情シスあるある15選|よくある課題と解決策を経験者が徹底解説

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毎日トラブル対応ばかりで自分の仕事が進まない

「情シスなら何でもできるでしょ」と無茶ぶりされる

経営層から理解されず、孤独に悩んでいる

このような情シスあるあるに共感する担当者は少なくありません。

現場では、ユーザーのサポート・インフラ整備・セキュリティ対応など、幅広い業務を少人数で担うケースが多く、ストレスや課題が多くなります。

筆者は3,000名規模の企業で情シスを経験し、日々のトラブル対応から全社IT戦略まで幅広く担当してきました。

この記事では、情シス担当者が共感する15のあるあるを紹介しながら、原因と解決策を実務経験者の視点で解説します。

記事を読めば、同じ悩みを抱える情シス担当者が共感と改善のヒントを得られるでしょう。

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目次

情シスあるある | ヘルプデスク編

情シスあるある | ヘルプデスク編の画像

情シス業務の一つであるヘルプデスクでは、パスワードの忘れや印刷トラブルなど、同じ内容が繰り返される傾向があります。

多くの企業で「1人情シス」や「兼任情シス」といった体制が主流となっており、対応に追われて本来業務が進まないことも少なくありません。

ここからは、ヘルプデスク編の情シスあるあるについて8つ解説します。

それぞれ詳しく解説します。

パスワード忘れた

社内からの問い合わせで多いのがパスワード忘れに関するものです。特に複数のクラウドサービスを利用している企業では、IDやパスワードが乱立し、社員が混乱しやすくなります。

また、セキュリティポリシーで定期変更を義務付けている企業は、都度問い合わせが発生する可能性もあるでしょう。

パスワード忘れに関する問い合わせを削減する方法
  • パスワード管理ツールの導入
  • シングルサインオンの活用
  • 安全なパスワード管理方法教育の実施

パスワード忘れによる問い合わせを減らすためには、パスワード管理ツール(1Password、LastPassなど)の導入や、シングルサインオン(SSO)の仕組みを活用することが効果的です。

さらに、社員に対して「安全なパスワード管理方法」の教育を行うことで、問い合わせを根本から減らせます。

印刷・スキャンできない

「印刷ができない」「スキャンデータが届かない」といった問い合わせも、情シスあるあるの一つです。

実際はプリンタドライバの不具合やLANケーブルの抜け、設定変更などが原因であることが多く、難易度は高くありません。

対策としては、従業員が自身でチェックできる「セルフ診断フロー」をマニュアル化することが有効です。

チェック項目内容
1. 電源・接続ケーブルや電源ランプの確認
2. ネットワークWi-FiまたはLAN接続の有無
3. ドライバ最新版に更新されているか

ネットワークにつながらない

ネットワークトラブルは、業務に直結するため緊急度の高いトラブルです。「Wi-Fiが切れる」「VPNが遅い」「社内共有フォルダにアクセスできない」など、状況は多岐にわたります。

ネットワークにつながらない場合に重要なのは、一次切り分けの教育です。

LANケーブルが抜けてないか、Wi-Fiランプが問題ないかなどネットワークトラブル時の対応方法を伝えておくことで、より迅速に問題を解決できるようになります。

何もしていないのにPC動かない

情シス担当者が困るあるあるが「何もしていないのに壊れた」です。実際には、OSアップデートの途中停止や容量不足、ウイルス感染など、ユーザーの操作や環境による原因が多いです。

しかし、本人に心当たりがないため原因追及が難航しやすいのが現実といえます。

日常的にログ管理やMDMによるデバイスの可視化を実施しておくと、エラーの発生時刻や操作履歴を確認でき、再発防止にもつながります。

アップデート後の不具合

「昨日まで使えていたのにアップデートしたら動かない」といった問い合わせも少なくありません。

Windows更新やソフトのバージョンアップによる不具合は、業務停止のリスクを伴うため非常に厄介です。

対策としては、検証環境を設けることが有効です。更新を本番環境に適用する前に動作確認を行うことで、重大な障害を未然に防げます。

さらに、更新スケジュールを社内に周知し、変更後の影響範囲を事前に説明することで、情シスへの信頼度も向上させられるでしょう。

ITのこと = すべて情シス任せ

情シスは、プリンターの紙詰まりからアプリの使い方、果てはモニターのケーブル差し替えまで、あらゆる相談を受けることが多くあります。

多くの従業員は「IT=情シス」と認識しており、本来担当外の依頼も多く寄せられます。

従業員の認識を改めるためには、「対応範囲の明確化」と「自己解決の促進」が欠かせません。社内ポータルやFAQに「情シスが対応する範囲」と「各自で対応してほしい範囲」を図で示すことで、依頼の質が向上します。

さらに、ナレッジベースやチャットボットを導入すれば、簡単な質問を自動で処理でき、情シスのリソースを守ることが可能です。

メールの送受信ができない

「送信できない」「受信が遅い」「特定ドメインだけ届かない」など、メールに関する問い合わせも多いです。

特に、メールサーバー障害・DNS設定・容量オーバーなど、ユーザー側では判断できないケースが少なくありません。対応を効率化するには、監視とログの自動化が有効です。

たとえばMicrosoft 365やGoogle Workspaceの管理コンソールでは、送受信ログを可視化して異常を検知できます。

また、社内通知ツール(SlackやTeams)と連携して、障害時に自動アラートを出す仕組みを作ると迅速な対応が可能です。

アプリケーションの操作方法教えて

「Zoomの録画方法を教えて」「Excelの関数がわからない」といった質問は、情シスが日常的に受けるものです。

一見些細に思えますが、1件あたりの対応時間が短くても、件数が多いと業務時間を圧迫します。特にリモートワーク普及後は、社内でのサポート依頼が増加傾向にあります。

根本的な解決には、教育とナレッジ共有の仕組み化が欠かせません

たとえば、動画マニュアルや社内Wikiを整備し、社員が自分で検索して学べる環境を作ると、問い合わせを半減させられます。

また、新入社員研修で主要アプリの使い方を標準化しておくと、日常的な質問の多くを未然に防げます。

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情シスあるある | 業務編

情シスあるある | 業務編の画像

ヘルプデスク対応だけでなく、システム運用・セキュリティ・ベンダー管理・資産管理など、情シスの業務は多岐にわたります。

ここからは、情シスあるあるの実務編について解説します。

業務範囲が広すぎる

情シスの仕事は「ネットワーク管理」から「アカウント管理」「ライセンス更新」「トラブル対応」「社内教育」まで多岐にわたります。

一人情シスや兼任担当者の場合、1日中対応に追われ、IT戦略の実行やDX推進などのコア業務に手をつけられない可能性があります。特にSaaSの導入増加により、管理対象が急激に増えているのが現状です。

業務範囲の広さによる問題を解決するためには、まず業務の棚卸しと優先順位付けが必要です。

定常業務と改善業務を切り分け、「今月やらなくてもいい業務」を明確にするだけでも負担が軽くなります。

経営層から理解を得られない

情シスの悩みとして多いのが経営層からIT投資の重要性を理解してもらえない点です。多くの経営者はITを「コスト」と捉え、業務効率化やセキュリティ強化の投資効果を見落としがちです。

その結果、情シスが提案する改善案やシステム更新が後回しになるケースが頻発します。改善には、数値と事例で投資効果をわかりやすく伝えることが重要です。

提案内容経営層に刺さる見せ方効果
セキュリティ強化情報漏えい1件の平均損害額=約6,400万円(IPA調べ)リスクの大きさを数値で可視化
システム更新障害対応時間を月30時間削減可能人件費換算でROIを算出
ツール導入問い合わせ件数40%減定量成果で投資判断を促進

問い合わせ対応で一日が終わる

頻繁に従業員から問い合わせが発生し、一日を終える情シス担当者は少なくありません。ヘルプデスク対応は必要不可欠ですが、すべてを手動で処理していると生産性が低下します。

問い合わせ対応による負担を減らすためには、問い合わせ管理の仕組み化が重要です。

例:問い合わせ対応の仕組み化
  • チケット管理ツール(例:Zendesk、Freshservice)の導入
  • よくある質問をFAQ化し、自己解決率を高める
  • 問い合わせ内容をカテゴリ別に可視化して分析

チケット管理ツールの導入やFAQ整備などによって、問い合わせ対応の仕組みを整えれば、情シス担当者の業務負担を減らせます。

属人化しやすい

情シス業務は各分野で専門知識・スキルが必要になるため、どうしても担当者依存になりやすいです。特定の従業員しか操作方法を知らない状態では、退職や異動が発生した際に業務が停止する可能性が高くなります。

属人化を防止するためには、ナレッジと資産の共有化が必要です。

構成図・ライセンス台帳・手順書をNotionやConfluenceなどで共有し、誰でもアクセスできる環境を整えましょう。

また、年1回の「業務棚卸し」を行うことで、属人領域を定期的に見直せます。

専門スキルが身につきづらい

情シスは広く浅く対応することが多く、特定分野のスキルを深めづらい問題があります。

一方で、IT業界全体ではクラウドやセキュリティなど高度な知識が求められており、成長機会とのギャップを感じる担当者も多いです。

専門スキルを身につけるためには、業務時間内での学習を制度化することが有効です。

たとえば、毎週1時間を「技術習得タイム」として確保し、UdemyやIPA研修などを活用します。さらに、資格取得支援制度(例:AWS認定、情報処理技術者)を導入することで、モチベーションを維持できます。

障害を再現できない

「昨日だけ動かなかった」「再起動したら直った」といった再現困難な障害も、情シスを悩ませるポイントです。

ユーザー側が詳細を覚えていないことが多く、原因の特定に時間がかかります。障害を再現できないことによるトラブルを解決するためには、ログの自動収集と可視化が重要です。

たとえば、端末管理ツール(Intune、LanScope)を導入すれば、操作履歴やエラーログを自動保存できます。

また、社員に「エラー発生時はスクリーンショットを添付して報告」するルールを浸透させると、情報の精度が高まります。

従業員のITリテラシーが低い

情シスあるあるとして多いのが、従業員のITリテラシーが低い点です。

メールの誤送信、フィッシングサイトへのアクセス、パスワードの共有など、ヒューマンエラーがセキュリティ事故の原因になります。

どれだけシステムでセキュリティを強化しても、使用する人の意識が低い状態だと、セキュリティリスクを低減することはできません。

年1回の全社セキュリティ研修に加え、クイズ形式のeラーニングを導入すると社内全体のITリテラシーを向上させられます

また、「実際の事例紹介」「不正アクセス体験シミュレーション」など、体験型の研修も効果的です。

情シスあるあるを解決するには?

情シスあるあるを解決するには?の画像

情シスあるあるは複数ありますが、解決して業務の負担を軽減するためには、以下のような対策が必要です。

それぞれ詳しく解説します。

情シス業務の一部をアウトソースする

情シスの限られた人員で、すべての業務を自社完結させるのは現実的ではありません。

特に、問い合わせ対応・アカウント発行・端末初期設定などの定型業務は、外部委託することで大幅に効率化できます

アウトソースのメリットを比較表で整理すると、次のとおりです。

項目社内対応外部委託
コスト固定費中心変動費化で柔軟
品質属人化しやすい専門チームによる安定運用
生産性日常対応に追われる改善活動に集中できる

重要なのはすべて外注するのではなく、優先度の低い業務から段階的に任せることです。アウトソーシングをうまく活用し、業務負担を減らしましょう。

業務効率化ツールを活用する

情シスあるあるを改善するためには、業務効率化ツールの活用もおすすめです。多くの業務は業務効率化ツールを活用することで、自動化し、業務負担を削減できます。

業務領域ツール例効果
問い合わせ管理Zendesk、Freshservice対応履歴を共有・分析可能
アカウント管理Intune、Google Admin発行・削除を一括管理
資産管理Mackerel、AssetSonarハード・ライセンスを自動更新

ツール導入の目的は自動化に加えて、情報を一元化して可視化することです。人に依存しない仕組みを作ることで、情シスの再現性と品質を安定させられるでしょう。

ITリテラシー教育を実施する

情シスの負担を根本から減らすには、従業員のITリテラシー向上が欠かせません。従業員が基礎知識を有していれば、パスワード忘れ・印刷設定・メール誤送信など、初歩的な問い合わせが激減します。

一度の研修では効果が薄いため、eラーニングや小テストを定期的に実施し、学習を習慣化させることが重要です。

ITリテラシー教育の例
  • パスワード管理と認証の基本
  • フィッシング詐欺の見抜き方
  • クラウドツールの安全な利用方法

ITリテラシー教育は、情シスの工数削減とセキュリティ強化を同時に実現するために、重要な施策といえるでしょう。

経営層に情シスの必要性をプレゼンする

情シスの改善提案が通らない理由の多くは、経営層がITの本質を理解していないことが原因です。

IT投資をコストではなく“リスク回避”や“成長投資”として捉えてもらうためには、伝え方を工夫する必要があります。効果的なプレゼンのポイントは、以下の3つです。

効果的なプレゼンのポイント
  • 数字で語る:トラブル対応件数・残業時間・セキュリティ事故の損害額を可視化
  • ストーリーで伝える:改善によって社員の生産性がどう変わるかを具体化
  • 比較で見せる:同規模他社のIT施策事例を提示して説得力を高める

経営層には、経営リスクの回避や利益の貢献度を数字で伝えることで、情シスへの予算を増やしてもらえる可能性が高まります。

情シス人材の増員を検討する

一人情シスや兼任体制では、工夫しても限界があります。近年のIT環境はクラウド・セキュリティ・AIなど領域が広がり、一人ですべて対応するためには大きな負担がかかります。

業務を持続可能にするには、人員増強とチーム体制の最適化が必要です。

増員の進め方は段階的におこなうのが理想です。まずは、ヘルプデスク担当やアシスタントを追加し、既存メンバーを改善業務に回します。

その後、専門分野ごとに担当を分けて、運用と企画を両立できるチームへ移行します。

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まとめ | 情シスあるあるは共感だけでなく解決策が重要

情シスあるあるは、笑い話で済ませられるものもあれば、組織全体の効率低下や人材流出につながる深刻な課題も含まれます。

重要なのは、共感で終わらせずに行動に移すことです。

情シス業務を持続可能にするには、外部委託・ツール導入・教育・経営層への働きかけの4点を段階的に実践することが効果的です。

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