UDPとは?仕組みやTCPとの違いまでわかりやすく解説

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UDPはどのようなプロトコルなの?

UDPとTCPの違いが知りたい

UDPは普段どのような場面で使用されているの?

動画配信やオンラインゲームを利用していると、途切れないスムーズな通信が求められます。そこで、速度を重視したプロトコルとして使用されているのがUDPです。

UDPは信頼性よりも速さを優先する特徴があるため、リアルタイム性が求められる場面で不可欠な存在です。

この記事では、UDPの仕組みやUDPとよく比較されるプロトコルのTCPとの違い、どのような場面で利用されているのか解説します。

記事を読めば、現代の通信のどのような場面でUDPが使用されているのかまで理解できるようになるでしょう。

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目次

UDPとは信頼性よりも速度を重視した通信プロトコル

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UDPは、インターネットのトランスポート層で利用される主要な通信プロトコルです。特徴は、通信の信頼性よりも速度を優先している点にあります。

TCPと異なり、送受信の順序制御や再送処理を行わないため、オーバーヘッドが小さく通信が高速化されます。

UDPが使用される場面
  • 動画配信
  • オンラインゲーム
  • VoIP通話

そのため多少のデータ欠落が発生しても支障が少ない「リアルタイム性が重要な分野」で多く使われています。動画配信、オンラインゲーム、VoIP通話といったサービスに不可欠な基盤技術です。

UDPとTCPの違い

UDPとTCPの違いの画像

UDPを理解するためには、同じトランスポート層で利用されるTCPとの違いを把握することが欠かせません。

TCPは通信内容の正確性を重視しており、送受信データの順序制御や再送処理をおこないます。そのため信頼性が高く、ファイル転送やメールのように欠損が許されない通信に適しています

一方でUDPは軽量設計でオーバーヘッドが小さく、確認作業を省くため、通信がTCPと比較して非常に速いです。そのため、リアルタイム性を優先する通信に適しています。

項目TCPUDP
通信方式コネクション型コネクションレス型
信頼性高い(順序制御・再送あり)低い(保証なし)
通信速度遅め(オーバーヘッド大)速い(軽量設計)
利用シーンWeb閲覧、メール、ファイル転送動画配信、ゲーム、VoIP

UDPはどのような場面で使用されていますか?

UDPが使用される場面の画像

通信速度を重視するUDPは、主に以下のような場面で使用されています。

それぞれ詳しく解説します。

ストリーミングサービス

動画配信や音楽配信などのストリーミングサービスでは、再生が途切れず滑らかに進むことが利用者の満足度に直結します。

仮にTCPを利用すると、パケットの欠落があった場合に再送処理が行われ、映像や音声が止まってしまうことがあります。

UDPは再送を行わないため、多少のデータ欠落があっても通信を続けられます。その結果、視聴者は映像や音声を途切れなく楽しむことが可能です。

オンラインゲーム

オンラインゲームでは、プレイヤーの操作やキャラクターの動きが一瞬でも遅れるとゲーム体験に大きな影響を与えます。

特にFPSやMOBA、バトルロイヤルといった競技性の高いゲームでは、1秒の遅延が勝敗を分けることも珍しくありません。

UDPであれば再送処理を省略するため、多少の情報が欠けてもゲームの進行は止まらず、スムーズに動作し続けます

そのため、プレイヤーは違和感を感じずに快適なゲームを体験できます。

VoIP

VoIP(Voice over IP)は、インターネットを使って音声通話をおこなう仕組みで、ZoomやTeams、LINE通話などが代表例です。

音声通話の遅延は利用者にとって大きなストレスになります。TCPを利用すると、パケット欠落が発生した際に再送制御が働き、会話が遅れて不自然になります。

一方でUDPは再送をおこなわず、届いたデータをそのまま再生するため、多少の音声欠落があっても会話は途切れず進行する点が特徴です。

その結果、より自然でリアルタイムなコミュニケーションを実現できます。

まとめ | UDPは「速さを優先するリアルタイム通信」に欠かせない仕組み

UDPは、信頼性よりも通信速度を重視する特徴を持ち、動画配信・オンラインゲーム・VoIP通話といったリアルタイム性が求められる分野で広く活用されています。

TCPと比較して欠落や順序の保証はおこなわないものの、オーバーヘッドが小さく、遅延を最小限に抑えられます。

結論として、正確性が必要な場合はTCP、リアルタイム性が必要な場合はUDPと理解することが重要です。

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