや資料を読む時間を減らすための使い方です。下の手順は、筆者が整理したものです。

  1. 渡す: 要点を知りたいメールや資料を、AIに読み込ませます
  2. 要点を出させる: 「決まったこと」「自分がすること」など、知りたい点を添えて要約を頼みます
  3. 元の文で確かめる: 要約の中の大事な部分を、元のメールや資料で確かめます

Microsoftのヘルプによると、OutlookのCopilotはメールのやり取りを要約できます。要約の番号付きの引用から、元のメールへ移れる場合があります。添付ファイルの要約は、送られた内容を確認するよう書かれています。WordのCopilotも、文書の要約や質問への回答ができます。

要約は便利ですが、大事な部分は元の文で確かめる時間を取ります。 同じ総務省の調査(2025年度)では、AIを「情報の理解」に定期的に使う人は33.7%でした。生成AIに限らないAIの集計です。

書く作業:下書きと書き直し

書く作業では、AIに下書きや書き直しを頼み、自分で仕上げます。メールや報告書の下書きにかかる時間を減らす使い方です。

MicrosoftのWordのCopilotのヘルプを見てみます。指示文やアウトライン(文章の骨組み)、メモ、参照するファイルから、下書きを始められると書かれています。選んだ文章の書き換えや、トーン(文の調子)の調整、簡潔にすることもできます。同じヘルプは、生成された結果を確認するよう書いています。

AIは知らない事実を書けないので、宛先・目的・入れる事実を先に渡します。 次の2つを比べてみてください。

情報を渡して頼む

取引先の担当者へ、打ち合わせの日程変更をお願いするメールの下書きを作ってください。候補日は来週の火曜と木曜の午後です。丁寧で短い文にしてください。

何も渡さずに頼む

いい感じのメールを書いて。

悪い例では、AIは宛先も用件も分かりません。出てきた文を直す時間が長くなり、合計の時間が減りにくくなります。総務省の調査(2025年度)では、AIを「文書作成や校正」に定期的に使う人は20.1%でした。生成AIに限らないAIの集計です。

訳す・案を出す作業

訳す作業と案を出す作業では、AIに候補を出してもらい、使うかどうかを自分で決めます。同じ調査(2025年度)で、AIを定期的に使う人は、翻訳で13.7%でした。アイデアの発想や企画の構想では14.4%です(いずれも生成AIに限らないAI)。

Geminiアプリのヘルプにある使い方の例は、「見分ける4つの基準」の節で紹介しました。AnthropicのClaudeのヘルプは、複雑な依頼の例を挙げています。いくつもの段階がある作業や、分析、文章を書く作業などです。

訳を使うときは、人や会社の名前、数字を元の文と照らします。案を使うときは、どれを採るかを自分で決めます。

訳は名前と数字を、案は採るかどうかを、自分で確かめます。 AIが出した案は、そのまま採用するためのものではなく、考える材料のひとつです。

出典: 総務省「令和8年版 情報通信白書(第Ⅰ部第1章第1節 個人におけるAI利用の現状)」

かかった時間の記録の仕方

効果を確かめるには、かかった時間を記録します。個人の作業時間の付け方を示した公的な手引きは、今回調べた範囲では見当たりませんでした。この節の記録の項目と進め方は、筆者が整理したものです。

例えば、店舗で働く人が、毎週のシフト連絡の文面づくりにAIを使う場面です。文面を頼んだ時間と、確かめて直した時間を分けて書いておくと、前の週と比べられます。

他人の削減時間を目安にしない理由

他人の「何時間減った」は、自分の目安にしないほうが安全です。作業の中身も、確かめ方も、人によって違うからです。

今回参照した総務省とIPAの調査が個人について聞いているのは、使う理由や使う時間までです。総務省の調査(2025年度)で、生成AIを使ったことがある人の頻度を見ます。「ほぼ毎日・1日1時間以上」使う人は11.1%でした。「ほぼ毎日・1日1時間未満」は18.8%です。使う理由に「作業の効率が上がる」を挙げた人は42.8%でした。

一方で、AIで作業時間がどれだけ減ったかを個人に聞いた公的な数値は、今回参照した範囲では見当たりませんでした。なお、1日に使う時間が短い人が多いことは、効果が小さいという意味ではありません。

他人の数字ではなく、自分の同じ作業で、使う前と後を比べます。 比べる相手が自分なら、作業の中身や確かめ方の違いを気にせずにすみます。

記録する項目とひな形

記録では、「頼んで出てくるまで」と「確かめて直すまで」の時間を分けて書きます。AIの答えが早く出ても、確かめて直す時間が長ければ、合計は減らないことがあるからです。下は、そのまま使える空欄のひな形です。

日付 作業名 AIを使ったか 頼んで出てくるまで 確かめて直すまで 合計 メモ
             
             
             

AIを使わなかった日は、「頼んで出てくるまで」を空けておき、作業全体の時間を「合計」に書きます。メモには、作業の分量や、直した理由を短く書いておくと、あとで比べやすくなります。

時間を分けて書くのは、確かめる人とそうでない人がいるからです。総務省の調査(2025年度)で、生成AIを使ったことがある人に聞いた結果です。答えを他の方法で確かめている人は38.2%でした。根拠や判断の理由を確かめている人は27.4%、特に気を付けていることがない人は24.6%です(複数回答)。

確かめる時間を数えないと、同じ条件で比べられません。 ただし、これらは別々の回答で、同じ人がどれに当たるかは分かりません。

記録の単位と期間

記録は、細かくしすぎないほうが続きます。下の進め方は、筆者が整理したものです。

  1. 記録する作業を1〜3つに絞ります
  2. 時間は15分単位で書きます。分単位まで細かくしなくてかまいません
  3. 同じ作業の記録を何回分かためます
  4. 週の終わりに、記録を見直します

15分という単位は、総務省統計局の社会生活基本調査を参考にしました。この調査は、1日の行動を15分刻みの時間帯で集計しています。ただし、この調査はAIの効果を測るためのものではありません。

何回分ためれば十分かという公的な目安は、見当たりませんでした。1回の記録だけで、効いた・効かないを決めないようにします。 無理なく書ける範囲で、記録を続けてください。

出典: 総務省「令和8年版 情報通信白書(第Ⅰ部第1章第1節 個人におけるAI利用の現状)」

使う前と後を比べて決める

記録がたまったら、使う前と後の合計の時間を比べて、続けるかを決めます。比べるときは、同じ種類の作業どうしで比べるのが基本です。

例えば、ライターの副業をしている人が、取材メモの整理にAIを使う場面です。AIを使わない週と使った週で、整理が終わるまでの時間を比べます。

週に1回ある作業から比べる

毎日使わなくても、週に1回ある作業で前後を比べれば、効果は確かめられます。総務省の調査(2025年度)で、生成AIを使ったことがある人に、使う頻度を聞いた結果を年代別に見てみます。

年代 ほぼ毎日(1日1時間以上) ほぼ毎日(1日1時間未満) 週に少なくとも1回(毎日ではない)
15〜19歳 9.5% 23.3% 39.2%
20代 18.0% 19.9% 31.7%
30代 12.9% 21.6% 31.9%
40代 8.9% 20.8% 36.6%
50代 6.6% 12.1% 37.4%
60代 5.8% 5.8% 36.2%

出典: 総務省「令和8年版 情報通信白書(第Ⅰ部第1章第1節 個人におけるAI利用の現状)」

出典: 総務省の白書(2025年度調査)。割合のもとになる人は、各年代の生成AIを使ったことがある人です。月に1回以下などの答えは表に入れていません。

年代別の生成AIの利用頻度。週に少なくとも1回は40代36.6%、50代37.4%、60代36.2%でほぼ同じ。ほぼ毎日の2区分の合計は20代37.9%、60代11.6%

出典: 総務省「令和8年版 情報通信白書」(2025年度調査)をもとに作成。各年代の生成AIを使ったことがある人が母数です

「ほぼ毎日」の2つを合わせると、20代は37.9%、60代は11.6%でした(記事側の計算)。一方、「週に少なくとも1回」は、40代36.6%、50代37.4%、60代36.2%で、ほぼ同じです。

毎日使う人の使い方を、自分の目安にしなくてよいと筆者は考えます。 週に1回ある作業で前後を比べる形は、使う人の多い頻度に沿っています。ただし、使ったことがある人の割合は年代で違います。頻度は使う回数で、時間の減り方を示すものではありません。

同じ条件で前後を比べる

比べるときは、作業の種類と分量をそろえ、確かめて直すまでの時間を含めます。分量が違うと、AIのおかげで早くなったのか、作業が軽かっただけなのか分かりません。下の手順は、筆者が整理したものです。

  1. AIを使わずに、その作業をして時間を記録します
  2. AIを使って、同じ種類・同じくらいの分量の作業をして、時間を記録します
  3. 「確かめて直すまで」を含めた合計どうしを比べます
  4. 確かめて直す時間が、前より増えていないかも見ます

IPAの「テキスト生成AIの導入・運用ガイドライン」は、会社などの組織に向けた資料です。この中にも、業務の効率化は数字で評価しにくい面があると書かれています。そのうえで、導入の前と後の残業時間の移り変わりを参考にする方法が挙げられています。

比べるのは、確かめて直すまでを含めた合計の時間です。 前と後を比べるという考え方は、組織向けの資料にある方法ですが、個人の記録にも使えます。

続ける・やめるの決め方

何分減れば続けるかは、公的な基準がないので自分で決めます。下の判断の例は、筆者が整理したものです。

記録を見てわかったこと 判断の例
合計の時間が減り、確かめる手間も見合っている その作業では続ける
下書きは早いが、直す時間で合計が変わらない 頼み方を変えて、もう一度記録する
答えが正しいか、自分で確かめられない その作業では使うのをやめる

下書きの速さだけでなく、合計の時間と確かめる手間を見て決めます。 やめると決めた作業も、頼み方や使うサービスを変えて、また試せます。

IPAの調査(2026年3月、AIを業務で利用している人)では、知りたい情報も聞いています。「回答の真偽を確認せず引用する」などの不適切な使い方の例は、61.4%が知りたいと答えました。この割合は「知りたい」と「どちらかといえば知りたい」の合計です。仕事でAIを使っている人でも、確かめ方への関心は高いと読めます。

出典: 総務省「令和8年版 情報通信白書(第Ⅰ部第1章第1節 個人におけるAI利用の現状)」/IPA「2026年度 AIの説明に関する意識調査(付録2 単純集計データ)」

つまずきやすい3つの点

時間を記録して比べるときに、つまずきやすい点が3つあります。どれも、比べる条件がそろわなくなる原因です。

例えば、営業職の人が、提案書の下書きにAIを使い始めた場面です。下書きにかかった時間だけを書いていると、確かめて直した時間が記録から抜け落ちます。

確かめる時間を数え忘れる

つまずきやすい点のひとつは、確かめる時間を数え忘れることです(筆者の整理)。下書きが早く出ると、それだけで作業が早くなった気がしやすいからです。

下書きの時間だけで判断しない

AIの下書きが早く出ても、確かめて直す時間を含めると、使う前との差が小さくなることがあります。記録表の「確かめて直すまで」の欄は、空けずに埋めます。

「記録する項目とひな形」の節で見たとおり、答えを確かめている人もいれば、特に気を付けていない人もいます。何を使って確かめているかは、公的な統計には見当たりませんでした。

確かめる方法を先に決めておくと、確かめる時間も毎回そろいやすくなります。 時間がそろえば、使う前と後をより公平に比べられます。

入力してよい情報を決めていない

記録を始める前に、AIに入れてよい情報を決めておきます。途中でルールを変えると、作業のやり方が変わり、前後を比べにくくなるからです。決めておくのは、次の3つです。

  • 社外秘の情報を入れないか
  • 名前や連絡先などの個人情報を入れないか
  • 勤務先にAIの使い方のルールがあるか(あれば、それに従います)

総務省の調査(2025年度)で、生成AIを使ったことがない人に、テキスト生成AIを使わない理由を聞きました。「情報漏えい、セキュリティ、安全性に不安がある」は10.4%でした。これは使っていない人の答えで、使っている人の割合ではありません。

入力した内容がどう扱われるかは、サービスごとに違います。使う前に、入力した内容の扱いを提供元の案内で確かめます。

使う回数が少なく比べられない

使う回数が少ないと、前後を比べる記録がたまりません。同じ調査(2025年度)で、生成AIを使ったことがある人の頻度を見ます。「月に少なくとも1回(毎週ではない)」は19.8%でした。「年に少なくとも1回(毎月ではない)」は9.6%、「最近1年間は使用していない」は5.1%です。

3つを合わせると34.5%で、使ったことがある人の約3分の1にあたります(記事側の計算)。月に1回以下では、使う前と後を比べる記録がなかなかたまりません。

回数が少ないときは、週に1回以上ある作業を選び直します。 「見分ける4つの基準」の1つめに戻って、候補を見直してください。月に1回の作業は、記録がたまるまで時間がかかるので後回しにします。

出典: 総務省「令和8年版 情報通信白書(第Ⅰ部第1章第1節 個人におけるAI利用の現状)」

よくある質問

記録を始める前によく出る疑問に、調査の数値とあわせて答えます。例えば、事務の仕事をしている人が、無料版で議事メモの清書を試したい場面を思い浮かべながら読んでください。

無料版でも仕事は効率化できますか

無料版でも、作業を選んで記録し、前後を比べるやり方は同じです。総務省の調査(2025年度)で、生成AIを使ったことがある人に理由を聞きました(複数回答)。「利用にかかるお金が無料又は安い」は53.9%でした。

一方で、無料版と有料版で効率化の差を測った公的な数値は、今回参照した範囲では見当たりませんでした。どちらのプランをどれくらいの人が使っているかも、今回参照した公的な調査では分かりませんでした。

まずは無料の範囲で記録し、使う前と比べてみてください。 使える機能はプランによって違うので、提供元の案内で確かめておきます。

何分減れば続ける価値がありますか

何分減れば続ける価値があるか、という公的な基準はありません。自分の作業の合計の時間で決めます。

「他人の削減時間を目安にしない理由」の節で見た数値です。総務省の調査(2025年度)で、使ったことがある人のうち、ほぼ毎日・1日1時間以上は11.1%、1時間未満は18.8%でした。1日にAIを使う時間そのものは、長くない人が多いと読めます。

減った時間が少なくても、確かめて直す時間まで含めて比べると、続けるかを決めやすくなります。 決め方の例は、「続ける・やめるの決め方」の表を参考にしてください。

毎日使わないと意味がありませんか

毎日使わなくても、効果は確かめられます。同じ調査(2025年度)で、生成AIを使ったことがある人の頻度を見ます。「週に少なくとも1回(毎日ではない)」は35.5%でした。頻度の答えの中で、いちばん多い区分です。

毎日使う人より、週に1回ほど使う人のほうが多いということです。くり返す作業で前後を比べられれば、毎日でなくても確かめられます。 週に1回ある作業を1つ選んで、記録から始めてみてください。

出典: 総務省「令和8年版 情報通信白書(第Ⅰ部第1章第1節 個人におけるAI利用の現状)」

この記事の範囲と未解決事項

この記事は、AIを自分の仕事に活かしたい個人に向けて、作業の選び方と時間での確かめ方を書きました。書いていないことと、分からなかったことを次にまとめます。

主張していないこと

  • AIを使えば、どの作業でも時間が減るということ
  • 特定の作業で何時間・何分減るかという目安
  • 特定のサービスやプランの優劣、料金
  • 会社としてのAIの導入、社員研修、費用対効果の考え方
  • 実在する会社や団体の効果の例

未解決事項

  • 個人がAIで作業時間をどれだけ減らせたかを、作業別に聞いた公的な数値は、今回参照した範囲では見当たりませんでした
  • 一般の個人が、生成AIを何の作業にどのくらい使うかの公的な数値は見当たりません。IPAの調査は仕事でAIを使う人が対象で、総務省の目的別は生成AIに限らないAIの集計です
  • 無料版と有料版を使う人の割合は、公的な数値が見当たりませんでした
  • 見分ける4つの基準、記録の項目、続けるかの決め方は筆者の整理で、統計の裏付けはありません
  • 総務省の個人向け調査の回答者数は、白書の本文と図表では確認できませんでした
  • Outlookでメールの下書きを作る方法のヘルプと、OpenAIのヘルプは、本文を確認できませんでした。この記事では使っていません

AIで仕事を効率化する手順(まとめ)

AIで仕事を効率化する手順を、3つにまとめます。

  • 見分ける: 4つの基準で作業を選びます。週に1回以上くり返す、1回に15分以上かかる、文章や情報の整理が中心、結果を自分で確かめられる、の4つです
  • 試す: 読む作業は要点を出させて元の文で確かめます。書く作業は事実を渡して下書きを頼み、訳す・案を出す作業は採るかを自分で決めます
  • 記録して比べる: 「頼んで出てくるまで」と「確かめて直すまで」を分けて書き、使う前と後の合計を比べます

総務省の調査(2025年度)では、生成AIを使ったことがある人の42.8%が、使う理由に効率化を挙げています。週に少なくとも1回使う人は、40代36.6%、50代37.4%、60代36.2%でした。

時間がどれだけ減るかは、人と作業で違うので、自分の記録で確かめます。 確かめる時間まで含めて比べながら、使う作業を少しずつ広げてください。

出典: 総務省「令和8年版 情報通信白書(第Ⅰ部第1章第1節 個人におけるAI利用の現状)」

BoostAIの講座で仕事の効率化を学ぶ

この記事では、AIに任せやすい作業を選び、時間を記録して比べる方法を紹介しました。頼み方や確かめ方を、実際に手を動かしながら身につけたい人もいると思います。

BoostAIでは、動画と演習で、AIの基礎から仕事での使い方までを順に学べるオンライン講座を準備しています。講座は公開準備中で、アカウント登録は無料で受け付けています。受講開始日や料金は、公開時の案内を確かめてください。

講座の内容は、BoostAIのページで確認できます。

出典一覧

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読んだ知識を、使えるスキルに。

AIの基礎から、作品づくり、仕事の進め方まで。手を動かして学ぶオンライン講座です。

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  1. 動画で、要点をつかむ

    1本3〜5分の動画で、ひとつずつ学びます。

  2. 演習で、つくってみる

    学習時間の7〜8割を、手を動かす演習にあてる設計です。

  3. 確認問題で、確かめる

    理解できたかを確かめてから、次のテーマへ進みます。

  4. 仲間と、つながる

    講座のご契約者は、AI人材コミュニティに追加料金なしで参加できます(準備中)。

講座は公開準備中です。アカウント登録(無料)は受け付けています。受講開始日と正式な料金は、公開時にご案内します。

AIを、動画と演習で基礎から。

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