DNSとは?仕組み・役割・種類をわかりやすく解説【初心者向け図解付き】

DNSとは?仕組み・役割・種類を解説

突然インターネットに接続できなくなって困った

DNSエラーと表示されたが意味がわからない

「DNSサーバーが応答しません」と出て焦った

日常的にインターネットを使っていても、DNSについて正しく理解している人は多くありません。しかし、DNSはWebサイトを表示するために欠かせない重要な仕組みです。

この記事では、IT初心者の方にも理解できるように、DNSの役割・仕組み・種類を図解付きでわかりやすく解説します。

DNSを理解することで、ネットワークトラブルの解決時にも役立ちます。

今後のトラブル対応やキャリアアップにもつながる知識なので、ぜひ最後まで確認してみてください。

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目次

DNSとは?基本の役割をわかりやすく解説

DNSとは?基本の役割をわかりやすく解説

DNSと聞いてもよくわからないと感じている人は多いでしょう。

ここでは、DNSの基本知識について解説します。

DNSの定義|ドメイン名とIPアドレスを結びつける仕組み

DNSは、「Domain Name System」の略で、ドメイン名とIPアドレスを対応づけるシステムです。

Webサイトにアクセスする際「google.com」や「yahoo.co.jp」などのドメイン名を使いますが、コンピューターはIPアドレスを使って通信をおこなっています。

インターネット上のあらゆる端末には、IPアドレスという数値が割り当てられていますが、人間にとって数字の羅列は非常に覚えにくいため、代わりに「example.com」のような文字列(ドメイン名)を利用しています。

DNSはドメイン名が入力された際に、該当のIPアドレスを検索し、正しいサーバーへ接続できるようにする仕組みです。

ドメイン名からIPアドレスを求める行為を名前解決と呼びます。

DNSが必要な理由|人間がURLでアクセスできるのはDNSのおかげ

インターネットでWebサイトにアクセスするたび、背後ではDNSが働いています。

人間は「yahoo.co.jp」のようなURL(ドメイン名)でアクセスしますが、インターネットの世界では「203.216.228.183」のようなIPアドレスで通信がおこなわれます。

DNSがなければ、毎回IPアドレスを手入力しなければならず、現実的に運用できません。

DNSがあることで、人間にとって分かりやすいドメイン名を利用しながら、コンピューター同士は正確な通信をおこなえるのです。

DNSサーバーとは?名前解決を支える2種類のサーバー

権威DNSサーバーとキャッシュDNSサーバー

DNSサーバーは、ユーザーが入力したドメイン名を正しいIPアドレスに変換する役割を担うサーバーのことです。

ネームサーバーとも呼ばれています。

DNSサーバーは、大きく以下の2種類に分けられます。

いずれもひとくくりでDNSサーバーと呼ばれることが多いですが、それぞれ役割が異なる点は覚えておきましょう。ここでは、DNSサーバーの種類について詳しく解説します。

権威DNSサーバー

権威DNSサーバーとは、特定のドメイン名に対応するIPアドレスの情報を管理しているDNSサーバーです。

名前解決の過程において、最終的に権威DNSサーバーから返される情報が「正解」として採用されます。

たとえば「example.com」にアクセスしたとき、最終的にどのIPアドレスに接続するかを決めるのが権威DNSサーバーの役割です。

権威DNSサーバーは、ドメイン名の”.”で分割された高蔵王に合わせたツリー乗の階層構造で、階層に対応する情報を管理しています。

キャッシュDNSサーバー

キャッシュDNSサーバーは、ユーザーがWebサイトにアクセスしようとしたとき、ドメイン名に対応するIPアドレスを見つけ出す役割を持つサーバーです。

まず最初にユーザーの問い合わせを受け取り、必要に応じて権威DNSサーバーまでアクセスして情報を取得し、その結果をユーザーに返します。

一般的には、ユーザーが契約しているインターネットプロバイダ(ISP)によって運用されており、すべての通信がこのキャッシュDNSサーバーを経由します。

また、取得したIPアドレス情報を一時的に保存(キャッシュ)することで、次回以降はより高速に応答できる点が特徴です。

DNSの仕組みを図解で理解|名前解決の流れがひと目でわかる

名前解決の仕組み

DNSの役割を本質的に理解するには、「名前解決」の流れを把握することが不可欠です。名前解決とは、ドメイン名からIPアドレスを導き出す一連の仕組みのことです。

DNSでは、名前解決を以下のような流れでおこないます。

DNSの名前解決の流れ
  1. ユーザーがブラウザに「example.com」などのドメイン名を入力
  2. ブラウザがキャッシュDNSサーバーに名前解決リクエストを送信
  3. キャッシュDNSサーバーがルートDNSサーバーに問い合わせ
  4. ルートサーバーが「.com」のTLDサーバーの場所を返す
  5. キャッシュDNSサーバーがTLDサーバーに問い合わせ(例:.com)
  6. TLDサーバーが「example.com」専用の権威DNSサーバーの場所を返す
  7. キャッシュDNSサーバーが「example.com」の権威DNSサーバーに問い合わせ
  8. 権威DNSサーバーが正しいIPアドレスを返す
  9. キャッシュDNSサーバーがIPアドレスをブラウザに返却
  10. ブラウザがそのIPアドレスを使って目的のWebサーバーに接続し、表示完了

このようにDNSは、リレーのように情報の受け渡しをおこないながら、最終的な答えであるIPアドレスを導き出します。

DNSに関するよくある質問

おすすめのDNSサーバーは?

おすすめのDNSサーバーは、以下のとおりです。

おすすめのDNSサーバー
  • Google Public DNS
  • OpenDNS
  • Quad9
  • Cloudflare DNS

いずれも無料で利用可能なパブリックDNSサーバーです。設定は、WindowsやMacのネットワーク設定から簡単におこなえるため、ぜひ利用してみてください。

DNSエラーとは?

「DNSエラー」や「DNSが応答しません」といった表示は、インターネット接続に必要な名前解決が正常におこなわれなかったことを意味します。

DNSエラーの原因
  • DNSサーバー自体の障害・停止
  • ルーターの不具合または設定ミス
  • DNSキャッシュの破損
  • ネットワークの接続不良(Wi-Fi・LAN)
  • セキュリティソフトやVPNが通信を妨害している

DNSエラーが発生した場合は、ルーターやPCを再起動したり、セキュリティソフトを一時的に無効にしたりして対処するようにしましょう。

まとめ | DNSはドメイン名とIPアドレスを結びつける仕組み

DNSは、私たちが普段インターネットを使う際に、目に見えないところで常に機能している重要な仕組みです。

ドメイン名とIPアドレスを自動的に対応させることで、スムーズにWebサイトへアクセスできる環境を支えています。

キャッシュDNSサーバーが名前解決の起点となり、権威DNSサーバーから正確な情報を取得する一連の流れを理解することで、ネットワークにおける通信の仕組みを可視化できます。

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