社内SEにおすすめの資格15選|スキルアップ・年収アップに直結する資格を厳選

社内SEとして今のままで大丈夫なのか不安
社内SEの業務が幅広く、どのような資格を取得するべきかわからない
ITの知識に自信がなく、スキルアップの必要性を感じている
近年、社内SEの役割はますます高度化しています。単なるヘルプデスクではなく、経営戦略に関与することも求められる場面が増えてきました。
しかし、業務が多岐にわたるからこそ「何を学べばいいのか」「どの資格を取れば役に立つのか」と迷ってしまう方も多いでしょう。
この記事では、社内SEとして実務に直結し、年収アップ・転職・評価アップにもつながる資格を厳選して解説します。
社内SEに必要なIT基礎が身につく資格

社内SEに必要なIT基礎が身につく資格は、以下のとおりです。
それぞれ詳しく解説します。社内SEとして幅広いIT基礎知識を身につけたいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
ITパスポート試験
ITパスポート試験は、ITを活用する社会人全般を対象とした国家資格であり、取得することでITに関する基礎的なリテラシーを証明できます。
- ITの基本概念・用語が体系的に身につく
- 経営・財務・法務の観点も押さえられる
- IT初心者や異業種からの転職でも評価されやすい
社内SEはネットワークやサーバーといったITの基礎知識に加えて、経営的な目線も求められるため、ITパスポート試験の学習を通じて身につけられる点はメリットです。
認知度の高い資格として転職の際にも評価されやすいため、ITの基礎知識から身につけたいと考えている人は取得しておいて損はないでしょう。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、ITパスポートと同様に国家資格のひとつです。
- 社内SEに必要なIT基礎スキルが身につく
- 資格手当や報奨金がもらえることがある
- 上位資格を取得するための基盤を構築できる
コンピューターシステムやネットワーク、プログラミングなどIT業界で必要とされる広い範囲の知識をカバーしており、勉強を通じて必要なスキルが身につきます。
資格を取得することで、企業によっては資格手当や報奨金ももらえる可能性があるため、給与アップしたい人にもおすすめの資格です。
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の次に難易度の高い国家資格です。
- IT人材としての市場価値が高まる
- 転職やキャリアアップが有利になる
- 高度試験の一部が免除される
基本情報技術者試験よりも高度なITに関する知識を求められるため、取得することでIT人材としての市場価値を高めることができます。
市場での評価が高い資格であるため、転職時やキャリアアップを有利に進められる点も、応用情報技術者試験を取得するメリットといえるでしょう。
社内SEにおすすめの技術的な資格

社内SEにおすすめの技術的な資格は、以下のとおりです。
それぞれ詳しく解説します。社内SEは技術的なスキルを求められる場面もあるため、技術的な資格についても参考にしてみてください。
CCNA
CCNAは、Cisco社が提供するネットワーク関連の資格です。
- IPアドレス・ルーティング・スイッチの実践スキルが身につく
- 社内ネットワークトラブルの一次切り分けと改善提案が可能になる
- ベンダーとの技術的なやりとりで信頼を得やすくなる
LAN・WAN、IPルーティング、スイッチング、トラブルシューティング、セキュリティまで、ネットワーク運用に欠かせない基礎知識が学べます。
特にネットワークトラブルが頻発する現場では、社内SEが即座に原因を突き止め、的確に対応できる能力が求められます。
CCNAを取得しておけば、ネットワーク業者とのやり取りでも専門用語での会話が可能となり、外部とのやり取りを円滑におこなうことが可能です。
情報処理安全確保支援士試験
情報処理安全確保支援士試験は、情報セキュリティに関する知識・スキルが身につく国家資格です。
- サイバー攻撃に対する脅威分析と対策ができるようになる
- 社内セキュリティポリシー策定や教育にも貢献できる
- 経営層に向けたリスク報告や対策提案に説得力が増す
近年ではサイバー攻撃や情報漏洩のリスクが企業活動の存続すら脅かすため、セキュリティに関する知見のある人材は多くの企業から重宝されています。
マルウェアの種類、標的型攻撃の手口、暗号技術、認証、インシデントレスポンス、ログ監視などが出題され、資格取得を通じて実務に即した高レベルな対応力が身につきます。
ネットワークスペシャリスト試験
ネットワークスペシャリスト試験は、IPAが実施する高度情報処理技術者試験の1つで、ネットワーク分野の高度な知識が問われる資格です。
- ネットワーク全体の構成設計や運用管理が自立して行えるようになる
- 社内外のセキュリティリスクに対して根拠ある対策を提案できる
- 上級エンジニアや技術管理職としての信頼を獲得できる
社内SEは自社のネットワーク設計や構築、トラブルシューティングまで対応する機会が多いため、資格取得を通じてネットワークの知見を高めることができます。
また、難易度の高い資格であるためエンジニアとしての市場価値が高まり、転職やキャリアアップも有利になるでしょう。
ORACLE MASTER
ORACLE MASTERは、オラクル社の製品を中心としたデータベース資格で、Bronze/Silver/Goldとレベル分けされています。
- SQLやデータベース設計の本質が理解できるようになる
- システムトラブルやパフォーマンス問題に冷静に対応できる
- 外注に依存せず、自社でのDB運用改善に貢献できる
中規模以上の企業では、基幹システムや業務システムを利用する際にデータベースの知識が問われることが多いです。
資格取得を通じて、SQLやデータベース運用に関する知識・スキルを身につけられるため、社内SEとしてスキルアップするためにも取得しておくと良いでしょう。
LinuC
LinuC(Linux Professional Certification)は、オープンソースのサーバーOSであるLinuxに特化した資格です。
- コマンド操作やファイル管理など、実務で使えるスキルが身につく
- サーバー障害の調査・復旧における初動対応ができるようになる
- DevOpsや自動化ツールとの連携にも理解が深まる
Webサーバー、ファイルサーバー、VPN、メールなど、Linuxが活用される場面は多く、現代でも使用されるケースは少なくありません。
企業によりますが社内SEは、Linuxサーバー上で稼働するシステムの保守・ログ確認・スクリプト修正といった対応を任されることがあり、資格取得で得られる知識をそのまま現場に活かせます。
AWS認定ソリューションアーキテクト
AWS認定ソリューションアーキテクトは、Amazon Web Services(AWS)のアーキテクチャ設計・構築スキルを評価する資格です。
- クラウドの基本設計・運用が一貫してできるようになる
- AWS導入・運用の内製化によってコスト削減に貢献できる
- ベンダー任せにせず、主体的なIT戦略を支えられる立場になれる
クラウド化の進む現代では、サーバーレス構成、可用性設計、バックアップ・復元、セキュリティ設定などが可能な人材は多くの企業から評価されています。
実務につながる知識が網羅されているため、クラウド移行を検討している企業や、クラウド基盤の管理を任される社内SEにとっては大きな武器になるでしょう。
社内SEのマネジメント力につながる資格

社内SEのマネジメント力につながる資格は、以下のとおりです。
それぞれ詳しく解説します。マネジメントスキルも社内SEに必要なスキルであるため、ぜひ資格取得を通じて身につけましょう。
PMP
PMPは、アメリカのプロジェクトマネジメント協会(PMI)が認定する国際資格です。
- 複数部門・ベンダーを巻き込んだプロジェクトを管理できる
- 社内外でのマネジメントスキルの“共通言語”が身につく
- マネージャーや管理職としての昇進に直結する
スコープ管理やコスト管理、品質管理などあらゆるプロジェクトに共通する管理手法を体系的に学べます。
社内SEとして「開発プロジェクトをまとめる立場」「社内と外注の橋渡し役」を担う際に、PMPの知識はそのまま活かせます。
プロジェクトマネージャー試験
プロジェクトマネージャー試験は、実務的なマネジメント力を証明できるIPAが実施する国家資格です。
- 複雑な業務システム導入を成功に導く実務力がつく
- ベンダー管理・スケジュール調整・社内調整がスムーズになる
- 日本企業での評価が高く、社内での昇進・任用につながる
プロジェクトの計画立案から実行、監視、終結に至るまでのプロセスを、自らが中心となって指揮・管理することが求められる社内SEにとって、実用性の高い資格です。
高度資格であるため難易度は高いですが、取得すれば年収アップやキャリアアップも狙えます。
PMO認定スペシャリスト
PMO認定スペシャリストは、プロジェクト・マネジメント・オフィス(PMO)における実務力を証明する民間資格です。
- 複数プロジェクトの全体管理・リスク監視ができるようになる
- プロジェクトの可視化・標準化を通じて再現性の高い運用を実現
- 管理職を支える立場として、上層部からの信頼を得やすくなる
PMOとは、プロジェクトの進捗・品質・コスト・課題などを横断的に管理し、プロジェクトリーダーをサポートする役割を担います。
社内SEがベンダーと連携してシステム導入や更改を進める場合、現場と経営層の橋渡しをしたり、リスクを予測して先回りしたりするスキルが必要です。
PMO認定スペシャリストを取得しておけば、現場を円滑にするために必要な知識・スキルを体系的に身につけられます。
社内SEにおすすめの経営目線が身につく資格

社内SEにおすすめの経営的視点が身につく資格は、以下のとおりです。
それぞれ詳しく解説します。
ITストラテジスト試験
ITストラテジスト試験は、IPAが実施する最難関レベルの情報処理試験です。
- 経営層や事業部門との対話に説得力が生まれる
- IT企画やデジタル戦略立案の中核人材として認知される
- 将来的にCIO候補やIT責任者へのステップアップにつながる
ITの知識に加えて、どのように事業戦略に結びつけるか、どのようにITを活用して組織を変革するかといったテーマを深掘りします。
単なるインフラ整備だけではなく、事業成長に貢献するためのIT企画ができるようになりたい社内SEはぜひ取得すると良いでしょう。
中小企業診断士
中小企業診断士は、経営コンサルタントとして唯一の国家資格であり、企業の経営課題を発見し、改善提案を行う力を評価するものです。
- 経営層に対して“数字”でIT導入の意義を説明できるようになる
- IT×業務改善の知識を体系的に習得できる
- 社内SEから経営企画・情報戦略担当へのキャリアパスが開ける
経営戦略・マーケティング・財務・組織論・法務といった幅広い分野に加え、ITを活用した業務改善手法も出題範囲に含まれています。
社内SEが「IT導入によってどれだけの業務効率化が可能か」「費用対効果はどの程度か」といった視点で上司や経営層に提案する際に役立ちます。
社内SEが資格取得で得られる3つのメリット

社内SEが資格取得で得られるメリットは、以下のとおりです。
それぞれ詳しく解説します。
実務に直結するスキルが身につき仕事の質が上がる
資格取得は取得の過程を通じて、実務に直結するスキルを身につけることができます。
現場での対応や根拠に基づく判断などがおこなえるようになるため、社内SEとしてのスキルアップに期待できます。
ベンダー任せずにせず、自力でトラブル解決が可能になるほか、上司や他部署に対する説明力が向上するため、頼りになる存在としてみてもらえるようになるでしょう。
転職市場でのアピール材料として効果的
社内SEの仕事は企業によって範囲が異なるため、スキルの可視化が難しい傾向にあります。そこで資格を取得しておけば、社内SEとしてのスキルを客観的に証明することが可能です。
勉強を通じてスキルを身につけておくと、未経験分野へのキャリアの選択肢も広げられるため、取得して損はないでしょう。
社内での信頼・昇進・評価にもつながりやすい
資格を取得しておくと、社内での信頼や昇進、評価にもつながりやすいです。
上司や役員から見ると資格取得に取り組む姿勢は、「この人は自己研鑽している」「任せた業務を体系的に考えてくれる」といった安心感を与える効果があります。
客観的に評価できる資格を取得しておくと、キャリアアップにもつながるため、ぜひ取得して自身の市場価値を高めましょう。
社内SEが資格取得で失敗しないための注意点とは

社内SEが資格取得で失敗しないためには、以下の点に注意しましょう。
それぞれ詳しく解説します。
目標と現状のスキルを明確にする
社内SEの仕事は幅広いため、自分の担当領域・スキルレベル・今の業務課題を正しく把握しないと、選ぶべき資格を誤ってしまいます。
そのため、将来の目標と現状のスキルを明確にしたうえで、取得するべき資格を考えるようにしましょう。
たとえば、将来的にマネジメント職として活躍したい場合は、プロジェクトマネージャー試験やPMPの勉強をするのが望ましいです。
やみくもに受験するのではなく、明確な目標を持って資格取得に励むようにしてください。
将来のキャリアから逆算して必要な資格を取得する
資格取得は将来のキャリアから逆算して、取得することがおすすめです。
3年後に管理職を目指すのであれば、いまからマネジメントやプロジェクト管理系の資格に着手するべきです。反対に技術を高めたい場合は、より専門性の高い資格試験に挑戦すると良いでしょう。
未来から逆算していくと、なんとなく不安だからではなく「この資格を取れば確実に次のキャリアに近づける」納得感が生まれ、勉強のモチベーションも維持しやすくなります。
まとめ | 社内SEは資格取得で年収アップ・キャリアアップを目指そう
社内SEの仕事は、システム運用だけでは終わりません。技術・マネジメント・経営の知識をバランスよく身につけていく必要があります。
幅広い業務を客観的に評価できるのが、資格の取得です。
社内SEが取得するべき資格は非常に多く、やみくもに勉強するのではなく、目標と現状のスキルから最適なものに挑戦することが重要です。
本記事で紹介した資格を参考に、ぜひ自身のキャリアに活かせそうな資格取得に励んでみてください。