【総務省データ】社内問い合わせのチャットボット活用|ヘルプデスクの生成AI効果実感42.7%(2025年調査)

社内からの問い合わせ対応で、こんな悩みを抱えていませんか。
- 同じ質問が何度も届き、そのたびに同じ説明を繰り返している
- 問い合わせ対応に時間を取られ、本来の業務が進まない
- チャットボットを入れたいが、本当に効果があるのか分からない
先に結論をお伝えします。社内ヘルプデスクは、生成AIの効果を感じやすい業務の1つです。 ただし、効果を出すにはFAQの整備と、有人対応への引き継ぎの設計が欠かせません。
この記事では、総務省とIPAの公的調査をもとに、社内問い合わせ用チャットボットを解説します。種類、普及の状況、失敗しやすい点、導入の進め方の順に説明します。ベンダーが公表する削減率は使わず、公的データで言えることと言えないことを分けて書きます。
この記事のポイント
- 社内ヘルプデスクで生成AIを活用している企業のうち、効果を感じている企業は2025年調査で42.7%。13の業務類型の中で2番目に高い(出典: 総務省「令和8年版 情報通信白書」)
- IoT・AIを導入している従業者100人以上の企業のうち、システムの構成に「チャットボットなど」を挙げた企業は2025年調査で52.7%。全企業の導入率ではない(出典: 総務省「令和7年通信利用動向調査報告書(企業編)」)
- 問い合わせの削減効果を示す公的統計は、今回調べた官公庁の調査では見つからなかった。効果は導入前後の自社の記録で測る
この記事を読み終えるころには、自社で何から始め、効果をどう確かめればよいかを整理できるはずです。
社内問い合わせチャットボットは定型の質問に自動で答え、一次対応を減らす仕組み
社内問い合わせチャットボットは、社員からの定型的な質問にボットが自動で答え、担当者の一次対応を減らす仕組みです。 社員はTeamsやSlack、社内ポータルなどから質問を入力し、ボットが用意された情報をもとに回答します。
回答の作り方によって、大きく3つの種類に分かれます。違いを表にまとめました。
| 種類 | 回答の仕組み | 向いている問い合わせ | 準備の手間 |
|---|---|---|---|
| シナリオ型 | あらかじめ決めた選択肢をたどって回答にたどり着く | 手順が決まっている申請や設定の案内 | 分岐をすべて設計する必要がある |
| FAQ検索型 | 質問文に近いFAQを探して表示する | よくある質問が整理されている領域 | FAQの作成と更新が必要 |
| 生成AI型 | 社内文書を参照し、AIが回答文を作る | 言い回しが毎回違う質問、文書をまたぐ質問 | 参照させる文書の整備と、閲覧権限の設定が必要 |
生成AI型が選択肢に入ってきた背景には、生成AIの業務利用の広がりがあります。総務省の調査によると、何らかの業務で生成AIを使っている日本企業は、2025年調査時点で86.4%です。この値は、生成AIの活用方針について「わからない」と答えた回答者を除いて算出されています。
なお、令和8年版の白書は、この値が前年度の調査から大幅に上昇したと説明しています。ただし、算出条件の説明は白書ごとに書き方が異なります。そのため、上昇幅をそのまま1年間の伸びとして扱えるかは、出典の読み方によって見解が分かれます。
ツールを選ぶときは、社内チャットとの連携、閲覧権限の制御、回答ログの分析ができるかを確認してください。特定の製品が優れているかどうかは、公的データからは判断できません。
ここで、問い合わせ管理システムとの役割の違いも押さえておきましょう。問い合わせ管理システムは、受け付けた問い合わせの担当や進み具合を管理する仕組みです。
一方のチャットボットは、受け付ける前の段階で社員自身に解決してもらうためのツールです。両者はどちらかを置き換えるのではなく、組み合わせて使います。
ポイント
チャットボットは「受け付ける前の自己解決」、問い合わせ管理システムは「受け付けた後の管理」を担います。種類は、準備できる文書の量と問い合わせの内容に合わせて選びます。
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チャットボットのメリットは、人手が足りないなかでも一次対応を回せること
チャットボットの大きなメリットは、担当者を増やせないなかでも一次対応を回せることです。 情シス部門の人手不足は、公的な調査にも表れています。
このセクションでは、人手不足の状況を2つの調査で確認したうえで、チャットボットのメリットを整理します。ただし、人手不足の企業ほどチャットボットを導入しているかどうかは、公的データでは確かめられていません。
ポイント
- DXに取り組む企業の85.5%が、DXを推進する人材の量が足りないと答えている(2025年調査・IPA)
- 運用・管理の人材不足は2018年調査の時点ですでに課題として挙がっていた
- 人手不足とチャットボット導入の因果関係は、公的データでは確認できない
DX人材の量が足りない企業は2025年調査で85.5%にのぼる
DXに取り組む企業の8割以上が、推進役となる人材の量が足りないと答えています。 人手が限られる状況は、多くの企業に共通しています。
IPA「DX動向2026」によると、DXを推進する人材の「量」が不足していると答えた企業は、2025年調査で85.5%でした。これは「やや不足」と「大幅に不足」を合わせた割合です。対象はDXに取り組んでいると答えた企業に限られます。
なお、DX人材は事業の変革を担う人材を指し、ヘルプデスクの担当者と同じではありません。それでも、IT関連の人材を増やしにくい状況は読み取れます。
増員が難しいからこそ、定型の問い合わせを人が受け続ける体制を見直す余地があります。
運用・管理の人材不足は2018年調査でも44.4%が挙げており、以前から続く課題
IT運用を担う人材の不足は、最近になって始まった課題ではありません。 生成AIが広まる前の調査でも、すでに多くの企業が問題に挙げていました。
総務省の2018年の通信利用動向調査では、ネットワーク利用上の問題点を尋ねています。「運用・管理の人材が不足」を選んだ企業は44.4%でした。前年からは7.1ポイント上がっています。
対象は社内外のネットワークを利用している企業です。この調査は、前の見出しで紹介したIPAの調査とは、調査の主体も設問も対象も異なります。そのため、2つの値を並べて人手不足の推移として読むことはできません。
ここで押さえておきたいのは、人材の不足が以前から続いてきたという点です。一時的な忙しさではないため、体制の側で対応を考える必要があります。
主なメリットは24時間の自動回答、回答内容の均一化、ナレッジの共有
チャットボットを使うと、担当者の手を借りずに答えられる範囲が広がります。 社内問い合わせに使う場合の主なメリットは、次の3つです。
- 24時間の自動回答: 夜間や休日、担当者の会議中でも、社員は回答を得られる
- 回答内容の均一化: 担当者によって説明の内容が変わる、といったばらつきを減らせる
- ナレッジの共有: 特定の担当者しか知らない手順を文書にまとめるきっかけになる
どれも、少ない人数で一次対応を回すうえで役立つ点です。ただし、問い合わせがどれだけ減るかを示す公的なデータは、今回調べた範囲の官公庁の調査では見つかりませんでした。
一方で、社内ヘルプデスクが生成AIの効果を感じやすい業務であることは、公的調査から分かっています。次のセクションで詳しく見ていきましょう。
出典: IPA「DX動向2026」(DXに取り組んでいると回答した企業が対象)/総務省「平成30年通信利用動向調査の結果」/総務省「令和8年版 情報通信白書」
社内ヘルプデスクは生成AIの効果を感じやすく、2025年調査で42.7%と13業務中2番目
社内ヘルプデスクは、生成AIの効果を感じている企業の割合が高い業務です。 総務省の2025年調査では、13の業務類型の中で2番目の42.7%でした。
この調査は、業務類型ごとに生成AIを活用している企業に対し、効果を感じているかを尋ねたものです。各業務の値は次のグラフのとおりです。

出典: 総務省「令和8年版 情報通信白書」(2025年調査。業務類型ごとに生成AIを活用している企業が対象)
社内ヘルプデスクを上回ったのは、議事録・メール作成補助の72.3%だけです。製造・生産の39.8%や営業・販売の37.5%よりも高い結果でした。
注意
42.7%は、社内ヘルプデスクで生成AIを活用している企業の中での割合です。全企業のうち効果を感じている企業の割合ではありません。また、設問は「生成AI」についてであり、チャットボット以外の使い方も含みます。「効果を感じる」は回答者の主観で、問い合わせ件数の削減などを実際に測った値ではない点にも注意してください。
社外向けのカスタマーサポート(33.8%)より社内ヘルプデスクのほうが8.9ポイント高い
同じ「問い合わせに答える」業務でも、社内向けのほうが効果を感じている企業が多い結果でした。 社内ヘルプデスクは、社外向けのカスタマーサポートを上回っています。
2025年調査では、カスタマーサポートで効果を感じている企業は33.8%でした。社内ヘルプデスクの42.7%とは8.9ポイントの差があります。最も低い経営の20.1%と比べると、約2倍の水準です。
ここからは筆者の見解です。
社内の問い合わせは、社内規程や手順書など、回答の元になる文書が手元にあります。この点が効果の感じやすさにつながっている可能性があります。ただし、調査では理由を尋ねていないため、あくまで仮説です。
社外向けチャットボットの事例を見て、社内向けも同じ期待値で考える必要はありません。
情シス業務の中では、システム開発・運用(26.3%)より問い合わせ対応のほうが16.4ポイント高い
情シスが担う業務の中では、システム開発・運用より問い合わせ対応のほうが、生成AIの効果を感じている企業が多い結果です。 AIの活用をどこから始めるかを考える材料になります。
2025年調査では、社内システム開発・運用で効果を感じている企業は26.3%でした。社内ヘルプデスクの42.7%とは16.4ポイントの差です。
この差から読み取れるのは、情シス業務でAIを使う最初の対象として、問い合わせ対応が有力な候補になるという点です。効果を感じている企業の割合が、開発・運用より高いためです。
一方で、2つの値は分母が異なります。それぞれの業務で生成AIを活用している企業が対象で、比べる土台はそろっていません。
また、開発・運用は効果が出るまでに時間がかかり、単年の調査では低めに出ている可能性もあります。こうした限界をふまえたうえで、判断材料の1つとして使ってください。
出典: 総務省「令和8年版 情報通信白書」(2025年調査。業務類型ごとに生成AIを活用している企業が対象)
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IoT・AI導入企業でチャットボットなどを使う割合は2025年調査で52.7%
IoTやAIのシステムを導入している企業のうち、2025年調査で52.7%が構成機器に「チャットボットなど」を挙げています。 ただし、この値を「企業の半数がチャットボットを導入している」と読むことはできません。
総務省の通信利用動向調査のこの数値には、読む前に押さえておきたい条件が3つあります。
- 対象は、IoTやAIのシステム・サービスを導入している従業者100人以上の企業に限られる
- 選択肢は「その他(チャットボットなど)」で、チャットボット以外の機器も含む
- 用途は社内向けに限らず、顧客向けの窓口なども含む
この条件をふまえたうえで、推移と業種別の違いを見ていきます。
2023年調査の35.5%から2年続けて上がり、直近の伸びは4.4ポイントに縮んだ
「チャットボットなど」を挙げる企業の割合は、2023年調査から2025年調査にかけて上昇が続いていますが、伸び幅は小さくなっています。 急に広がっているというより、高い水準で推移している状態です。
2023年調査では35.5%、2024年調査では48.3%、2025年調査では52.7%でした。2023年から2024年は12.8ポイント、2024年から2025年は4.4ポイントの上昇です。

この推移から読み取れるのは、2024年調査で一段上がり、その後は高い水準で推移しているという点です。なお、回答企業の数は2024年の479社から2025年は738社に増えており、構成の変化が値に影響した可能性もあります。データが3時点しかないため、伸びの鈍化が一時的かどうかは判断できません。
業種別では金融・保険業が79.2%で、全体平均より26.5ポイント高い
「チャットボットなど」を挙げる割合は、業種によって大きく異なります。 全体平均を自社の目標にすると、実態とずれるおそれがあります。
報告書には、ほかの業種の値も載っており、全体平均を下回る業種もあります。次の表は、2025年調査の業種別の値のうち、全体を上回る業種から金融・保険業と情報通信業の2業種を抜粋し、全体の値と並べたものです。
| 区分 | 割合 | 回答企業数 |
|---|---|---|
| 金融・保険業 | 79.2% | 90社 |
| 情報通信業 | 63.0% | 107社 |
| 全体 | 52.7% | 738社 |
出典: 総務省「令和7年通信利用動向調査報告書(企業編)」(2025年調査。IoT・AIを導入している従業者100人以上の企業が対象。全8業種のうち2業種を抜粋)
なお、総務省は報告書の中で、業種別や従業者規模別の値は集計企業数が少ないため誤差が大きい点に注意するよう書いています。業種別の値は、傾向をつかむ目安として扱ってください。
金融・保険業は全体より26.5ポイント高くなっています。この差から読み取れるのは、全体平均の52.7%は自社と比べる基準としては粗いという点です。
また、金融・保険業の高さは、顧客向けの問い合わせ窓口が押し上げている可能性があります。社内ヘルプデスク向けが多いことを示すデータではない点に注意してください。
社内ヘルプデスク専用のチャットボット導入率は、今回調べた公的統計では確認できない
社内ヘルプデスクに限ったチャットボットの導入率は、公的統計では確認できません。 前の2つの見出しで紹介した値は、あくまで間接的な指標です。
今回調べた官公庁の調査では、次の項目のデータは見つかりませんでした。社内ヘルプデスク用チャットボットの導入率、社内ヘルプデスク用に限った企業規模別の導入の差、問い合わせ件数や対応時間の削減幅、有人対応への引き継ぎ率です。
同じ報告書には、「チャットボットなど」の指標について業種別と従業者規模別の値が載っています。ただし、どちらも社内向けと社外向けを区別していません。
さらに、52.7%の調査は従業者100人以上の企業が対象です。100人未満の企業は含まれないため、ひとり情シスに近い環境の実態は読み取れません。
注意
チャットボットのベンダーが公表する「問い合わせが◯割減った」といった数値は、特定の企業の事例です。一般的な効果として自社の計画に当てはめないようにしてください。公的統計で確認できるのは、普及の間接的な指標と、効果を感じているかどうかの主観的な評価までです。
出典: 総務省「令和7年通信利用動向調査報告書(企業編)」(IoT・AIを導入している従業者100人以上の企業が対象。複数回答)
導入で失敗しやすいのは、FAQの整備不足と運用担当者の不在
チャットボットは、導入しただけでは効果が出ません。 失敗の多くは、ツールの性能よりも、回答の元になる情報と運用の体制に原因があります。
社内ヘルプデスクは生成AIの効果を感じやすい業務ですが、それでも効果を感じていない企業のほうが多いのが実情です。このセクションでは、その数字を確認したうえで、失敗しやすい原因を整理します。
社内ヘルプデスクで生成AIを活用する企業でも、57.3%は効果を実感していない
社内ヘルプデスクで生成AIを活用している企業でも、半数を超える企業は効果を実感していません。 ツールを入れれば効果が出る、というわけではないのです。
総務省の2025年調査で、社内ヘルプデスクで効果を感じている企業は42.7%でした。100%からこの値を引くと、残りの57.3%は「効果を感じる」と答えていない企業です。この57.3%は調査の公表値ではなく、筆者が42.7%から算出した値です。
13業務の中で2番目に高い業務であっても、効果を感じた企業は半数に届いていません。社内ヘルプデスクに向いているという話と、導入すれば効果が出るという話は、分けて考える必要があります。
この結果から読み取れるのは、効果が出るかどうかは導入後の準備と運用で分かれるという点です。次の見出しで、その主な原因を見ていきます。
失敗の主な原因は、回答の元になる文書の不足、更新の停滞、権限設定の不備
チャットボットがうまく機能しない原因は、主に3つあります。 いずれも、ボットが参照する情報と、その管理の仕方に関わるものです。
- 回答の元になる文書の不足: 手順書やFAQが少ないと、ボットは答えられる範囲が狭くなる
- 更新の停滞: システムや社内ルールが変わっても文書が古いままだと、誤った案内が続く
- 権限設定の不備: 生成AI型では、人事や給与など閲覧範囲が限られる情報まで回答してしまうおそれがある
前のセクションで、社内向けで効果を感じやすい理由は、回答の元になる文書が手元にあるからではないかと書きました。裏を返せば、文書が古い、または足りない状態では効果が出にくいと考えられます。
導入前に社内FAQの作り方を確認し、文書の整備と更新の担当者を決めておきましょう。
出典: 総務省「令和8年版 情報通信白書」(2025年調査。業務類型ごとに生成AIを活用している企業が対象)
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導入は「対象を絞る→引き継ぎを設計する→導入前の数値を記録する」の順に進める
社内問い合わせチャットボットは、小さく始めて、人への引き継ぎと効果の記録を最初から組み込むのが基本です。 いきなりすべての問い合わせを任せると、答えられない質問が増え、かえって担当者の負担が増えます。
進め方の全体像を表にまとめました。
| 手順 | やること | 目的 |
|---|---|---|
| 1. 対象を絞る | IT関連の定型的な問い合わせから始める | 回答の元になる文書をそろえやすい範囲で効果を確かめる |
| 2. 引き継ぎを設計する | ボットが答えられない質問を担当者へ渡す条件と方法を決める | 社員が回答を得られないまま放置される状態を防ぐ |
| 3. 導入前の数値を記録する | 問い合わせ件数や対応時間を導入前から記録する | 公的データでは分からない自社の効果を確かめる |
手順2と3は、今回調べた範囲の公的データに具体的な目安が見つかりませんでした。そのため、以下では数値の限界を説明したうえで、設計と記録の考え方を紹介します。
最初の対象は、パスワード再設定などIT関連の定型的な問い合わせに絞る
最初は、IT関連の定型的な問い合わせに対象を絞って始めるのがおすすめです。 範囲を絞るほど、回答の元になる文書をそろえやすくなります。
前のセクションで見たとおり、2025年調査では社内ヘルプデスクの効果実感が42.7%でした。社内システム開発・運用の26.3%を上回っています。
対象の例としては、パスワードの再設定、VPNの接続方法、プリンターの設定、ソフトウェアの利用申請などが挙げられます。どれも手順が決まっていて、回答を文書にしやすい問い合わせです。
まずは問い合わせの記録を見返し、件数が多く手順が決まっているものから選んでみてください。 効果を確かめてから、総務や人事の問い合わせへ広げても遅くはありません。
ボットが答えられない質問は、会話の履歴ごと担当者に引き継ぐ
ボットが答えられない質問は、会話の履歴をつけたまま担当者に引き継ぐ仕組みを用意してください。 ボットだけで問い合わせを完結させようとしないことが大切です。
社内ヘルプデスクで生成AIを活用している企業でも、57.3%は効果を感じると答えていません(42.7%から算出)。ボットが答えきれない質問は必ず残る、という前提で設計しておくほうが安全です。
引き継ぎを設計するときは、次の点を決めておきます。どんな条件で引き継ぐか(回答が見つからない、社員が「解決しない」を選んだなど)、誰に引き継ぐか、会話の履歴をどう渡すかです。
引き継いだ問い合わせは、既存のチケット管理に登録すると対応漏れを防げます。たとえばMicrosoft 365で問い合わせを管理する方法と組み合わせる形です。なお、引き継ぎ率の目安を示す公的データは、今回調べた範囲では見つかりませんでした。
効果は公的データでは測れないため、導入前の問い合わせ件数と対応時間を自社で記録する
チャットボットの効果は、自社の記録で確かめるしかありません。 公的統計にある指標は、普及の度合いと、効果を感じているかどうかの主観的な評価に限られます。
1つは、IoT・AI導入企業で「チャットボットなど」を挙げた割合で、2025年調査で52.7%です。もう1つは、社内ヘルプデスクで生成AIの効果を感じる企業の割合で、同じく2025年調査で42.7%です。問い合わせがどれだけ減ったかを示す公的データは、今回調べた範囲の官公庁の調査では見つかりませんでした。
そこで、導入前から次の項目を記録しておきましょう。
- 問い合わせの件数(月ごと、内容の種類ごと)
- 1件あたりの対応時間
- ボットだけで解決した割合
- 担当者へ引き継いだ割合
- ボットが回答できなかった質問の内容
回答できなかった質問は月に1回見直し、FAQに追加していきます。導入前の数値を残しておけば、効果を社内に説明する材料になります。
出典: 総務省「令和8年版 情報通信白書」(2025年調査。業務類型ごとに生成AIを活用している企業が対象)/総務省「令和7年通信利用動向調査報告書(企業編)」(IoT・AIを導入している従業者100人以上の企業が対象)
まとめ: 社内問い合わせは自動化の効果を感じやすい領域だが、効果は自社で測って確かめる
社内問い合わせへのチャットボット導入は、効果を感じやすい領域から始められる一方で、導入しただけで成果が出るものではありません。この記事の要点を整理します。
- 社内ヘルプデスクで生成AIを活用する企業のうち、効果を感じている企業は2025年調査で42.7%。13業務中2番目だが、半数には届いていない
- DXに取り組む企業の85.5%が人材の量の不足を挙げており(2025年調査・IPA)、少ない人数で一次対応を回す工夫が求められている
- IoT・AI導入企業(従業者100人以上)で「チャットボットなど」を挙げた割合は2025年調査で52.7%。全企業の導入率ではない
- 問い合わせの削減効果を示す公的統計は、今回調べた官公庁の調査では見つからなかったため、導入前から件数と対応時間を記録する
まずは、直近1か月分の問い合わせを内容ごとに数えるところから始めてみてください。 件数の多い定型的な問い合わせが見えれば、ボットに任せる範囲も、効果を測る基準も決まります。
出典: 総務省「令和8年版 情報通信白書」/IPA「DX動向2026」/総務省「令和7年通信利用動向調査報告書(企業編)」
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情シスカレッジのご紹介
チャットボットで一次対応を減らしても、ボットが答えられない問い合わせは担当者に戻ってきます。そのとき頼りになるのは、担当者自身のIT運用の基礎知識です。とはいえ、日々の対応に追われながら研修の時間を取るのは難しいですよね。
情シスカレッジは、新人・ひとり情シスのためのマイクロラーニングLMSです。数分の動画で学び、小テストで理解を確かめる形式なので、業務の合間に少しずつ進められます。
情シスカレッジの特徴
- 数分の動画+小テスト: すきま時間で学べ、理解度をその場で確認できます
- 必修割り当て・期限・進捗ダッシュボード: 誰がどこまで進んだかを管理者がひと目で把握できます
- 自社カリキュラム編成・CSV教育記録: 自社に必要な講座を組み合わせ、教育記録をCSVで出力できます
導入は5名から可能で、請求書払いに対応しています。初期設定は約10分で完了します。
※出典

