無線LANとは?Wi-Fiとの違いやメリット・デメリット、接続方法まで初心者向けに徹底解説

無線LANとは?Wi-Fiとの違いやメリット・デメリット、接続方法まで初心者向けに徹底解説

「Wi-Fi」や「無線LAN」の違いは?

ルーターを買ったけど、どう設定すれば無線でつながるのか不安

そもそも無線LANって、何のためにあるの?

スマートフォンやノートPCが普及した今、無線LANは日常に欠かせないインフラのひとつです。しかし仕組みや設定方法、安全性に関する理解が不十分なまま使用している人も少なくないでしょう。

この記事では、数十以上の事業所で無線LAN環境を構築してきた筆者が、無線LANの仕組みからWi-Fiとの違い、設定方法、注意点までをわかりやすく解説します。

記事を読めば、誰でも安全・快適に無線LANを使いこなせるようになります。

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目次

無線LANとは?

無線LANとは?

ここからは、無線LANの基礎知識について解説します。

Wi-Fiやアクセスポイントとの違いも解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

無線LANは電波を使ってデバイス同士を接続する技術

無線LANとは、有線のLANケーブルを使わずに電波を利用して機器同士を接続するネットワーク技術です。

家庭やオフィス、カフェなどで広く使われており、スマートフォンやPC、プリンターなどの端末をルーターを介してインターネットに接続できます。

無線LANはアクセスポイント(無線LANルーターなど)が親機として電波を発し、子機となる端末がそれを受信して通信を成立させる仕組みです。

通信範囲は環境によって異なりますが、10〜30メートル程度が目安です。

ケーブルが不要なため、設定や移動が自由で、配線の手間を省ける点が大きな特徴になります。

無線LANとWi-Fiの違い

無線LANは技術の総称であり、Wi-Fiは無線LANの1つの規格でありブランド名です。

Wi-FiはWi-Fi Allianceという国際団体が定めた互換性のある通信規格に適合した製品だけが名乗れる名称であり、接続性と安全性が保証されています。

比較項目無線LANWi-Fi
定義無線通信技術の総称無線LANの一種(規格化されたブランド)
認証機関なしWi-Fi Allianceによる認証
対象広い(企業独自規格も含む)世界標準規格に準拠

つまり、Wi-Fiは信頼性の高い無線LANと捉えることができるでしょう。一般家庭や企業で使われている無線LANの多くはWi-Fi対応機器によって構成されています。

無線LANとアクセスポイントの違い

無線LANは通信の仕組みを指す言葉ですが、アクセスポイントは無線LANの仕組みを実現するための機器です。

たとえば、自宅やオフィスに設置されている無線LANルーターは、アクセスポイントとして機能しています。

電波を送受信して、スマートフォンやパソコンなどの端末をネットワークにつなぐ役割を担います。

無線LANのメリット

無線LANのメリット

無線LANのメリットは、以下のとおりです。

それぞれ詳しく解説します。

ケーブル不要で接続できる

無線LANは、有線接続のようにLANケーブルを使用せずにインターネットに接続できます

LANケーブルが不要なメリット
  • 室内の見た目がスッキリする
  • LANケーブルの長さや位置に制限されない
  • 子どもやペットの転倒リスクを減らせる

また、複数の機器を一度にインターネットに接続したいときも、ポート数やケーブルの取り回しを気にする必要がなくなります。

ケーブルが不要な点は、室内の見た目がスッキリするなど、さまざまなメリットがあるといえるでしょう。

設置場所の自由度が高い

無線LANを導入すると、ネットワーク機器の設置場所を柔軟に変更できます

有線接続では、LANポートがある場所に限って端末を配置する必要がありますが、無線であればルーターの電波が届く範囲ならどこでもインターネット接続が可能です。

ルーターの設置場所次第で通信環境の質が変わるため、部屋の中央や高所など、電波が広がりやすい場所に配置するとさらに効果的です。

複数の機器の同時接続が可能

無線LANを使えば、1台のルーターで複数の機器を同時にインターネットへ接続できます

有線LANでは、1台ごとにポートやケーブルが必要ですが、無線LANではその制限がなく、家庭用ルーターでも10台以上のデバイスを接続できる製品が一般的です。

同時接続台数が増えると通信速度に影響が出る場合もありますが、高性能なルーターであればトラフィックの制御機能が搭載されているため、安定した通信が可能です。

モバイルデータ通信の節約に役立つ

無線LANを活用することで、スマートフォンのモバイル通信量を大幅に節約できます

たとえば、月に7GB以上使うと速度制限がかかるプランでは、自宅やオフィスでWi-Fiを使用すればモバイルデータ通信を使用しないため、節約に役立ちます。

また、家族全体でWi-Fiを利用すれば、全体の通信費を大幅に抑えることも可能です。格安SIMや低容量プランを選ぶ際の補完手段としても無線LANは非常に有効です。

無線LANのデメリット

無線LANのデメリット

無線LANのデメリットは、以下のとおりです。

無線LANはメリットばかりではなく、利用時の注意点もいくつか存在します。ここからは、無線LANのデメリットを解説します。

電波干渉が発生する可能性がある

無線LANは2.4GHzまたは5GHzといった周波数帯の電波を利用して通信しています。

特に2.4GHz帯は、電子レンジやBluetooth機器など多くの家電と同じ周波数を使用しているため、電波干渉が発生しやすい欠点があります。

電波干渉による影響
  • 通信速度が極端に遅くなる
  • 接続が頻繁に切断される
  • ページや動画の読み込みが途中で止まる

対策としては、干渉の少ない5GHz帯を使う、またはルーターの設置場所を見直す方法が有効です。

また、壁や家具などの障害物も電波を減衰させるため、設置場所の工夫も重要です。

セキュリティ対策が必要になる

無線LANは電波によって通信が行われるため、適切なセキュリティ設定がされていないと、第三者が勝手にネットワークへアクセスできてしまう可能性があります。

有線LANはLANケーブルを通じてインターネット接続をおこなうため、第三者から不正アクセスされるリスクが低く、セキュリティの強固な通信を実現できます。

無線LANを使用する場合は、必ず「WPA2」や「WPA3」といった暗号化方式を選び、複雑なパスワードを設定することが基本です。

無線LANの接続方法

ここからは、無線LANの接続方法について解説します。

家庭やオフィスで無線LANを使用してネットワークを構築する必要がある場合は、ぜひ参考にしてみてください。

まずはプロバイダと契約しインターネット回線を準備する

無線LANを使うには、まずインターネット回線を契約する必要があります

電波で接続する仕組みとはいえ、通信の出口としてインターネットに接続する物理的な回線(例:光回線)が不可欠です。

具体的な流れは、以下のとおりです。

プロバイダ契約の流れ
  1. 回線事業者(NTT、KDDI、NUROなど)と契約
  2. 開通工事を行い、自宅に「回線終端装置(ONU)」を設置
  3. プロバイダから送られてくる接続情報を保管しておく

プロバイダとは、回線をインターネットに接続するための入口を提供する業者です。契約時には、接続IDやパスワードなどの情報が発行されるため、ルーター設定時に必要になります。

無線LANルーターなど必要な機器を揃えて設置する

回線契約が完了したら、次に必要なのは無線LANルーターです。ルーターは、ONUから受け取った信号を分配し、家庭内の各機器に無線で届ける役割を持っています。

無線LAN接続に必要な機器
  • 無線LANルーター(Wi-Fi対応)
  • LANケーブル(ONUとルーターの接続用)
  • 電源ケーブルやアダプタ

設置の際には、家の中央や遮蔽物が少ない高い位置にルーターを置くと、より広範囲に安定した電波が届きやすくなります。

また、接続時は説明書に従って、プロバイダのID・パスワードを入力し、初期設定を行う必要があります。

スマホやPCでSSIDとパスワードを入力して接続設定を行う

ルーターの設置と初期設定が完了したら、スマートフォンやPCなどの端末から無線LANに接続します。

接続時に必要なのは「SSID」と「パスワード」です。SSIDとは、ルーターが発するネットワーク名のことを指し、端末のWi-Fi設定画面に表示されます。

無線LANの接続方法
  1. スマホやPCのWi-Fi設定画面を開く
  2. 表示されたSSID一覧から自宅のルーター名を選ぶ
  3. 裏面に記載されているパスワードを入力する

一度接続すれば、次回以降は自動的にネットワークに接続されます。

なお、SSIDが複数ある場合は「5GHz」「2.4GHz」などの違いを確認し、用途や接続距離に応じて使い分けましょう。

無線LANに関するよくある質問

無線LANとルーターの違いは?

無線LANは通信技術を指し、ルーターはその通信を実現するための物理的な機器です。

無線LANはどのように通信するか、ルーターはその通信をどのように届けるかどうかの関係性であり、無線LANを使用する場合はルーターが必要です。

Wi-FIが繋がらない原因は?

Wi-FIが繋がらない原因として考えられるのは、以下のとおりです。

原因解決策
ルーターの電源や配線に問題がある電源を再起動/LANケーブル接続確認
端末のWi-Fi設定が無効/機内モードWi-Fi設定の再確認/再起動
SSID・パスワードの誤入力正確な情報を再入力(ルーター裏面に記載)
電波干渉や距離が遠すぎるルーターの設置場所を変更/5GHz帯へ切り替え

また、ファームウェアやOSの不具合で接続できない場合もあります。その際はアップデートや再インストールも検討してください。

まとめ | 無線LANを使えば配線レスで快適なネット環境が実現できる

無線LANは、LANケーブルを使わずに電波でインターネットに接続できる技術です。Wi-Fiは無線LANのなかでも、国際的に規格化された一種であり、多くの家庭やオフィスで利用されています。

無線LANの利点は、配線不要で自由に機器を接続できる点や、モバイル通信の節約にも役立つことです。

一方で、電波干渉やセキュリティリスクといった注意点も存在します。適切なルーター選びと設定を行えば、安全で快適なネット環境を実現できます。

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