ポート番号とは?IPアドレスとの違いやよく使用される番号までわかりやすく解説

ポート番号って何?
ポート番号はどのような種類があるの?
IT担当として最低限の基礎知識を身につけたい!
デジタル化が進む現代において、ポート番号の知識は押さえておく必要があります。「IPアドレスは分かるけど、ポート番号って何?」「どうして必要なの?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
この記事では、企業研修やIT基礎講座を展開する当社がポート番号の仕組みや役割を初心者にもわかりやすく解説します。
ポート番号とは通信先のプログラムを特定するための識別番号

ポート番号とは、ネットワーク上で通信をおこなう際に、送信元・宛先のコンピューター上で動作しているアプリケーションを識別するための番号です。
1つのコンピューターの中で同時に複数のサービスが動作しているため、IPアドレスだけでは通信の送り先を特定できません。
たとえば、同じサーバー上でWebサイト(80番)とメール送信サービス(25番)を同時に動かしていても、それぞれが異なるポート番号を使用することで、正確な通信が成立します。
まり、ポート番号は「誰に送るか」だけでなく「何に送るか」までを指定する、ネットワーク通信において重要な役割を担っているといえるでしょう。
よく使用されるポート番号の種類

よく使用されるポート番号は、以下のとおりです。
それぞれ詳しく解説します。普段あまり意識することはありませんが、メールの設定などで使用する場面があるため、ぜひ押さえておくようにしましょう。
HTTP:Webサイト閲覧に使われる基本のポート番号(80番)
HTTPの通信はポート番号80番を使用しておこなわれ、Webページの表示やテキスト・画像などの取得に活用されています。
たとえば「http://」で始まるWebサイトを開いた場合、裏側ではポート80を通じてWebブラウザとサーバー間で通信が発生しています。
HTTPS:暗号化通信で使われるセキュアなポート番号(443番)
HTTPSではポート番号443番が使われ、通信内容を暗号化して安全にWebサイトへアクセスできます。
たとえば、ネットバンキングやECサイトなど、「https://」から始まるページでは、入力されたパスワードやクレジットカード情報がポート443を通じて暗号化されて送信されています。
そのため、HTTPSを使用すれば第三者に情報を盗み見られたり、改ざんされたりするのを防ぐことが可能です。
FTP:ファイル転送に使用される標準ポート番号(21番)
FTPはポート番号21番を使用して、ネットワーク上でファイルを送受信する通信をおこないます。
たとえば、Webサイトの運用者がHTMLファイルをWebサーバーにアップロードする場合、FTPクライアントを使ってポート21を通じて接続し、ファイルを安全に転送します。
SMTP:メール送信で使われる通信ポート(25番)
SMTPではポート番号25番を使って、メールの送信処理がおこなわれています。
たとえば、メールソフトから送信ボタンを押すと、SMTPがポート25を通じてメールサーバーに接続し、宛先へメールを配送します。
また、メールの受信にはPOP(ポート番号110)やIMAP(ポート番号143)が使用されている点も、あわせて押さえておくと良いでしょう。
MySQL:データベース接続時に使用されるポート番号(3306番)
MySQLはポート番号3306番を使用して、アプリケーションとデータベースサーバー間の通信をおこないます。
たとえば、ECサイトでは商品情報や注文履歴などのデータをMySQLに格納し、Webアプリケーションがポート3306経由でそれらの情報を読み書きしています。
IPアドレスとポート番号の違い

IPアドレスとポート番号は、いずれもネットワーク通信に必要な情報ですが、役割が異なるため注意しましょう。
IPアドレスは「どのコンピューターと通信するか」を示すのに対し、ポート番号は「そのコンピューターのどのプログラムと通信するか」を示します。
たとえば「192.168.0.1:80」のような表記は、特定の端末のHTTPサービス(Web閲覧)に接続することを意味します。
つまり、IPアドレスとポート番号はそれぞれ住所と部屋番号のような関係であり、正確な通信をおこなうために両方が欠かせません。
まとめ | ポート番号は通信の行き先プログラムを特定するインターネットの基礎知識
ポート番号は、IPアドレスと組み合わせて通信の行き先となるアプリケーションを正確に指定するための重要な仕組みです。
同じサーバーでWebサイトとメール送信を同時に提供している場合でも、ポート番号のおかげでうまく通信することが可能です。
ポート番号の基礎知識を押さえ、ネットワークの基礎理解を深めましょう。