社内SEに向いている人の特徴とは?やりがいや必要なスキルも経験者が解説

社内SE 向いている人のアイキャッチ画像

ITに関わる仕事がしたいけど、開発や営業は向いていない気がする

社内SEって聞くけど、どんな人が向いているのか知りたい

安定していてワークライフバランスが取れる仕事がしたい

このような思いを抱えている人は少なくありません。社内SEは「開発だけ」「インフラだけ」といった専門職とは異なり、広範囲な業務に携わるゼネラリスト型の職種です。

結論として、多岐にわたる業務を担当する社内SEは次のような人に向いています

社内SEに向いている人の特徴
  • コミュニケーションスキルの高い人
  • 勉強が好きな人
  • ゼネラリストになりたい人
  • ワークライフバランスを重視している人
  • 企業の経営戦略や事業戦略に興味がある人
  • プロジェクト全体に関わりたい人
  • 臨機応変に対応できる人

IT知識とビジネス理解の両方が求められる一方で、現場からの信頼を得られるやりがいも大きい仕事です。

この記事では、社内SEに向いている人の特徴を7つ整理し、向いていない人の傾向ややりがいを感じる瞬間などもあわせて解説します。

記事を読めば、自分が社内SEに向いているのかが明確になり、具体的な行動に移せるようになります。

\ 情シス専門オンラインスクール /
情シスカレッジ バナー
目次

社内SEに向いている人の特徴7選

社内SEに向いている人の特徴7選

社内SEに向いている人の特徴は、次のとおりです。

それぞれの特徴を整理していきます。

コミュニケーションスキルの高い人

社内SEは業務の中で、他部署や現場、ベンダーなどさまざまな人とコミュニケーションを取る職種です。

特に現場のIT課題を解決する際は、相手の要望を適切に汲み取り、専門用語を噛み砕いてわかりやすく伝えてあげる必要があります。

そのため、コミュニケーションスキルの高い人は社内SEに向いているといえるでしょう。

勉強が好きな人

IT業界は技術の変化が早いため、勉強が好きな人に向いています。クラウドやAI、セキュリティリスクの高度化など、現代はより業界の変化が早く、勉強を怠ればすぐに時代遅れになってしまうでしょう。

とくに社内SEは、開発やインフラといった特定分野だけでなく、幅広い知識を求められます。

業務システム、ネットワーク、セキュリティ、IT資産管理などの幅広い領域を担当するため、常にアンテナを張り、学習を続ける姿勢が重要です。

ゼネラリストになりたい人

社内SEは、ITの「なんでも屋」と呼ばれることもあるほど、業務範囲が広い職種です。

社内SEが担当する業務
  • サーバー・ネットワーク管理
  • 業務システムの導入
  • PCキッティング
  • クラウド運用
  • セキュリティ対策
  • ヘルプデスク

サーバー・ネットワーク管理やキッティング、セキュリティ対策などと求められるスキルの幅が広いのが特徴です。

専門性を極めるスペシャリスト志向よりも、幅広くIT領域を押さえるゼネラリスト志向の人に向いています。

ワークライフバランスを重視している人

社内SEは、ITエンジニアの中でも比較的ワークライフバランスが取りやすい職種です。

客先常駐や納期に追われる開発業務が少なく、勤務先企業の就業時間に準じて働くケースが多いためです。

もちろん、突発的な障害対応やトラブルが発生することもありますが、それでも夜間や休日の対応は、他のIT職種と比べて少なめです。

子育て中の社員やプライベートを充実させたい人にとっては、バランスの取れた働き方ができる点が大きな魅力といえるでしょう。

筆者も社内SE時代は残業した回数が数えるほどしかありません。

企業の経営戦略や事業戦略に興味がある人

社内SEは、単なる技術職ではなくITを活用した経営戦略や事業戦略に携わる機会もあります。

業務フローの改善やコスト削減、データの利活用、働き方改革の推進など、企業戦略に直結する業務にも深くかかわるポジションです。

そのため「企業がどのように利益を上げているのか」「どんな業務にボトルネックがあるのか」など、ビジネス全体に関心を持てる人ほど、社内SEの業務に面白さを感じられます。

プロジェクト全体に関わりたい人

社内SEは、ITプロジェクトの計画から導入・運用・評価まで、すべての工程に関われるポジションです。

外部の開発会社やSIerは一部分の実装に特化するケースが多いのに対し、社内SEは上流工程からプロジェクトに携わることが可能です。

プロジェクト全体を俯瞰しながら、関係部署との調整や進行管理を行い、時には経営陣へのプレゼンなどもおこないます。

上流工程のスキルが身につくだけではなく、マネジメントスキルや業務改善のノウハウも身につけられるため、プロジェクト全体に携わりたい人に向いているといえるでしょう。

臨機応変に対応できる人

社内SEは、毎日が予定通りに進む仕事ではありません。たとえば、突然発生したネットワーク障害や、想定外のソフトウェアトラブルに対処する場面が多くあります。

突発的な対応が求められた場合に、冷静な判断と迅速な行動で臨機応変に対応できる人は、社内SEの働き方に適しているでしょう。

社内SEに向いていない人の特徴

社内SEに向いていない人の特徴

社内SEに向いていない人の特徴は、以下のとおりです。

それぞれ詳しく解説します。

技術を深掘りしたい専門職志向の人には不向き

社内SEの業務は、広く浅く多様な領域に関わるのが特徴です。そのため、1つの技術の専門性を高めたいタイプの人にとっては、物足りなさややりがいを感じられない可能性が高くなります

たとえば、ネットワーク構築に強い関心があっても、実際の業務ではベンダーに委託して終わることもあり、専門性を磨く機会が限られてしまうでしょう。

また、日々の業務も多岐にわたるため、特定の技術に集中する時間が取りづらいのも現実です。

より専門的なスキルを高めたい場合は、SIerやベンダー企業、開発会社のエンジニア職など、他のキャリアを検討したほうが理想に近づきやすいでしょう。

人とのコミュニケーションが苦手な人

社内SEは、社内のあらゆる部署と連携しながら仕事を進めるため、コミュニケーション能力は不可欠です。

特に、ITリテラシーが高くないユーザーとも会話する機会が多く、相手の理解に合わせて伝えるスキルが求められます。

たとえば、システムの使い方を丁寧に説明したり、要望やトラブル内容をヒアリングしたりする場面が日常的に発生します。

そのため、人と話すのが苦痛に感じたり、説明するのが面倒に感じたりする人にとっては、大きなストレスにつながる可能性があるでしょう。

自発的な学習や情報収集を面倒だと感じる人

社内SEは、自己学習なしでは成長できない職種です。なぜなら、社内IT環境は日々変化し、導入するサービスや管理対象も年々増加しているためです。

新しいツールやセキュリティ対策について、自ら調べ、比較し、提案できることが求められます。

勉強が苦手な人でも構いませんが「調べるのが面倒」「アップデートに興味がない」と感じる人は、社内SEの仕事を続けることが苦痛になる可能性があります。

部門間の調整や交渉が苦手な人

社内SEの業務では、複数の部門と意見をすり合わせながら物事を進める場面が頻繁にあります。

たとえば、新システム導入時には、経理部・営業部・人事部など関係部署の要望をヒアリングし、機能要件を調整する必要があります。

調整や交渉が苦手な人にとっては、部門間でのやり取りがストレスにつながりやすく、社内SEとして働くのが辛いと感じる可能性があります。

社内SEにやりがいを感じる瞬間とは?

社内SEにやりがいを感じる瞬間

社内SEの仕事にやりがいを感じられる瞬間は、以下のとおりです。

それぞれ詳しく解説します。

ユーザーから直接感謝を伝えてもらえる

社内SEの仕事には、ヘルプデスク対応やトラブル解決といった困っている社員を助ける場面が日常的にあります。

対応後は、ユーザーから直接「助かりました!」「ありがとうございます!」といった言葉を直接かけてもらえる機会が多いのが、社内SEならではの魅力です。

社内SEは人の役に立つことでやりがいを感じられる人にとって、理想的な職種といえるでしょう。

プロジェクトをやりきったとき

社内SEは、業務システムの導入やクラウド化、IT資産管理の刷新など、多くのプロジェクトに関わります。

計画立案から要件定義、ベンダーとの折衝、導入後の定着支援までを一貫して担当するため、プロジェクトをやりきったときの達成感は非常に大きなものです。

特に、部署を横断した業務改善プロジェクトなどでは、関係者が多く、意見の調整やスケジュール管理に多くの労力を割く必要があります。

苦労した結果、プロジェクトが無事完了し、社員が「使いやすくなった」「仕事がラクになった」と評価してくれる瞬間は、社内SEならではのやりがいといえるでしょう。

裁量のある仕事を任せてもらえたとき

社内SEは他のエンジニア職と比較して、裁量の仕事を任される機会が多い職種です。企業によっては、システム導入の可否やベンダー選定、予算配分にまで関与できることもあります。

また、ある程度のスキルや経験を積むことで、上司や経営層から特定の分野を一任してもらえることがあります。

裁量のある仕事を任されたときは、自分は頼りにされていると大きなやりがいを感じられるでしょう。

ITの幅広い知識・スキルが身についたとき

社内SEは、ネットワーク、サーバー、業務アプリ、セキュリティ、クラウド、ヘルプデスクなど、非常に幅広い領域を担当します。

そのため、日常業務を通じて次のようなITの知識・スキルが身につきます

社内SEの業務で身につくスキル
  • ネットワーク・サーバー
  • セキュリティ
  • クラウド
  • IT資産管理
  • 業務アプリケーション …etc

ゼネラリストとして活躍していきたいと考えている場合は、社内SEの働き方は特に適しています。

また、将来的なキャリアパスとしてITコンサルやCIOなども狙えるため、年収アップ・キャリアアップを実現したいとにもおすすめです。

未経験から社内SEを目指す際に身につけるべき知識・スキル

未経験から社内SEを目指す際に身につけるべき知識・スキル

社内SEに興味を持ち、未経験から目指したいと考えている人は次のような知識・スキルを身につけておくようにしましょう。

それぞれ詳しく解説します。

IT全般の知識・スキル

未経験から社内SEを目指すうえで、身につけておきたいのがIT全般の知識・スキルです。

優先して身につけるべき知識・スキル
  • ネットワーク・サーバーの基礎
  • 情報セキュリティ
  • クラウドの基礎

専門家レベルの技術ではなく、社内インフラや業務システムの構造を理解し、ユーザーの相談に対応できるレベルが求められます。

すべて一気に身につける必要はありませんが、ネットワーク・サーバーなど業務でよく使用する知識・スキルについては、優先的に身につけておくようにしましょう。

プロジェクトマネジメントスキル

社内SEは、システム導入や業務改善などのプロジェクトを進める立場でもあるため、プロジェクトマネジメント(PM)の基礎スキルが求められます。

特に中小企業や少人数体制の情シスでは、現場主導でプロジェクトを回す場面が多く、自ら計画を立て、関係者を調整しながら進行管理を担うことになります。

社内SEが身につけておきたいプロジェクトマネジメントスキル
  • WBS(作業分解構成図)で全体を見通す力
  • 関係部署・ベンダーとの調整力
  • 進捗・課題・リスクを管理する習慣

プロジェクトマネジメントスキルはPMBOKや資格試験を通じて身につけられるため、転職活動を有利に進めるためにも身につけておいて損はありません。

実践的な部分は業務を通じて身につけることができます。

プレゼンテーションスキル

社内SEは、技術だけでなく「伝える力」も重要です。IT投資や業務改善の提案を通すためには、上司や経営層に分かりやすく説明し、納得してもらう必要があります。

相手に合わせてわかりやすい言葉で説明し、納得させるプレゼンテーションスキルは、どのような企業でも重宝されます。

また、社内勉強会や業務報告の場でプレゼン機会は多く、少しずつ場慣れしていくことも可能です。

コミュニケーションスキル

社内SEは多くの人とかかわる職種であるため、コミュニケーションスキルが必要です。

ヘルプデスク業務では、技術的な作業よりも相手の困ったことを適切にヒアリングし、専門用語を噛み砕いて説明する必要があります。

また、社内の要望を聞き取り、関係部署と調整しながら物事を進める場面も少なくありません。

社内SEとしての就職後に、円滑なやり取りをおこなうためにも、コミュニケーションスキルは身につけておくようにしましょう。

まとめ | 社内SEはユーザーに直接感謝されるやりがいのある仕事

社内SEはITの幅広い業務を担当しますが、ユーザーから直接感謝されるやりがいのある仕事といえます。

ヘルプデスクで問題を解決した場合や、企業全体の業務効率化を実現した場合など、さまざまなシーンで感謝してもらえるため、人の役に立ちたいと考える人におすすめの職種です。

自分は向いていそうと感じた場合は、まずは基本的なITスキルやビジネススキルから身につけていきましょう。

未経験からでも十分に社内SEとして活躍できる可能性はあります。

目次