ITILとは?構成要素や導入メリット、注意点までわかりやすく解説

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ITサービスの品質を安定させたい

インシデントが多く、現場対応が場当たり的になっている

ITILって具体的にどのようなものなの?

ITサービスはビジネスの基盤であるにもかかわらず、運用が属人化し、トラブル対応で疲弊しているケースは少なくありません。

ITILは世界中の企業が取り入れているITサービス管理のベストプラクティスを体系化したフレームワークです。国際標準ISO/IEC 20000の基礎にもなっており、信頼性も高いです。

この記事では、ITILの基本概念、5つの構成要素、導入メリットと注意点、入門資格まで解説します。

記事を読めば、ITILがどのようなフレームワークなのかを理解し、自社のITサービス管理をどこから改善すべきかが明確になります。

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目次

ITILとはITサービス管理のベストプラクティスを体系化したフレームワーク

ITILとはの画像

ITIL(Information Technology Infrastructure Library)は、ITサービスを効率的かつ高品質に提供するためのベストプラクティスを体系化したフレームワークです。

英国政府が開発したIT運用管理のガイドラインを基に進化し、現在はITIL4として最新のデジタル時代に対応しています。

企業はITILを導入することで、運用プロセスを標準化し、サービスの安定性や顧客満足度を高めることが可能です。

また、世界中の企業や公共機関でも採用されており、ITサービス管理の標準となっています。

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ITILはサービス品質を高める5つの要素で構成されている

ITILを構成する5つの要素

ITILでは、サービス品質を高めるために主に以下の5つの要素で構成されています。

それぞれ詳しく解説します。

サービス・ストラテジでITを経営戦略に結びつける

サービス・ストラテジは、ITサービスを単なる運用コストではなく、ビジネス価値を生み出す投資として位置付けるプロセスです。

企業が市場で優位性を確保するためには何をするべきか、どの程度のリソースが必要になるのかなどを戦略的に考えていきます。

サービス・ストラテジに含まれる検討事項
  • ITサービス財務管理
  • 需要管理
  • 事業関係管理
  • サービスポートフォリオ管理
  • ITサービス戦略管理

サービス・ストラテジでは、ITサービス財務管理や需要管理といった項目が検討事項に含まれています。

サービスデザインで利用者に最適な仕組みを設計する

サービスデザインは、ITサービスを利用者がストレスなく活用できるように設計するプロセスです。SLAで可用性や応答速度などの目標値を設定し、利用者が期待する品質を満たす仕組みを作ります。

キャパシティ管理では、ピーク時の負荷にも耐えられるリソース計画を立案し、障害や性能低下を防止します。

サービスデザインに含まれる検討事項
  • サービスレベル管理
  • 情報セキュリティ管理
  • サプライヤー管理
  • デザインコーディネーション
  • ITサービス継続性管理

検討事項には、サービスレベル管理や情報セキュリティ管理などが含まれています。

サービス・オペレーションで日常業務を安定して運用する

サービス・オペレーションは、日常運用における情報の整理をおこなうプロセスです。

サービス・オペレーションに含まれる検討事項
  • インシデント管理
  • イベント管理
  • アクセス管理
  • 問題管理
  • サービスデスク
  • アプリケーション管理 など

サービスの運用開始後に、不具合や異常が発生するケースは少なくありません。トラブルが発生した際にどのように対処するのか、再発防止のためには何をするべきかなどを考えます。

サービス・トランジションで新サービスをリスクなく導入する

サービス・トランジションは、設計完了したサービスを本番環境へ移行する手法などを整理するプロセスです。

サービス・トランジションに含まれる検討事項
  • ナレッジ管理
  • 変更管理
  • 移行の計画立案
  • 変更の評価

リリース管理では導入計画を立て、テスト環境で十分な検証を行い、想定外の不具合を防ぎます。変更管理では承認プロセスを設け、影響範囲やリスクを評価してから本番環境に反映します。

このように、どのようにサービスを立ち上げていくのか、どのように運用していくのかなどを考えていく重要なプロセスです。

継続的なサービス改善で常にITサービスを向上させる

導入後は問題なくても、運用を継続しているとさまざまな問題点が発見される可能性があります。

たとえば、システムの負荷が大きすぎてユーザーが使いにくい、操作が複雑でユーザーが慣れるのに時間がかかるといった具合です。

問題点を放置したままにしておくと、サービスの利用者快適に利用できないため、顧客離れにもつながります。

そのため、フローの見直しやPDCAサイクルを実施し、継続してサービス改善をおこなうことで、組織として高パフォーマンスを実現できるようになります。

ITILを導入するメリット4つ

ITILを導入するメリット

ITILを導入するメリットは、以下のとおりです。

それぞれ詳しく解説します。

費用対効果を高めコスト削減につながる

ITILを導入すれば、標準化されたプロセスに沿って運用することで、重複作業や手戻りが減り、無駄な工数や費用を削減できます。

また、IT財務管理の仕組みを取り入れることで、コスト構造が可視化され、何に投資するべきかが明確になります。

結果、必要なサービスに優先的に予算を配分でき、ROI(投資対効果)を最大化することが可能です。

インシデントを防ぎトラブルを最小限に抑える

ITILではインシデント管理と問題管理を体系的におこなうため、障害の早期検知と迅速な復旧が可能です。

インシデント発生時には標準化された対応フローに沿って処理することで、復旧時間(MTTR)を短縮できます。

また、問題管理で根本原因を分析して、再発防止策を実施することで、同じトラブルによる被害を防止できます。

市場の変化に柔軟に対応できる

ITILを導入すると、変更管理とリリース管理が整備され、市場環境やビジネス要件の変化に迅速に対応できる体制を整えられます。

変更の影響範囲やリスクを事前に評価し、計画的に実施することで、サービス停止や混乱を防ぐことが可能です。

また、テストや段階的リリースを行うことで、導入後のトラブルも最小限に抑えられます。

ITILの導入によって、競合他社よりも早く新しいサービスや機能を提供でき、ビジネスチャンスを逃さずに成長につなげられます

顧客満足度を高め信頼を獲得できる

ITILのプロセスを導入すると、サービス品質が安定し、利用者が安心して業務を進められる環境が整います

インシデント対応の迅速化や問題管理による再発防止により、障害によるストレスが減少します。また、SLAを基にしたサービス提供で期待値を明確にし、ユーザーの不満を未然に防ぐことが可能です。

結果として、顧客からの信頼が高まり、契約更新率やリピート率が向上します。

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ITIL導入時の注意点

ITIL導入時の注意点

ITILを導入する際は、以下の点に注意が必要です。

それぞれ詳しく解説します。

情報を共有し部門横断で取り組む

ITILの導入時は、各部署に適切な情報が共有されていなければ、インシデントの解決に多くの時間を要してしまいます。

可能な限り迅速にインシデントを解決するためにも、部門同士で横断的に情報を共有できる体制を整えておくことが重要です。

サービス管理はITだけの課題ではなく、営業、総務、カスタマーサポートなど利用部門全体に関わります。導入時には目的や効果を明確に伝え、現場の意見を反映させることで納得感を高めることが可能です。

定期的なミーティングやナレッジ共有の仕組みを設けると、部門間の壁がなくなり、トラブル発生時もスムーズに連携できます。

3つの「P」(Person・Process・Product)を意識する

ITIL導入を成功させるには、3つの「P」をバランスよく整える必要があります。どれか一つでも欠けると形骸化し、現場に定着しません。次の3点を意識しましょう。

3つのP
  • Process(プロセス):標準化された手順を整備し、役割と責任の最適化を行う。
  • Person(人):ITILを理解し実践できる人材の育成が不可欠。研修や資格取得支援を行い、担当者のスキルを底上げする。
  • Product(ツール):ITIL導入のためのツールやサポートサービスのこと。適切なツールを用意して活用することで効率的に実行できる。

3つのPの割合は4:4:2とされており、ひとつでも偏りが発生すると、ITILの導入はうまくいきません。そのため、導入時は3つのPのバランスを意識しましょう。

インシデント管理と変更管理を徹底する

ITIL導入では、特にインシデント管理と変更管理の徹底が重要です。インシデント管理では、障害やトラブルが発生した際に標準化された手順で迅速に対応し、業務への影響を最小限に抑えます。

変更管理では、影響範囲やリスクを事前に評価し、承認フローを経て計画的に実施することで、システム停止や不具合を未然に防ぐことが可能です。

インシデント管理と変更管理を徹底すれば、現場の混乱を防ぎ、安定したITサービス運用を実現できます

専用ツールを導入して運用を効率化する

ITILに適したツールを導入し、運用の効率化を図ることも重要です。ツールを活用すれば、イベント管理やインシデント管理の合理化につながるだけではなく、情報の共有も効率よくおこなえるでしょう。

ただし、専用ツールは複数存在しており、提供されている機能も豊富です。そのため、自社に必要な機能や施策を確認したうえで、ツールを選定する必要があります。

ITILファンデーションはITILの基本を学べる入門資格

ITILファンデーションとは

ITILファンデーションは、ITサービス管理の基本概念とプロセスを体系的に学べる国際資格です。

ITILファンデーションの特徴
  • ITサービスマネジメントの知識・スキルを証明できる
  • 転職活動に役立つ
  • 資格手当や一時金がもらえることがある

ITILを初めて学ぶ人や、情シス担当者、ITマネージャーが取得すべき最初のステップとして最適です。

取得すれば、ITサービスマネジメントの知識・スキルを証明できるため、情シスやITコンサルタント、システムエンジニアなどさまざまな職種でキャリアアップを狙えます。

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まとめ | ITILはITサービスを最適化し継続改善を実現する仕組み

ITILは、ITサービスを標準化し、継続的に改善するためのフレームワークです。導入することで、サービスの品質を高め、コスト削減や顧客満足度向上を実現できます。

また、導入時は部門ごとに情報を共有したり、うまくツールを導入したりすることで、定着させるのが重要です。

ITILの基礎を身につけるためには、ITサービスマネジメントの知識が身につくITILファンデーションの受験もおすすめです。

学習した知識を現場で実践し、IT部門のビジネスの成長を支えていきましょう。

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