ヘルプデスクは将来性がある?需要や向いている人、キャリアパスまで徹底解説

ヘルプデスクの将来性に関するアイキャッチ画像

ITサポートの現場で働いていて、将来が不安

ヘルプデスクの仕事に興味はあるが、長く続けられるか疑問

AI化や自動化で仕事が減ると聞き、不安になっている

こうした悩みを抱える人は少なくありません。ヘルプデスクの仕事内容は変化のスピードが速く、将来性を左右する要因も複数存在します。

しかし、最新トレンドを常にキャッチアップしスキルを磨けば、長期的にキャリアを伸ばすことは可能です。

この記事では、ヘルプデスクの将来性や向いている人の特徴、キャリアパスまで詳しく解説します。

記事を読めば、ヘルプデスクのキャリアをどう伸ばすべきかが明確になります。

\ 情シス専門オンラインスクール /
情シスカレッジ バナー
目次

ヘルプデスクの将来性はある?

ヘルプデスクの将来性

ヘルプデスクは、企業のIT環境を支える基盤的な役割を担っており、一定の将来性があります。

しかし、AIの発展により置き換わるリスクもあるため、長く働き続けるにはスキルアップのための努力が欠かせません。

ここからは、ヘルプデスクの将来性について確認していきます。

ヘルプデスクの需要は高い

多くの企業ではソフトウェアやハードウェアといったITが導入されているため、トラブル対応や質問の回答を担当するヘルプデスク業務は需要が高いといえるでしょう。

現代は、ITなしではビジネスの発展も難しい時代です。そのため、ヘルプデスクはITの導入・運用、利用をサポートする役割として現代に必要な存在といえます。

調査力・障害対応スキルがあれば長期的に活躍できる

ヘルプデスクは一次対応レベルの窓口業務だけではなく、トラブルの原因調査や復旧といった業務に対応できる人材の場合は、長期的に活躍できます

一次対応レベルの場合は専門スキルがそれほど求められないため、将来的にAIに置き換えられる可能性があります。

しかし、障害対応や原因調査といった業務に対応できる人材は高度なITスキルを保有しているため、チームリーダーやマネージャーとしてのキャリアにもつながる可能性があるでしょう。

年収アップ・キャリアアップしたい人には不向きな可能性がある

ヘルプデスクは、どのような業界・業種でも一定の需要がある職種ですが、年収アップ・キャリアアップ志向の強い人は不向きな可能性があります。

求人ボックスの画像

求人ボックスの調査によると、ヘルプデスクの平均年収は約389万円と報告されています。一方、国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、日本全国の平均年収は460万円です。

調査結果からわかるように、ヘルプデスクは日本全国の平均年収と比較して低水準です。

システムエンジニアやインフラエンジニアといった職種と比較すると、求められるスキルレベルがそれほど高くないため、年収は比較的低く設定されがちです。

年収アップしたい場合はITエンジニア職への転職が基本的なキャリアパスとなります。

ヘルプデスクは将来性がないしやめとけといわれる理由

ヘルプデスクは将来性がないしやめとけといわれる理由

需要のあるヘルプデスクですが、次のような理由から将来性がないしやめとけと言われることがあります。

それぞれ詳しく確認しましょう。

業務がAIに変わる可能性がある

近年、チャットボットや生成AIの進化により、問い合わせ対応の自動化が急速に進んでいます。特にパスワード再発行や基本的な操作説明など、マニュアル化しやすい定型業務はAIに置き換えられやすい領域です。

さらに、AIは24時間稼働でき、回答のスピードと一貫性にも優れています。人件費削減や業務効率化を目的として、AIを導入する企業は増加してくるでしょう。

将来的には、簡単な業務に関してはAIに置き換えられる可能性が高く、AIでは対応困難な複雑なトラブルや高度な技術サポートを担える人材が長く働き続けられるでしょう。

専門的なITスキルが身につきにくく市場価値が伸びにくい

ヘルプデスク業務は、問い合わせ対応や簡易的な設定変更など、マニュアル化された手順を繰り返す作業が多く、ITエンジニアのような専門スキルを深めにくい傾向があります

システム設計や構築、セキュリティ強化といった上流工程に関わる機会は少なく、長期間同じ業務に従事するとスキルの幅が広がらないまま年数だけが経過してしまうケースもあります。

専門スキルを身につけるためには、自主的に資格取得や勉強を通じて、スキルアップを図る必要があるでしょう。

クレーム対応のストレスが大きい

ヘルプデスクは、社内外の顧客からITに関するトラブル対応をおこなうため、何らかの問題発生時にクレームを受けることも少なくありません

特にトラブルで業務が停滞しているような場合は、強いプレッシャーを感じるでしょう。精神的ストレスが大きくなると、モチベーションの低下や離職につながるリスクも高くなります。

クレーム対応マニュアルの整備や臨機応変な対応力の強化によってストレスを軽減させましょう。

最新技術を学び続けないと知識が陳腐化する

IT業界は技術の進化が早く、最新技術について勉強を続けていないと知識が陳腐化してしまいます。

ヘルプデスクは利用者サポートの最前線であるため、新しいOS、クラウドサービス、業務アプリケーションの仕様変更に迅速に対応しなければなりません。

知識が古いままだと、的確な回答や適切なトラブルシューティングができない可能性が高くなります。

効率的に最新技術をキャッチアップするためには、ベンダーの公式情報や社内研修、IT関連ニュースの継続的なチェックが有効です。

トラブル対応が長引くと残業が発生する

ヘルプデスクはシステム障害や重大なトラブルが発生した場合、解決まで現場を離れられないことがあります。

原因調査や復旧作業が長引くと、定時を過ぎても業務が続くため、残業につながります。特に、夜間や休日に発生した障害では呼び出し対応が必要になる場合もあり、ワークライフバランスを崩す要因となるでしょう。

ヘルプデスクに向いている人の特徴

ヘルプデスクに向いている人の特徴

ヘルプデスクに向いている人の特徴は、以下のとおりです。

それぞれ詳しく解説します。

クレーム処理能力のある人

ヘルプデスクは、システム障害やトラブル発生時にクレームを受ける機会が少なくありません。

クレームを受けた際は、相手の怒りや不安を受け止めつつ、事実関係を整理し、冷静に解決策を提示する力が必要です。

クレーム処理能力の高い人は、相手の言葉の背景にある本当の要望や課題を見抜き、的確な提案や迅速な対応ができます。

適切な意図を汲み取ることができれば、利用者の不満を解消できるだけではなく、信頼関係の構築にもつながるでしょう。

ヒアリング力の高い人

ヘルプデスク業務では、利用者が必ずしも正確に状況を説明できるとは限りません。

問題の背景やなぜ起きたかを把握するためには、相手の話を遮らずに傾聴し、必要な情報を引き出すヒアリング力が求められます。

ヒアリング力の高い人は、利用者の言葉の中からトラブル解決に直結する手がかりを見つけ、効率的に原因特定を進められます。

また、専門用語を避け、利用者が理解しやすい言葉で質問することで、相手も安心して相談できるようになるでしょう。

臨機応変に対応できる人

ヘルプデスクでは、マニュアル通りでは解決できない予期せぬトラブルに直面することがあります。

意図しない状況でも迅速かつ柔軟に判断し、最適な対応策を講じることのできる人は、多くの企業から重宝されるでしょう。

また、必要に応じて他部署と連携したり、代替案を提示したりする行動力も重要です。

ヘルプデスクのキャリアパス一覧

ヘルプデスクのキャリアパス一覧

ヘルプデスクのキャリアパスは、以下のとおりです。

それぞれ詳しく解説します。

社内SE

社内SEは、企業内部のシステムやネットワークの安定稼働を支える重要な役割を担う職種です。

社内SEの特徴
  • 社内システム全般の安定稼働と改善提案を担当する
  • ヘルプデスクや各部署と連携し、業務効率化を推進する
  • ベンダー選定や契約管理など外部との折衝業務も多い

ヘルプデスクで培った問い合わせ対応力やシステムの基本知識を活かしつつ、より上流の業務に携わることが可能です。

業務範囲は広く、日常的な社内システムの運用・保守から、システム改善、ベンダーコントロール、セキュリティ対策まで多岐に渡ります。

サーバーエンジニア

サーバーエンジニアは、企業のIT基盤を支えるサーバーの設計・構築・運用を専門とする職種です。

サーバーエンジニアの特徴
  • サーバーの構築・運用・監視を通じてシステムの安定稼働を維持する
  • LinuxやWindows Serverなど複数のOSに精通する必要がある
  • セキュリティ更新や障害対応を迅速に行い、業務影響を最小限に抑える

物理サーバーからクラウド環境まで幅広く対応し、安定稼働とセキュリティ確保を担います。

ヘルプデスク経験者は、サーバー障害時の切り分けや基本的な設定作業における経験を活かしやすいため、キャリアパスとして選ばれることが少なくありません。

業務ではOSやミドルウェア、仮想化技術など幅広い知識が必要となり、継続的なスキル習得が求められます。

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアは、社内外の拠点やクラウド環境をつなぐ通信インフラを設計・構築・運用する職種です。

ネットワークエンジニアの特徴
  • ルーターやスイッチなどの機器設定・保守を行い、通信品質を確保する
  • ネットワーク設計やセキュリティ対策を企画・実行する
  • 障害時の切り分けや復旧対応を迅速かつ正確に実施する

安定した通信環境を維持するために、ネットワーク機器の設定や障害時の迅速な復旧対応をおこないます。

ヘルプデスク経験者は、ネットワークの基本構造やトラブルシューティングの基礎知識を持っている場合が多く、現場経験を活かしてキャリアアップしやすい傾向があります。

テクニカルサポート

テクニカルサポートは、自社製品やサービスを利用する顧客に対して、技術的な質問やトラブルに対応する職種です。

テクニカルサポートの特徴
  • 製品やサービスに関する専門的な問い合わせに対応する
  • 顧客の課題を分析し、解決策を分かりやすく提示する
  • 開発部門や営業部門と連携し、改善提案や機能要望をフィードバックする

対応範囲はソフトウェア、ハードウェア、クラウドサービスなど多岐にわたり、顧客満足度の向上に直結します。

ヘルプデスク経験者は、利用者対応のスキルや問題解決のフロー構築経験をそのまま活かせるため、比較的スムーズに移行できます。

製品知識の深さが成果に直結するため、日々の学習と情報収集が不可欠です。

フロントエンドエンジニア

フロントエンドエンジニアは、WebサイトやWebアプリケーションの画面部分を設計・実装する職種です。

フロントエンドエンジニアの特徴
  • HTML/CSS/JavaScriptを用いてWeb画面を構築・改善する
  • ユーザー体験(UX)を考慮した設計・実装を行う
  • デザイナーやバックエンドエンジニアと連携して開発を進める

利用者が直接触れるUI(ユーザーインターフェース)の品質を高め、快適な操作性を実現する役割を担います。

ヘルプデスク経験者は、ユーザー目線での改善提案や使いやすさの検証経験を持っている場合が多く、経験・スキルを活かしてUI改善や機能設計に携わることが可能です。

主にHTML、CSS、JavaScriptなどの言語スキルが必要で、デザインやUXの知識も求められます。

プログラマー

プログラマーは、システムやアプリケーションの設計書をもとにプログラムを実装し、動作確認やテストをおこなう職種です。

プログラマーの特徴
  • 設計書に基づきプログラムを作成し、動作確認を行う
  • 使用言語や開発環境に応じた専門知識を活用する
  • バグ修正や機能改善を通じてシステムの品質を高める

使用する言語はJava、Python、PHP、C#など多岐にわたり、開発対象によって必要なスキルが異なります。

ヘルプデスク経験者は、ユーザーからの要望や改善点を現場で把握しているため、それを開発に反映できる強みがあります。

正確なコーディングとバグ修正の能力に加え、チームでの開発経験やバージョン管理ツールの活用スキルも重要です。

ヘルプデスクから社内SEを目指す場合は「情シスカレッジ」がおすすめ

情シスカレッジの画像
情シスカレッジの特徴
  • 情シスに必要な知識・スキルをスキマ時間に学習できる
  • ヘルプデスクのスキルアップにつながる講義が見放題
  • 最新トレンドの研修が次々と更新される

ヘルプデスクで得た経験は、社内SEへのキャリアアップに直結しますが、移行を成功させるにはシステム運用やセキュリティ、ネットワーク管理など幅広い知識が必要です。

情シスカレッジは、現役のIT担当者や情シス経験者が監修した実務特化型のeラーニングサービスです。

IT資産管理や情報セキュリティ、社内インフラといった情シスに必要な知識に加え、クラウドやAIなど最新技術まで動画でスキマ時間に学習できます。

短期間で必要な知識を体系的に学べるため、社内SEとして即戦力になりたい人は、ぜひ利用してみてください。

\ ヘルプデスクのスキルアップに最適 /

ヘルプデスクの将来性に関するよくある質問

ヘルプデスクがスキルを磨く方法はありますか?

ヘルプデスクがスキルを磨くためには、以下の方法がおすすめです。

ヘルプデスクがスキルを磨く方法
  • 資格の取得
  • eラーニングの活用
  • オンライン講座や研修に積極的に参加する

ヘルプデスクの平均年収はどのくらいですか?

求人ボックスの調査によると、ヘルプデスクの平均年収は約389万円です。

全体の給与幅としては、276万円〜785万円と幅広いため、勤務先や経験・スキルによっては高い年収も実現できます。

ヘルプデスクは底辺の仕事ですか?

一部では、ヘルプデスクは「底辺の仕事」と誤解されることがありますが、仕事内容についてよく理解できていないことが原因です。

未経験から始めやすく、単純な問い合わせ対応が多い環境では専門性が身につきにくいこともあります。

しかし、利用者の問題を的確に解決し、業務の継続性を支える役割は非常に重要です。

さらに、障害対応の経験やコミュニケーション能力は、社内SEやエンジニア職へのキャリアアップに直結します。

まとめ | ヘルプデスクは将来性のある職種だがスキル磨きが不可欠

ヘルプデスクは、企業のIT環境を支える重要なポジションであり、安定した需要があります。

しかし、AI化や自動化の進展、専門スキル不足によるキャリア停滞といったリスクも存在します。

長期的に活躍するためには、日々の業務だけに頼らず、資格取得や新技術の習得など積極的なスキルアップが欠かせません。

また、社内SEやエンジニアなど上位職種へのキャリアパスを意識することで、収入や仕事の幅も広がります。

目次