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アーラン 【あーらん】

英語表記: erlang

アーランとは?コールセンターの適正人数・回線数を算出する基礎知識をわかりやすく解説

アーランって具体的に何?

呼や呼数について知りたい

適切なスタッフ人数を計算したいが、根拠となる数値の出し方がわからない

コールセンター運営において、アーランは適切な人員配置を行うために重要な指標です。しかし、アーランが具体的に何であるかや、呼や呼数についてわからない人も少なくないでしょう。

アーランとは、通信の混雑状況を表す単位のことです。

この記事では、アーランの定義から計算に必要な予備知識までを専門用語をわかりやすく解説します。

記事を読めば、根拠のある人員配置や回線設計を行うための基礎が身につきます。

目次

アーランとは「通信の混雑状況」を表す単位!

アーランとはの画像

アーラン(Erlang)は、デンマークの数学者A.K.アーランが提唱した、通信トラフィックの量を表す単位です。主にコールセンターの電話回線数や、応対するオペレーター人数の妥当性を判断する指標として用いられます。

1アーランは、1つの通信チャネル(回線やスタッフ)が1時間連続して占有されている状態を指します。

計算式は「呼量(アーラン)= 呼数 × 平均保留時間 ÷ 単位時間」で算出可能です。

コールセンターの現場では、アーランを用いることで以下の2点を明確にできます。

アーランで明確にできる内容
  • 応答率目標を達成するために必要なオペレーターの人数
  • 着信を逃さないために確保すべき電話回線の本数

勘や経験則で人員を配置すると、スタッフが過剰になりコストが膨らむか、不足して放棄呼が増えるかのどちらかに陥ります。

アーラン式を活用すれば、数学的な根拠に基づいて「無駄のない最適なリソース」を割り出すことができます。

アーランを理解するために必要な予備知識

アーランを理解するために必要な予備知識の画像

アーランを適切に理解するためには、以下の知識を身につけておく必要があります。

アーランを理解するために必要な予備知識

呼 | 電話の着信から切断までの一連のイベントを指す最小単位

「呼(こ)」は、通信におけるトラフィックの最小単位です。電話の世界では、1回の着信が発生し、通話が終わって回線が切断されるまでを「1呼」と数えます。

コールセンターにおける「1本の電話」が、分析上の「1呼」に該当します。呼は、単なる着信数ではなく、システムがリソースを占有し始めた瞬間から解放されるまでの「動作のまとまり」を指す概念です。

呼数 | 一定時間内に発生したすべての着信回数の合計値

呼数(こすう)は、特定の期間内に発生した呼の総本数です。一般的には、1時間あたりの着信総数を「呼数」として計算に用いるケースがほとんどです。

例:午前9時から10時までの間に合計60件の着信があった場合、その1時間の呼数は60件

呼数が多いほど、現場の負荷は高まり、より多くのリソースが必要になります。

保留時間 | 1回の着信における「通話」から「後処理」までの平均対応時間

保留時間は、1呼あたりにリソースが占有される時間の長さです。コールセンター用語では「AHT(Average Handling Time:平均応対時間)」と呼ばれる指標に相当します。

具体的には、以下の3つの時間の合計を指します。

  1. 顧客との通話時間
  2. 保留(保留音を流して待たせている)時間
  3. 通話終了後の入力作業(後処理)時間

多くの管理者が「通話時間」だけで計算してしまうミスを犯しますが、後処理中もオペレーターは次の電話を取れません。後処理時間を含めて計算しなければ、算出された必要人数は実態よりも少なくなってしまいます。

呼量 | 回線やスタッフが「延べ何時間」使われたかを示す指標

呼量(こりょう)こそが、単位「アーラン」で表される数値そのものです。呼数に平均保留時間を掛け合わせ、特定の単位時間で割ることで算出されます。

計算式は、以下のとおりです。

A = n × h / T(A: 呼量、n: 呼数、h: 平均保留時間、T: 単位時間)

たとえば、1時間に60件の着信があり、平均保留時間が3分(180秒)の場合、呼量は以下のように計算します。 単位時間を1時間(3,600秒)とした場合、

60件 × 180秒 ÷ 3,600秒 = 3アーラン

この「3アーラン」という数値は、理論上「3人が休みなく電話を取り続けてちょうど処理できる量」を意味します。しかし、現実は着信タイミングが重なるため、3人ちょうどでは応答率が下がります。

まとめ | アーランとは「サービス品質を下げずにコストを最小化する」ための科学的根拠

アーランは、コールセンター運営において感覚的な判断を論理的な数値へと変換する重要な指標です。呼数と保留時間を把握して正確な呼量を算出できれば、回線数や必要人数を数学的根拠に基づいて決定できます。

応答率が低いからといって闇雲に人員を増やすのではなく、まずは自社のデータを基に現在のリソースが論理的に妥当であるかを検証するようにしましょう。

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