社内SEのキャリアパス8選!選び方や転職を成功させるコツを経験者が解説

社内SEのキャリアパス8選!選び方や転職を成功させるコツを経験者が解説

今の会社で社内SEとして働いているけれど、このままで良いのか将来が不安

スキルを磨いて転職や昇進も視野に入れたい

キャリアパスが限られているのではと感じる

このような悩みを抱える人は多いでしょう。実際のところ、社内SEのキャリアパスは想像以上に広いです。

企業のデジタル化が進む今、ITの知識だけでなく、業務改善やマネジメントスキルを持つ社内SEはどの業界でも重宝される存在です。

この記事では、社内SE経験者が8つのキャリアパスと選び方、転職を成功させるためのコツを解説します。

記事を読めば、社内SEのキャリアパスを理解し、自分に合ったキャリアの方向性が見えてくるでしょう。

\ 情シス専門オンラインスクール /
情シスカレッジ バナー
目次

社内SEのキャリアパス8選!情シス経験者が解説

社内SEのキャリアパスは、以下のとおりです。

それぞれ転職するメリットや職種の特徴を詳しく解説します。

社内SEのキャリアパスに悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。

別企業の社内SEへ転職

社内SEのキャリアパスとして、別企業の社内SEへの転職がおすすめです。

別企業の社内SEへ転職するメリット
  • 業界や企業規模の違いから新しい知識や視点を得られる
  • 社内SEの経験を業務にそのまま活かせる
  • 給与や待遇が改善される可能性がある

同じ社内SEでも、企業や業界が変われば担当業務や求められるスキルは大きく変わります。

たとえば、製造業では生産管理に関する知識が一定数求められますが、ITベンチャーではスピード感が求められるでしょう。

このように業界や企業によって積める経験はそれぞれ異なるので、将来的なキャリアの選択肢を広げることにつながります。

プロジェクトマネージャー

プロジェクトマネージャー(PM)は、社内SEで培った調整力やIT知識などを活用できるキャリアパスです。

プロジェクトマネージャーに転職するメリット
  • 部門間やベンダーとの調整力を活かせる
  • 上流工程の経験を評価してもらえる
  • 年収や役職などの待遇面の向上が期待できる

プロジェクトマネージャーは、システム導入や業務改善などのプロジェクトを成功に導く責任者です。社内SEとして現場の業務を理解してきた経験は、現実的なスケジュールや仕様設計において役立ちます。

また、部門やベンダーの調整や課題発見・解決スキルも、プロジェクトマネージャーに必要なスキルです。

マネジメントスキルを向上させたい人や、年収アップを実現させたい人は、プロジェクトマネージャーへの転職を視野に入れましょう。

インフラエンジニア

インフラエンジニアは、社内SEとしての運用経験やトラブル対応力を活かして、専門性を高めながらキャリアアップできる職種です。

インフラエンジニアに転職するメリット
  • サーバーやネットワークなどの実務経験を強みにできる
  • クラウドやセキュリティなど成長分野にスキルを広げられる
  • 専門職として市場価値と年収が上がりやすい

インフラエンジニアは、企業のIT基盤となるネットワーク・サーバー・ストレージの設計・構築・運用を担う重要な職種です。

社内SEは日常的にPCのセットアップやネットワーク設定・構築、障害対応などに携わるため、経験をインフラエンジニアに活かせます。

ネットワークやサーバーなどインフラの専門性を高めたいと考えている人は、ぜひインフラエンジニアとしてのキャリアも考えてみてください。

ITコンサルタント

ITコンサルタントは、社内SEとしての業務理解やITスキルを活かして、より戦略的な立場で企業のサポートをおこなう職種です。

ITコンサルタントに転職するメリット
  • 現場視点を持った提案ができるため、即戦力として評価される
  • 高収入を目指せる
  • クライアント企業の経営課題に携われるようになる

ITコンサルタントは、業務プロセスの改善やシステム導入支援、DX推進などを通じて、企業のIT戦略を支える役割を担います。

社内SEとして得た業務に即したIT導入の視点は、コンサルティング業務において非常に大きな強みです。

ITコンサルタントは高収入も狙えるため、年収アップを実現したい人やクライアントの経営課題に携わりたい人に、おすすめのキャリアパスです。

開発エンジニア

開発エンジニアは、プログラミングなどの開発における専門性を高めたい人におすすめのキャリアパスです。

開発エンジニアに転職するメリット
  • 業務要件を理解したうえで設計・開発ができる
  • 使用経験のある業務システムやツール開発に関われる
  • 自社サービスやSaaS開発など、新たな分野にも挑戦できる

社内SEの業務には、ベンダーとの調整や内製ツールの開発・改修などが含まれているケースが多く、開発エンジニアでも活かせる場面が多いです。

アプリ開発に興味のある人や上流工程経験を活かしたい人は、ぜひ開発エンジニアへのキャリアパスを視野に入れてみてください。

CIO

CIOは、企業のIT戦略をトップの立場でリードするポジションであり、社内SEとしての知見と組織の理解が活かせるキャリアパスです。

CIOに転職するメリット
  • ITと経営の両方を橋渡しする戦略的な立場を担える
  • 社内の実情を理解したうえで全社最適を追求できる
  • 経営層として高年収と影響力を得られる

CIOは情報システム部門の最高責任者として、IT投資計画の立案や全社的なDX推進を担います。

社内SE時代に現場の課題を数多く解決してきた人材であれば、単なるシステム導入にとどまらず、事業全体の最適化を見据えた意思決定が可能です。

ビジネスの成長を経営的目線から支えていきたいと考えている人は、CIOへのキャリアパスも考えてみてください。

CTO

CTOは、企業の技術戦略を担うポジションであり、開発やインフラの実務に強い社内SEにおすすめのキャリアパスのひとつです。

CTOに転職するメリット
  • 技術選定やアーキテクチャ設計に主体的に関われる
  • 技術面から経営に影響を与えられる立場になれる
  • プロダクト志向の企業で活躍の場が広がる

CTOは、プロダクトやサービスの品質・拡張性・スケーラビリティを技術面から支える責任者です。

社内SEとして現場の要件を理解しながら、業務システムを設計・改善してきた経験は、CTOの業務に活かせます

スタートアップや自社サービスを持つ企業では、CTOがビジネスと開発の橋渡し役として重視されているため、需要の高いキャリアパスといえるでしょう。

起業する

社内SEの経験で起業することも、キャリアパスのひとつです。

社内SEから起業するメリット
  • 現場感覚に基づいた実用的なサービスやプロダクトを企画できる
  • ベンダー管理やツール選定の知識が経営判断に活かせる
  • コスト意識や業務効率化の視点が事業運営に直結する

社内SEは日々の業務の中で、業務改善のアイデアや課題の構造的な把握力を養っています。ビジネスの立ち上げにおいて必要なスキルであるため、社内SEの経験を活かせるでしょう。

また、起業はプロダクトを生み出す際にITに強い点は大きな強みであり、コストを抑えた運用やデジタルマーケティングにも対応できます。

弊社も代表が社内SEを3年経験した後に、起業に踏み切っています。

社内SEのキャリアパスの選び方

自分に合ったキャリアパスを選ぶためには、以下の選び方を参考にしてみてください。

それぞれ詳しく解説します。

経験の洗い出しとキャリア志向を確認する

キャリアパスを選ぶ際は、経験とキャリア志向を明確にし、自分のスキルで何ができて何を目指しているのかを確認することが重要です。

社内SEは多岐にわたる業務をこなすため、自分でも気づいていない強みが埋もれていることがあります。

たとえば、ユーザーとの調整が得意な場合はPM志向、構成管理やネットワークが得意な場合はインフラ志向といった具合に、実績を棚卸しすることで方向性が自然と見えてきます。

キャリアの選択に迷いがある場合は、一度自身の価値を客観的に整理し、将来目指す姿に合致したキャリアを選ぶことで、後悔のない選択が可能です。

5年後・10年後の理想像から逆算して道を選ぶ

転職は将来の理想の働き方やライフスタイルを明確に描き、逆算してキャリアパスを選ぶことが重要です。

理想像とキャリアパスの例
  • 安定して高収入を得たい → ITコンサルタントやPM
  • 子育てと両立しやすい仕事をしたい → 別企業の社内SEやフリーランス
  • 技術力を追求したい → インフラエンジニアやCTO

目の前の転職条件だけを見て判断してしまうと、数年後に「こんなはずじゃなかった」と後悔するリスクがあります。

理想の年収や働き方、ポジションをあらかじめ設定しておくことで、条件が明確なため、転職後のミスマッチにつながるリスクを減らせるでしょう。

収入・やりがい・働き方などキャリアの優先軸を決める

キャリアを選ぶ際は、収入ややりがい、働き方などの優先軸を明確にすることで、選択肢を絞りやすくなります。

人によって「年収800万円を超えたい」「自分の技術で勝負したい」「子育てと両立したい」など、理想のキャリア像は異なります。

優先軸を明確にすれば、どのような道に進むべきかが判断しやすくなり、転職の際に納得のいく志望動機や自己PRの作成にもつながるでしょう。

社内SEが転職を成功させるための行動や身につけるべきスキル

社内SEが転職を成功させるためには、以下のようなスキルを身につけるのがおすすめです。

それぞれ詳しく解説します。

IT知識とビジネス知識の底上げ

転職市場で選ばれる社内SEになるには、ITスキルとあわせて、ビジネス全体を理解する知識も高める必要があります。

市場価値の高いスキル
  • クラウド・セキュリティ・ネットワークなどのインフラ基礎知識
  • ERPやSaaSなど業務システムの構造や活用方法
  • 会計・財務・マーケティングなどのビジネス基礎知識

IT技術だけに偏ったスキル構成では、転職後に「使えない」と評価されるリスクがあります。

中途採用の場合は自社の業務を理解し、課題を解決できる人材かどうかが重視されるため、業務フローや経営指標への理解力が強みとなるでしょう。

また、社内で業務部門との会話に慣れている社内SEであれば、ビジネス視点の知識を身につけることで一気に評価が高まります。

コミュニケーションスキルの向上

社内SEに限らず、多くの企業ではコミュニケーションスキルのある人材を求めています。

社内SEは、技術を知っているだけでなく、それを「誰にでも伝えられる」立場にあります。たとえば、システム導入時に現場の混乱を防ぐためには、関係者の合意形成や丁寧な説明が欠かせません。

このようなコミュニケーションスキルは、プロジェクトマネージャーやコンサルタントなど、キャリアアップの際にも必要です。

日常的にコミュニケーションスキルを磨くことを意識し、キャリアアップを実現させましょう。

プロジェクトマネジメントスキル

社内SEとしての経験を活かし、より上位の職種に進むためには、プロジェクトマネジメントスキルの習得が欠かせません。

システム導入や業務改善プロジェクトでは、スムーズな進行管理が求められます。

社内SEは、開発や運用に近い立場で調整業務に関わってきた経験が豊富なため、PMスキルとの親和性が高い職種です。

PMBOKやアジャイル開発の知識を取り入れることで、より実践的なプロジェクト推進力が身につきます。PMPやプロジェクトマネージャー試験といった資格で身につけるのもおすすめです。

最新技術をキャッチアップする

変化の早いIT業界でキャリアを築くうえで、最新技術を継続的にキャッチアップする姿勢が重要です。

注目するべき技術トピック
  • クラウド技術(AWS、Azure、Google Cloud)
  • 情報セキュリティ・ゼロトラスト・EDRなどの防御技術
  • AI、RPA、IoTなどの業務自動化・効率化に関連する技術

社内SEは、社内インフラやシステム運用に深く関わる職種のため、新技術の提案や導入判断を任される場面が多くなります。

常に新しい技術トレンドを追い、使える技術を自分の業務に落とし込める力を持っておくことで、上司や経営層からの信頼も得やすくなります。

資格を取得する

資格はスキルや知識の証明だけではなく、転職市場の信頼性を高める材料にもなります。

資格を取得するメリット
  • 自分の強みを客観的にアピールできる
  • 未経験分野へキャリアチェンジする足がかりになる
  • 学習意欲の高さを示すことで企業の評価が上がる

社内SEは幅広い業務に関わるため、取得すべき資格も目的によって異なります。

たとえば、セキュリティ分野を強化したいなら情報処理安全確保支援士、インフラならLinuCやAWS資格、マネジメントならPMPなどが有効です。

資格取得は独学で取得できるものも多く、すぐに行動に移しやすいのも魅力です。

社内SEが転職を成功させるコツ

社内SEが転職を成功させるためには、以下のコツを確認しておきましょう。

それぞれ詳しく解説します。

自己分析と企業研究でミスマッチを防ぐ

社内SEが転職を成功させるためには、自己分析と企業研究の徹底が重要です。

自己分析で自分の強みや弱みを洗い出し、企業研究で具体的な業務内容や社風といった要素を調査しておくと、転職後のミスマッチを防止できます。

また、説得力のある自己PRや志望動機の作成にもつながるため、転職活動を有利に進められるようになります。

今の職場で実務経験を積みながら準備する

転職を成功させるためには、現職にいながら計画的にスキルと実績を積み重ねておくこともおすすめです。

転職活動を始める前に、「何を経験したか」「どんな成果を出したか」という具体的な実績があると、書類選考や面接での評価が大きく変わります。

たとえば、小規模でも新システム導入の主担当を経験したり、社内の業務改善を提案・実施したりした経験は、アピール材料として非常に強力です。

また、実務での課題解決力やプロジェクト推進力は、企業が社内SEに求めているスキルであるため、業務を通じて身につけましょう。

転職エージェントを活用する

社内SEが転職活動をスムーズに進めたいなら、転職エージェントの活用もおすすめです。

転職エージェントを利用するメリット
  • 非公開求人や情シス特化の求人情報が手に入る
  • 職務経歴書の添削や面接対策などサポートが受けられる
  • 自分の市場価値やキャリアの方向性を客観的に把握できる

社内SE向けの求人は、外部公開されていないケースも多く、転職サイトだけでは十分に情報を得られないことがあります。

転職エージェントを利用すれば、経験にマッチした求人をプロが選んで紹介してくれるため、無駄な応募を避けることができます。

また、社内SE経験をどのようにアピールするべきかも明確になるため、転職活動を有利に進めたい人におすすめです。

社内SEのキャリアパスに関するよくある質問

社内SEと情シスの違いとは?

社内SEとは、企業内のIT業務全般を担当する職種であり、企画・導入・運用・保守・ヘルプデスクなど多岐にわたる仕事を担います。

情シスは組織名称であり、情報システム部門に所属する人材を指す言葉です。つまり、情シス部門で働く人の職種の一つが社内SEです。

また、情シス部門には、社内SEだけでなく、インフラ管理担当や情報セキュリティ担当、IT資産管理の専門職などが含まれる場合もあります

社内SEはフリーランスとしても働けますか?

結論、可能です。

特に近年は、情報システムの運用やヘルプデスク業務の一部を外部委託する企業が増えており、業務委託としてフリーランスの社内SEに依頼がくるケースが少なくありません。

まとめ | 社内SEのキャリアパスは豊富

社内SEは、幅広い実務経験を活かして、専門職・管理職・フリーランス・起業など多彩なキャリアパスを選べる職種です。

技術だけでなく、業務理解・調整力・マネジメント力なども備えているため、自分に合ったキャリアパスを複数の選択肢から選べます。

重要なのは、「何を重視するか(収入・働き方・やりがい)」を明確にし、自分の強みや志向に合ったキャリアを選ぶことです。

また、今の職場で経験を積みながら準備を進め、必要に応じて転職エージェントの支援を受けることで、転職の成功率をさらに高められます。

目次