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データセンター 【でーたせんたー】

英語表記: DC(Data Center)

【初心者向け】データセンターとは?基礎知識やクラウドとの違い、利用するメリットを解説

データセンターは具体的にどのようなもの?

データセンターとクラウド、自社には結局どちらが合っているのか知りたい

用語が難しくて、ハウジングやホスティングの違いが理解できない

自社の情報資産を守るためにデータセンターの導入を検討し始めたものの、専門用語やクラウドとの違いに戸惑い、一歩踏み出せない担当者は非常に多いです。

データセンターとは、サーバーの安全な保管・運用に特化した専用施設のことです。データセンターには、物理的なセキュリティ対策の向上や自然災害リスクの低減といったメリットがあります。

データセンターのメリット
  • 物理的なセキュリティ対策が向上する
  • 自然災害によるサーバー故障を防止できる
  • サーバー内部の温度上昇を防げる
  • 24時間365日障害対応を代行してもらえる
  • 社内スペースの確保や運用・管理コストの削減
  • 電力供給が安定する

この記事では、初心者でもデータセンターの仕組みを完全に理解できるよう、基礎知識からクラウドとの違い、具体的な選定ポイントまで解説します。

記事を読めば、データセンターの必要性が明確になり、自社の事業継続に最適なインフラ環境を選べるようになります。

目次

データセンターとはサーバーの安全な保管・運用に特化した専用施設のこと

データセンターとはの画像

データセンターは、サーバーやネットワーク機器を設置し、稼働させるために設計された専用の建物です。高度なセキュリティ設備と、安定した電源供給、高速なネットワーク回線を備えています。

ITインフラを自社内(オンプレミス)で運用する場合、停電や地震、空調の不備といったリスクに常にさらされます。データセンターは、専門施設としてリスクを最小限に抑えることが可能です。

建物自体が耐震・免震構造で作られており、災害時でもシステムが止まらない仕組みが整っています。サーバーにとって最適な温度と湿度を保つ空調システムも完備されています。

データセンターのは「ハウジング」と「ホスティング」の2種類

データセンターのは「ハウジング」と「ホスティング」の2種類の画像

データセンターの利用形態は、大きく分けて2種類存在します。自社で機器を所有するか、事業者の機器を借りるかによって、ハウジングとホスティングに分かれます。

それぞれの特徴について確認していきましょう。

ハウジング | 自社所有の機器を設置する「場所と通信環境」を借りる形態

ハウジングは、データセンター内のラック(設置棚)やスペースを借り、自社で購入したサーバーを設置するサービスです。「コロケーション」とも呼ばれます。

自社の資産であるサーバーを持ち込むため、機器のスペックやOSの種類を自由に選定することが可能です。特殊な業務ソフトを動かしたい場合や、こだわりの構成がある場合に適しています。

ただし、ハードウェアの故障時には自社で部品交換を行う必要があります。物理的な所有権が自社にあるため、柔軟なカスタマイズが可能になる点がハウジングの特徴です。

ホスティング | 事業者が所有する「サーバーやITインフラ」をレンタルする形態

ホスティングは、データセンター事業者が所有するサーバーの一部、または全部をレンタルして利用するサービスです。一般的には「レンタルサーバー」として知られています。

自社でハードウェアを購入する必要がないため、初期費用を大幅に抑えることが可能です。機器のメンテナンスや故障対応も事業者が行うため、管理の負担が軽減されます。

一方で、利用できるサーバーの種類や設定には制限がある場合が多いです。事業者が用意したメニューの中から、自社の用途に合うプランを選択して利用します。

IT担当者が不足している企業や、標準的なWebサイト、メールサーバーを手軽に運用したい企業にとって、効率的な形態です。

データセンターとクラウドの違い

データセンターとクラウドの違いの画像

データセンターとクラウドは混同されやすい言葉ですが、物理的な実体があるかどうかが大きな違いです。以下の比較表で、主な違いを確認してください。

比較項目データセンター(ハウジング)クラウド
実体の有無物理的なサーバーを所有・占有仮想的なリソースを利用
初期費用機器代金などで高額になりやすい初期費用は安価、または無料
導入期間機器調達が必要で数週間〜数ヶ月オンライン契約で即日利用可能
カスタマイズ物理層から自由に設計可能サービス提供側の制限を受ける
保守管理物理機器の保守は自社負担物理層の管理は事業者が担当
料金体系月額固定のラック料金が中心使った分だけ払う従量課金が中心

データセンターは「物理的な箱を借りて自社で管理する」イメージです。クラウドは「インターネット越しに必要な機能だけを借りる」イメージを持つと理解しやすくなります。

データセンターを利用する6つのメリット

データセンターを利用するメリットの画像

データセンターを利用するメリットは、以下のとおりです。

物理的なセキュリティ対策が向上する

データセンターは、厳重な入退室管理を行っています。生体認証やICカード、共連れ防止ゲート、監視カメラの設置により、部外者の物理的な接触を遮断しています。

オフィス内にサーバーを置いている場合、清掃業者や来客が誤ってサーバー室に立ち入るリスクを排除できません。データセンターなら、物理的な盗難や破壊から機材を守れます。

システムを守るためには、サイバー攻撃対策だけでなく物理的な守りも重要です。データセンターは、最高水準のセキュリティレベルを低コストで実現できる施設です。

自然災害によるサーバー故障を防止できる

データセンターの建物は、震度7クラスの地震にも耐えうる免震・耐震構造を採用しています。浸水リスクの低い立地や、火災時の特殊な消火設備も備えています。

オフィスビルが地震で損壊しても、データセンター内のサーバーは無傷で稼働し続けられるケースが多いです。

災害大国である日本において、重要データを安全な建物に避難させることは、事業継続計画(BCP)の基本となります。

サーバー内部の温度上昇を防げる

データセンターは、サーバーが発する熱を効率的に逃がすため、空調設備を24時間稼働させています。一定の温度と湿度を保つことで、機器の寿命を延ばせます。

サーバーは精密機器であるため、熱がこもると処理能力が低下したり、故障したりする原因になるでしょう。一般的なオフィスのエアコンでは、サーバーの排熱処理には不十分です。

データセンターであれば、効率的な空気の流れ(アイルキャッピング)を計算して設計されているため、機器に負担をかけない環境を維持できます

24時間365日障害対応を代行してもらえる

多くのデータセンターでは、専門の技術者が常駐して運用監視を行っています。深夜や休日にトラブルが発生しても、現地スタッフによる迅速な対応が期待できます。

自社運用の場合、休日に障害が起きると担当者が出社しなければなりません。データセンターの「リモートハンド」サービスを使えば、再起動作業などを依頼可能です。

担当者のワークライフバランスを守りつつ、システムの稼働率を最大化できる点は、運用現場にとって大きな救いとなります。

社内スペースの確保や運用・管理コストの削減

サーバーを社外に出すことで、オフィス内の貴重なスペースを有効活用することが可能です。サーバー室のための部屋割りや、専用の防音対策、配線工事も不要になります。

サーバーが稼働する際の騒音や振動、排熱に悩まされることもなくなります。物理的な清掃や、資産の棚卸しといった周辺業務の負担も大きく軽減できます。

本来の業務にIT人材が集中できる環境を作ることで、結果的に目に見えない管理コストの削減につながるでしょう。

電力供給が安定する

データセンターは、複数の変電所から受電する冗長化や、大型の自家発電機を備えています。地域停電が発生しても、サーバーの電源が落ちることはありません。

落雷による電圧の変化から機器を守る設備も整っています。法定点検による全館停電があるオフィスビルでも、データセンターなら無停電で運用できます

電力の安定供給はシステムの信頼性の基盤です。どのような事態でも電気が止まらない環境は、ビジネスの継続において重要です。

クラウドと比較したデータセンターのメリット5選

クラウドと比較したデータセンターのメリット5選の画像

近年はクラウド移行が活発ですが、あえて物理的なデータセンターを利用する利点も多く存在します。クラウドでは解決できない課題をクリアできる5つのポイントを紹介します。

IT機器やネットワークを自社の要件に合わせて選定できる

データセンター(ハウジング)では、サーバーやストレージ、ネットワーク機器の機種を1台ずつ自由に指定できます。特定のメーカーに統一したいといったニーズにも対応可能です。

クラウドは汎用的なメニューから選ぶ形式のため、特殊な高性能ハードウェアが必要な業務には不向きな場合があります。

ハードウェア構成に独自のノウハウがある企業にとって、物理層を完全にコントロールできる点は大きなアドバンテージです。

物理機器に直接アクセスできるため、障害原因を自社で特定・復帰させやすい

システムトラブルが発生した際、データセンターなら物理的な配線や機器の状態を直接確認できます。自社のエンジニアが現地に行けば、全てのログや機材を把握可能です。

クラウドで大規模な障害が起きた場合、ユーザーは事業者の復旧作業を待つしかありません。障害の原因も、事業者が公開する情報の範囲内でしか知ることができません。

「自分たちの手で原因を突き止め、一刻も早く復旧させたい」という現場の要望に応えられるのは、データセンターでの運用です。

自社と異なる地盤の拠点を利用することで、地域災害のリスクを回避できる

本社が東京にある場合、大阪や福岡のデータセンターにバックアップを置くことで、広域災害に備えることができます。地理的な分散により、全データ喪失を防げます。

クラウドも分散されていますが、どこのデータセンターを使っているか正確に把握できない場合もあります。データセンター利用なら、特定の地盤や自治体を選んで契約可能です。

地政学的リスクや特定の災害予測に基づき、戦略的に保管場所を選べる点は、厳格なリスク管理を行う企業に選ばれる理由です。

大容量かつ高品質な通信を実現できる

データセンターは、バックボーンネットワークに直接接続されているため、非常に太く安定した回線を利用できます。動画配信や大規模な基幹システムでも、遅延の少ない通信が可能です。

クラウドではインターネット経由の通信が主となり、時間帯によって速度が不安定になることがあります。データセンターなら、自社専用の専用線を引き込むことも容易です。

通信の質がビジネスの成果に直結するサービスにおいて、回線の帯域や経路を完全に制御できるデータセンターの価値は高いといえるでしょう。

クラウドでは補完できないデータまで管理できる

法律や業界規制により、クラウド(不特定の場所)に保存できない種類のデータが存在します。データセンターなら、データの物理的な所在を「東京都〇〇区」と明確に特定することが可能です。

機密保持契約の関係で、外部の共有インフラにデータを置けないプロジェクトもあります。物理的に隔離されたサーバーとストレージを使えるデータセンターは、コンプライアンス遵守の最適解です。

データセンターを選ぶ際のポイント

データセンターを選ぶ際のポイントの画像

データセンターを選ぶ際は、以下のポイントを参考にしてみてください。

データセンターの立地や交通便を確認する

データセンターを選ぶ際は、立地や交通便を確認するようにしましょう。24時間、公共交通機関や車でアクセスしやすい場所にあることが望ましいです。

一方で、ハザードマップを確認し、洪水や土砂崩れのリスクがない場所かどうかも重要です。便利さと安全性のバランスを慎重に見極める必要があります。

現地確認の際は、最寄り駅からの距離だけでなく、搬入口の広さやセキュリティゲートの通過にかかる時間もチェックすべきです。

高速・低遅延のネットワークを採用しているか

データセンターが提供する回線のスペックだけでなく、接続しているプロバイダの種類や数を確認してください。複数の経路を確保している「マルチキャリア」対応が理想的です。

自社オフィスとデータセンターを専用線で結びたい場合、その工事が可能かどうかも確認事項です。ネットワークの拡張性がないと、将来の事業拡大時に困ることになります。

「繋がれば良い」ではなく、「ストレスなく高速に繋がること」を基準にスペックを選定してください。

障害時の対応体制

24時間365日、日本語でサポートを受けられる体制があるかを確認してください。メールだけでなく、緊急時に電話が繋がるかどうかも重要な判断基準です。

現地スタッフが行ってくれる「代行作業」の範囲も明確にする必要があります。電源のオンオフだけでなく、テープの入れ替えや、ランプ点灯確認などが可能かチェックしましょう。

SLA(サービス品質保証)が設定されているか、過去の稼働実績(稼働率)はどうなっているかを確認することで、信頼性を数値で判断できます。

必要な電源容量を満たしているか

安定してサーバーを運用するためには、必要な電源容量を満たしている必要があります。ラックごとに電源容量が決まっているケースが多いため、事前によく確認しましょう。

容量が不足している場合は、新しくラックを契約する必要があるため、コストが高くなります。

必要な電源容量を満たしているデータセンターを選ぶようにしてください。

セキュリティ対策は万全か

入退室管理の厳格さだけでなく、監視カメラの死角がないか、ラックに鍵がかかっているかを確認してください。ISO27001などの国際的なセキュリティ認証の取得状況も目安になります。

「誰が、いつ、どこに入ったか」というログが適切に保管され、必要に応じて提出してもらえるかも重要です。物理的な守りこそが、データセンターに支払う費用の対価です。

データセンターの料金体系

データセンターの料金体系の画像

データセンターの料金体系は、主に以下の5要素で構成されます。導入時は初期費用だけでなく、継続的に発生する月額コストを把握することが重要です。

項目内容費用の性質
初期費用手数料、設置工事費導入時のみ
ラック代スペースのレンタル料月額固定(サイズで変動)
電力費用サーバーの電気代定額制または従量課金
回線費用通信ネットワーク代帯域や保証の有無で変動
オプション運用代行、障害対応利用分のみ加算

初期費用はキャンペーンで無料になる場合もありますが、電力や回線は冗長化や品質保証を求めるほど高額になります。5年程度の長期スパンでトータルコストを試算し、自社の予算に最適なプランを選定してください。

まとめ | データセンターはDX時代のビジネス継続性を支えるインフラ

データセンターは、単なるサーバー置き場ではなく、企業の命運を握るデータを災害や脅威から守り抜く施設です。物理的な実体があるからこその安心感と自由度は、クラウドにはない強みとなります。

強固なセキュリティ、安定した電源、高速なネットワークを自社でゼロから構築するのは現実的ではありません。データセンターという専門施設を活用することは、ビジネスの信頼性を高めるために役立ちます。

まずは自社のサーバーが現在置かれている環境を見直してください。もし地震や停電で数日間業務が止まった際、どれほどの損失が出るかを想像してみてください。

五十音: で行
アルファベット: D
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