情シスが報われないのはなぜか?原因と改善策を経験者がわかりやすく解説

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ITトラブルを解決しても「ありがとう」の一言もない

夜間や休日対応が当たり前なのに、評価されていない

働いているのに存在感が薄いと感じる

社内のITを支える情シスは、企業が円滑に業務をおこなうためにも欠かせない存在です。しかし現実には、頑張っても報われないと感じている担当者が少なくありません。

結論、情シスが働いても報われない原因としては、以下のことが挙げられます。

情シスが報われない原因
  • 仕事内容が評価されにくい
  • コスト部門として扱われる
  • リスク管理・セキュリティ対策の成果を認識してもらえない

この記事では、情シスが報われない原因や現状を改善する方法を解説します。

記事を読めば、情シスの現状に共感し、問題を自ら改善するための方法がわかるようになります。

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目次

情シスが報われない原因

情シスが報われない原因

情シスが報われない原因は、以下のことが挙げられます。

それぞれ詳しく解説します。

仕事内容が評価されにくい

情シスの業務は、社内システムの運用保守やネットワーク管理、ヘルプデスク業務など多岐にわたります。

しかし、業務の多くは問題が起きないことが理想とされており、裏方として機能しているほど企業の中での存在感は薄くなるでしょう。

また、他部署が感じるのは「情シスが対応してくれた」ではなく「パソコンが直った」「ネットが使えるようになった」といった結果のみです。

担当者の努力やスピード感、的確な判断力は見過ごされがちで、仕事を評価されにくい傾向にあります。

コスト部門として扱われる

情シスは営業や開発部門のように、直接利益を生む部門ではありません。そのため、経営層からコスト部門として扱われることが多いです。

たとえば営業部門が新規契約を取ることで売上に貢献するのに対し、情シスはインフラ整備や障害対応といった裏方業務が中心です。

情シスの業務効率化や組織全体をITで改善したくても、経営層にコストを割いてもらえず報われないと感じる人は少なくないでしょう。

リスク管理・セキュリティ対策の成果を認識してもらえない

リスク管理やセキュリティ対策は、問題が起きないことが最大の成果といえます。しかし、組織内では「問題が起きていない=何もしていない」と誤解されることも少なくありません。

リスク回避の重要性が理解されていない場合は「そこまでやる必要ある?」といった声すら上がることもあります。

サイバー攻撃の事例を伝えたり、定期報告したりしてリスク管理・セキュリティ対策の重要性を確認してもらうことが重要です。

情シスが報われない現状を改善する方法

情シスが報われない現状を改善する方法

報われない情シスが現状を改善するための方法は、以下のとおりです。

それぞれ詳しく解説します。

成果の可視化を行う

情シスが報われない場合は、業務でどのようなことをしているのか社内に伝えていくことが重要です。

社内共有するべき項目
  • 月ごとのトラブル対応件数
  • ネットワーク停止ゼロの月数
  • セキュリティ対策の実施内容
  • 新規導入ツールによる業務時間削減の実績

情シスの活動は、社内から見えにくいものが多いため、数字や報告資料によって「見える化」することで、存在価値が明確になります。

たとえば、「年間で300件以上の問い合わせに対応」「サーバーダウンゼロを12ヶ月達成」など具体的な数値を示せば、非IT部門にも重要性が伝わりやすくなります。

成果を社内報やポータルサイトで共有することで、報われない情シスの現状から脱却しましょう。

情シス業務の最適化や効率化を図る

情シス業務は多くの場合、人手不足や属人化によってストレスを抱えやすくなっています。

限られたリソースでトラブル対応や問い合わせに追われてしまうと、本来注力すべき企画・提案などの業務が後回しになり、組織への貢献が見えづらくなります。

情シス業務を最適化・効率化する方法
  • よくある質問をFAQとして社内ポータルに公開
  • ヘルプデスクにチャットボットを導入
  • RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)で定型業務を自動化
  • インシデント管理ツールで対応履歴を一元管理

コア業務に集中し、情シスの存在価値をより高めるためにも、問い合わせ件数を削減する工夫や業務効率化ツールの導入などが重要です。

対応スピードが向上するだけではなく、業務の属人化も防止できます。

他部署と積極的にコミュニケーションを取る

他部署とのコミュニケーションを普段からあまり取れていない場合は、積極に取ることがおすすめです。

閉じた空間で黙々と作業しているだけでは、感謝される機会も少なく、存在意義が社内に伝わりません。

他部署とコミュニケーションを取る方法
  • 現場部門と一緒に業務課題を洗い出し、解決策を提案する
  • 新しいツール導入の際は、ユーザー部門と共同検討・検証を行う
  • 定例会などを通じて、情シスの取り組みや成果を共有する
  • 小さな改善提案でも、相手部門の目線に立って説明する

情シスがビジネスパートナーのような立場を確立できると、経営層からも信頼されるため、将来的に仕事もやりやすくなります。

まとめ | 情シスが報われないのは情シスの実態が知られていないから

情シスが報われないのは、業務の重要性や成果が見えにくいことが原因です。裏方としてトラブルを未然に防ぎ、社内IT環境を支えているにもかかわらず、多くの場合は認識してもらえません。

しかし、以下のような取り組みによって報われない現状を打破できます。

報われない情シスを脱却する取り組み
  • 数字と実績で成果を可視化する
  • 属人化を避けて業務を効率化する
  • 他部署と信頼関係を築く

情シスの本当の価値を周囲に伝える努力を始めることで、評価される機会が確実に増えていきます。

まずは業務の見える化から着手し、情シスが企業の成長を支える攻めのIT部門であることを、社内に確実に伝えていきましょう。

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