【総務省2025年調査】オンプレミスとクラウドの違いを6つの観点で整理|クラウド利用率83.5%の実態と選び方

「オンプレミスとクラウドの違いを説明してください」と言われて、すぐに言葉が出てこないことはありませんか。用語としては知っていても、社内の意思決定に使える形で整理する機会は意外と少ないものです。
- オンプレミスとクラウドの違いを、上司や経営層に一言で説明できない
- 「クラウドのほうが安い」と言われたが、根拠を持っていない
- 自社がまだオンプレミス中心なのは、遅れているのか判断できない
結論から言うと、両者の違いは「設備を自社で持つかどうか」と「運用を誰が担うか」の2点に集約されます。費用も導入期間もセキュリティも、この2点から派生する話です。
この記事では、総務省の通信利用動向調査などの公表データだけを使って整理します。利用実態、業種別と規模別の差、コストの見方、セキュリティの考え方の順に見ていきます。
あわせて、公的データで言えることと言えないことも分けて示します。
この記事のポイント
- クラウドサービスを利用している企業の割合は、2025年調査時点で83.5%です(出典: 総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」)
- 利用理由の上位は可用性の高さ45.1%と保守体制が不要なこと42.8%で、コストの安さは19.4%と8項目中の最下位です(2025年調査、無回答を除く集計)
- オンプレミスの保有コストを示す公的データは存在せず、金額の比較は自社の見積もりでしか行えません
オンプレミスとクラウドの違いは「設備を自社で持つか」と「運用を誰が担うか」に集約される

まず全体像を押さえましょう。オンプレミスは、サーバーやネットワーク機器、ソフトウェアのライセンスを自社で保有し、自社の管理下で運用する形態です。 設置場所も、保守の担い手も、いつ機器を入れ替えるかの判断も自社側にあります。
一方のクラウドサービスは、事業者が用意した基盤をネットワーク経由でサービスとして使う形態です。利用者は機器を保有せず、必要な分だけ契約して使います。
この記事が使う統計も、同じ整理で数えられています。 総務省の通信利用動向調査は調査票で「クラウドコンピューティング」の利用状況を尋ねており、ASP(Application Service Provider)が提供するSaaSなども含むと注記しています。国際的な定義としては、米国NISTがネットワーク経由で構成可能な計算資源を必要に応じて利用する形態と定めており、IPAが日本語訳を公開しています。
整理すると、判断すべきは「設備を自社の資産として抱えるか」と「動かし続ける手を誰が出すか」の2点だけです。調達期間も拡張性も費用の出方も、この2点の帰結として決まります。ちなみに2025年調査で、クラウドサービスを利用している企業の割合は83.5%でした。
実際の利用理由を見ても、企業が「違い」として受け止めているのは技術の中身ではなく、保有と運用の担い手です。個々の項目と割合は次の見出しから順に見ていきます。
オンプレミスは機器と保守体制を自社に持ち、更改の判断も自社で行う
オンプレミスは、資産と保守体制を社内に持ち続ける形態です。 機器やライセンスの調達、設置場所の確保、保守契約の管理、故障時の一次対応、耐用年数ごとの更改までを自社で判断します。
この性格は、クラウド側の数値から逆算しても確認できます。2025年調査でクラウドを使う理由として「資産、保守体制を社内に持つ必要がないから」を挙げた企業は42.8%でした。ここで不要になると言われている資産と体制が、そのままオンプレミスの守備範囲です。
設定の自由度が高く、既存の社内システムと細かく連携させやすい点は、この保有形態から生まれる利点です。
ただし、この自由度は移行時の負担にもなります。2024年調査では、クラウドを利用していない企業の29.6%が「クラウドの導入に伴う既存システムの改修コストが大きい」ことを理由に挙げました。
自社に合わせて作り込んだ仕組みほど、外のサービスへ載せ替えるときの改修範囲が広がります。この点はコストの章でもう一度扱います。
クラウドの利点は場所を選ばない利用50.7%と可用性45.1%(2025年調査)
クラウドの利点として最も多く挙げられているのは、場所や機器を選ばずに使えることです。 2025年調査(無回答を除く集計)で、この項目を選んだ企業は50.7%でした。
次いで多いのは「安定運用、可用性が高くなるから」の45.1%です。「資産、保守体制を社内に持つ必要がないから」は42.8%、「災害時のバックアップとして利用できるから」は38.7%でした。「サービスの信頼性が高いから(情報漏えいなど対策)」は35.0%です。
拡張性に関する項目も一定の支持を集めています。「システムの容量の変更などに迅速に対応できるから」は32.6%、「システムの拡張性が高いから(スケーラビリティ)」は28.9%です。

上位に並ぶのは、働く場所の自由度と、可用性や保守体制といった運用面の項目です。 機能の豊富さではなく、システムを動かし続ける負担をどこが持つかが評価されていると読めます。
違いは保有・調達期間・拡張性・カスタマイズ・運用体制・責任分担の6観点で整理できる
違いは6つの観点に分解できますが、公的データで数値を示せるのはクラウド側の一部だけです。
| 観点 | オンプレミス | クラウド |
|---|---|---|
| 保有形態 | 自社で保有 | 事業者の設備を利用。42.8% |
| 調達・利用開始 | 選定と構築の期間が必要 | 契約後に開始。50.7% |
| 拡張性 | 機器の追加が前提 | 容量変更32.6%/拡張性28.9% |
| カスタマイズ | 作り込みがしやすい | 提供範囲内での設定 |
| 運用体制 | 保守と更改を自社が担う | 45.1% |
| 責任分担 | 物理層からアプリまで自社 | 事業者と分担。セキュリティ管理の外部委託20.2% |
出典: 総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」別紙2より作成。「責任分担」欄を除くクラウド欄の数値は、2025年調査で各項目を利用理由に挙げたクラウド利用企業の割合です(無回答を除く、n=2,131)。「責任分担」欄の20.2%は、2025年調査でセキュリティ管理をアウトソーシングしているインターネット利用企業の割合であり、母集団が異なります(無回答を除く、n=2,480)。
数値のない欄は、企業横断で測った公的統計が存在しないためです。
出典: 総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」別紙1/同 別紙2/総務省「令和7年通信利用動向調査報告書(企業編)」/IPA「NISTによるクラウドコンピューティングの定義」
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クラウドを利用する企業は2025年調査で83.5%に達している

「オンプレミスはもう時代遅れなのか」という疑問には、感想ではなく実数で答えられます。総務省の通信利用動向調査によると、2025年調査時点でクラウドサービスを利用している企業の割合は83.5%です。
この83.5%は、全社的に利用している企業と、一部の事業所または部門だけで利用している企業を合計した値です。 全社導入を済ませた企業だけの割合ではない点に注意してください。
前年にあたる2024年調査の値は80.4%でした。ただし同じ2024年の数値は、令和7年版情報通信白書では80.6%と掲載されています。
この差は資料の優劣ではなく集計基準の違いによるものです。80.4%は無回答を含む母数で集計した報告書の値、80.6%は無回答を除いて集計した値です。 この記事の推移表では報告書の公表値である80.4%を採用します。理由は記事の後半で改めて整理します。
この数値から読み取れるのは、クラウドを使うこと自体はすでに例外的な選択ではなくなっているという点です。ただし、この83.5%は「オンプレミスから移行した企業の割合」ではありません。次の見出しで理由を説明します。
2010年の13.7%から2025年の83.5%まで15年間伸び続けている
クラウドの利用率は、この15年ほぼ一貫して上がり続けています。2010年調査の13.7%から2025年調査の83.5%まで、69.8ポイントの上昇です(本記事による計算値)。

| 調査年 | クラウドサービスを利用している企業の割合 |
|---|---|
| 2010年 | 13.7% |
| 2011年 | 21.4% |
| 2012年 | 28.0% |
| 2013年 | 32.5% |
| 2014年 | 38.1% |
| 2015年 | 44.0% |
| 2016年 | 46.6% |
| 2017年 | 56.9% |
| 2018年 | 58.7% |
| 2021年 | 70.4% |
| 2022年 | 72.2% |
| 2023年 | 77.7% |
| 2024年 | 80.4% |
| 2025年 | 83.5% |
出典: e-Stat 統計表0003165250/総務省「令和6年通信利用動向調査報告書(企業編)」/総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」別紙1ほか各年調査より作成。2019年・2020年調査の値は総務省が公表していますが、本記事のデータベースに未収録のため除いています。2016年から2017年にかけては参照した資料の系統がe-Statの統計表から調査結果の概要へ切り替わっており、他の年より上げ幅が大きくなっています。また2024年までは無回答を含む母数、2025年は無回答を除く母数で集計されており、集計基準は完全にはそろっていません。
同じ数字を裏返すと、変化の大きさがはっきりします。クラウドを利用していないと回答した企業の割合は、2010年の86.3%から2025年の16.5%へ、15年で約5分の1になりました(いずれも本記事による計算値)。
言えるのは、常用雇用者100人以上の規模では、クラウドを利用していないと回答した企業が16.5%まで減ったという事実です。 なおこの16.5%には、「今後利用する予定がある」企業や「クラウドについてよく分からない」と答えた企業も含まれます。全社が意図的にオンプレミスを選び続けている企業の割合ではありません。 ここから先の解釈には注意が必要です。
この83.5%は「移行した企業の割合」ではない
利用率のグラフを見ると、オンプレミスからクラウドへ移った企業が増えたように読めます。しかし、このカーブはそれを示していません。
通信利用動向調査は、毎年その時点の利用状況を尋ねる横断調査です。総務省は調査のたびに事業所母集団データベースから標本を無作為抽出しており、同一企業を継続して追跡するパネル調査ではありません。 そのため、2024年調査の80.4%と2025年調査の83.5%の差を、移行した企業の比率として扱うことはできません。
調査期間中に設立され、最初からクラウドを選んだ企業もこの線に含まれます。回答企業の入れ替わりも同じ線に混ざっています。
この推移から言えるのは、各時点でクラウドを使っている企業がどれだけいるか、という現在地までです。2010年の13.7%と並べても、「オンプレミスで運用していた企業の何割が移行したか」は分かりません。
注意
社内資料に利用率の推移を引用するとき、「○%の企業がクラウドへ移行した」と書くのは避けてください。この数値は各時点の利用状況であって、移行率ではありません。「クラウドを利用している企業の割合」という指標名のまま使うのが安全です。
この数値の対象は常用雇用者100人以上の企業に限られる
もう一点、自社と比べる前に確認しておきたいことがあります。通信利用動向調査の企業編は、公務を除く産業の常用雇用者100人以上の企業(事業所本所または単独事業所)を対象にしています。
2025年調査でクラウドの利用状況に回答した企業は2,486社、2024年調査は2,330社です。常用雇用者100人未満の企業は、この83.5%という数値の外側にいます。
つまり、ひとり情シスが典型的に想定されるような規模の企業は、そもそも集計に入っていません。
この点を踏まえると、自社が100人未満であれば、83.5%は参考値であって自社の遅れを測る基準にはなりません。社内で使うときは「自社より規模の大きい企業の平均」と添えておくと、議論がずれにくくなります。
出典: 総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」別紙1/総務省「令和7年通信利用動向調査報告書(企業編)」/総務省「令和6年通信利用動向調査報告書(企業編)」/総務省「令和7年版情報通信白書」/e-Stat 統計表0003165250
業種と資本金規模による利用率の差は最大25.0ポイントある

全体の83.5%という数値だけでは、自社の立ち位置は測れません。2025年調査の内訳を見ると、業種でも資本金規模でも無視できない幅があります。
業種別で最も高いのは金融・保険業の96.2%、最も低いのは運輸業・郵便業の78.3%で、その差は17.9ポイントです(本記事による計算値)。
資本金規模別では、最も高い50億円以上が99.8%、最も低い1,000万〜3,000万円未満が74.8%で、差は25.0ポイントになります(本記事による計算値)。 いずれも2025年調査の無回答を除く集計です。
この節の数値は、自社が平均より上か下かを確認するためのものです。ただし、どちらも常用雇用者100人以上の企業に限った集計である点は変わりません。
金融・保険業96.2%に対し運輸業・郵便業78.3%(2025年調査)
業種別に見ると、上位と下位ははっきり分かれています。2025年調査(無回答を除く集計)で高いのは金融・保険業の96.2%と情報通信業の94.8%です。
不動産業は90.9%、建設業は89.2%、製造業は85.6%、卸売・小売業は83.6%と続きます。
低いのはサービス業・その他の79.3%と運輸業・郵便業の78.3%です。それでも、最も低い業種で8割近くに達しています。

最上位と最下位の差は17.9ポイントですが、下位業種でも8割近くが利用しています(本記事による計算値)。 業種による違いは、使うかどうかではなく、どこまで広げているかの差だと考えられます。
資本金1,000万〜3,000万円未満は74.8%、50億円以上との差は25.0ポイント
資本金規模で見ると、小さいほど利用率が低い傾向がはっきり出ます。 2025年調査(無回答を除く集計)で最も低いのは1,000万〜3,000万円未満の74.8%、次に低いのが1,000万円未満の75.4%です。この2区分はほぼ並んでおり、順位を入れ替えて読むほどの差はありません。
中間の帯は3,000万〜5,000万円未満が84.1%、5,000万〜1億円未満が83.1%、1億〜5億円未満が92.3%でした。上位は5億〜10億円未満92.5%、10億〜50億円未満97.5%、50億円以上99.8%です。

ただし、この並びを1年分だけで読むことはできません。2025年の1,000万円未満は回答が100社しかなく、95%信頼区間は±8ポイント程度と見込まれます。総務省自身も報告書で分類項目別の標本誤差を公表しており、資本金1,000万円未満や5億〜10億円未満の区分は全体より誤差が大きいと明記しています。
5億〜10億円未満のように、2024年調査の99.1%から2025年調査の92.5%へ逆方向に動く帯もあります。規模が小さいほど低いという傾向は読めますが、個々の帯の前年比は単年では判断できません。 なお、この集計も対象は常用雇用者100人以上の企業です。
利用率が低い層は全体平均が数年前に通過した水準にある
低いセグメントの数値は、時間軸に置き換えると意味が変わります。2025年調査で最も低い運輸業・郵便業の78.3%は、全体平均が2023年調査で記録した77.7%とほぼ同じ水準です。
資本金1,000万円未満の75.4%も、全体平均の2022年調査72.2%と2023年調査77.7%の間に収まります。
ここから読み取れるのは、下位のセグメントはクラウドを拒否している集団ではなく、全体平均が数年前に通過した水準にいる集団だという見方です。自社が業界平均より低いことを問題にするより、全体平均の何年前の位置にいるかで測るほうが、投資時期の説明に使いやすくなります。
注意
この読み替えは目安にとどめてください。2025年の業種別・資本金規模別は「無回答を除く」集計で、比較した過年度の全体値とは集計基準がそろっていません。また、遅れている層が今後同じ経路をたどる保証もありません。現在位置の言い換えとして使い、将来の予測には使わないでください。
出典: 総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」別紙2(業種別・資本金規模別、いずれも無回答を除く集計)/同 別紙1/総務省「令和7年通信利用動向調査報告書(企業編)」
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コストの違いは金額ではなく「何に費用が発生するか」の構造で見る

先にお断りしておきます。この記事では、オンプレミスとクラウドの金額を並べた比較表を出しません。 理由は単純で、オンプレミスの保有コストを示す公的統計が存在しないからです。
公的統計が持っているのは、コストについて企業がどう感じているかという回答比率だけです。2025年調査で「既存システムよりもコストが安いから」を利用理由に挙げた企業は19.4%でした。
2024年調査では、「既存システムの改修コストが大きい」を利用しない理由に挙げた企業が29.6%です。どちらも認識であって、金額ではありません。
金額そのものは、自社の構成でしか計算できません。そこでこの章では、何に費用が発生するかという構造を整理します。
持ち帰っていただきたいのは、比較表の結論ではなく、自社の見積もりで確認すべき項目のリストです。
オンプレミスの保有コストも移行後のコスト変化も公的統計は測っていない
オンプレミスの保有コストを示す一次データは、公的資料の中に見つかりません。 サーバー1台あたりの費用も、クラウド移行の前後で運用費がどう変わったかも、公表された統計では追えません。
金額として公表されているのは市場規模だけです。総務省の令和7年版情報通信白書によると、日本のパブリッククラウドサービス市場規模は2024年で約4兆1,423億円、前年比26.1%の成長でした。
ただし、この数値は総額の拡大を示すだけです。利用する企業が増えたのか、1社あたりの支出が増えたのかは分離できません。加えて、この市場規模はIDC Japanの推計を白書が引用したもので、総務省が実施した統計調査とは性格が異なります。
注意
この記事が金額比較をしない理由は3つあります。
①オンプレミスの初期投資額・年間運用コスト・TCOを示す公的な一次データが存在しない
②移行前後のコスト変化を測った統計が存在しない
③市場規模は総額であり、1社あたりの負担の増減を示さない
「オンプレミスは初期費用が高く、クラウドは月額が安い」という比較表を見かけたら、その数値の出所を確認してください。
オンプレミスは調達・構築・保守・更改に、クラウドは利用量と管理の手間に費用が乗る
金額が出せなくても、費用が発生する項目は整理できます。両者の違いは金額の大小ではなく、費用が発生するタイミングと変動の仕方にあります。
| 費用が発生する場面 | オンプレミス | クラウド |
|---|---|---|
| 導入時 | 機器・ライセンスの調達、設計と構築 | 初期設定、既存システムの改修(2024年調査で未導入企業の29.6%が障壁に挙げた項目) |
| 稼働中(固定的) | 設置場所と電力、保守契約、監視の仕組み | 契約プランの基本料金、アカウント数に応じた料金 |
| 稼働中(変動的) | 障害対応にかかる人手 | 利用量に応じた料金、データ転送量、容量やアカウントの増減 |
| 継続的な運用 | 保守・障害対応・更改の計画を自社が担う(クラウド側で不要と回答した企業は42.8%) | 設定と権限管理の手間。「容量の変更などに迅速に対応できるから」32.6%、「拡張性が高いから」28.9% |
| 数年単位 | 耐用年数ごとの機器更改 | サービスの仕様変更や料金改定への対応 |
出典: 総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」別紙2/総務省「令和6年通信利用動向調査報告書(企業編)」より作成。割合は2025年調査(無回答を除く)および2024年調査の値です。金額欄は設けていません。実際の金額は自社の構成で見積もりを取って確認してください。
オンプレミスは導入時と更改時に費用が集中し、その間は保守契約と人手の費用が継続して発生します。クラウドは一時的な支出が小さい代わりに、利用量に連動して毎月の金額が変わります。
たとえばファイルサーバーをクラウドへ移す場合も、月額料金より容量の増え方と改修範囲のほうが総額を左右します。どちらが安いかは、この構造に自社の数字を入れて初めて判断できます。
導入企業でコストの安さを理由に挙げたのは19.4%にとどまる(2025年調査)
稟議で「クラウドは安い」と書く前に、確認しておきたい数値があります。2025年調査の利用理由8項目のうち、「既存システムよりもコストが安いから」は19.4%で最下位でした。
上位に並ぶのは「場所、機器を選ばずに利用できるから」の50.7%と、「安定運用、可用性が高くなるから」の45.1%です。3番目は「資産、保守体制を社内に持つ必要がないから」の42.8%でした。いずれも無回答を除く集計です。
この並びから読み取れるのは、すでにクラウドを使っている企業も、コスト削減を主な動機にはしていないという点です。「安いから」を稟議の主張の軸に置くと、根拠が弱いだけでなく、他社の実態とも合いません。
ただし利用理由は複数回答であり、選択肢の文言や並び順の影響を受けます。順位そのものを絶対視せず、上位と最下位の開きを見る程度にとどめてください。
未導入企業の29.6%は既存システムの改修コストを障壁に挙げている
コストは、導入後の利点よりも移行時の障壁として認識されています。 2024年調査でクラウドを利用していない企業のうち、29.6%が「クラウドの導入に伴う既存システムの改修コストが大きい」ことを理由に挙げました。
導入企業で「安いから」が19.4%、未導入企業で「改修コストが大きい」が29.6%という構図です。ここから読み取れるのは、コストが導入の決め手ではなく移行の関門として働いているという点です。
実務に落とすと、移行費用を見積もる際の主要な変数はサービス利用料ではありません。既存システムのどこをどこまで直すか、その範囲が総額を決めます。
なお、利用しない理由には後述のとおり別の項目も並びます。回答企業数がごく少ない点とあわせて、後半の章で詳しく説明します。
出典: 総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」別紙2/総務省「令和6年通信利用動向調査報告書(企業編)」/総務省「令和7年版情報通信白書」
運用負荷の違いは仕事が消えることではなく、仕事の種類が入れ替わることにある

ポイント
- クラウドへ外部化できるのは、機器の保有と保守という部分です
- アカウント管理や社員教育といった仕事は社内に残ります
- 運用負荷の見積もりは「減る量」ではなく「入れ替わる中身」で考えます
クラウドに移せば情シスの仕事が減る、という説明を見かけます。データを見る限り、この説明は正確ではありません。
2025年調査で上位に来た利用理由は、可用性45.1%と保守体制の外部化42.8%でした。どちらも機器そのものではなく、機器を動かし続ける体制についての項目です。
一方で、2025年調査でセキュリティ管理を外部委託している企業は20.2%にとどまります。 人手の面では、経済産業省の推計で2025年時点のIT人材の不足が36万人とされています(2019年公表の推計値)。
ここから読み取れるのは、クラウドを選ぶ動機は費用よりも人と体制の側にあり、外に出せるのは資産の保有までだという構図です。 ひとり情シスにとっての違いは、仕事が消えることではなく、仕事の種類が入れ替わることだと言えます。
42.8%の企業が「資産・保守体制を社内に持つ必要がない」を利用理由に挙げている
クラウドへ外部化できるのは、基盤を持ち続けるための仕事です。 ハードウェアの調達と設置、保守契約の管理、故障時の対応、耐用年数を見ながらの更改計画がここに含まれます。
この範囲が外れることを評価している企業は少なくありません。2025年調査では、42.8%の企業が「資産、保守体制を社内に持つ必要がないから」を利用理由に選びました。
可用性を挙げた45.1%や、災害時のバックアップとして利用できることを挙げた38.7%も、同じ方向の話です。自社でデータセンター相当の冗長構成を設計しなくてよい、という意味に読めます。
外部化できるのは、ここまでです。 基盤の上で動くシステムを誰にどう使わせるかは、引き続き社内の仕事として残ります。
セキュリティ管理を外部委託している企業は20.2%にとどまる
外部化はインフラの保有までで止まっています。 2025年調査でセキュリティ管理をアウトソーシングしている企業は20.2%にとどまりました。
これに対し、2025年調査ではID・パスワードによるアクセス制御を行っている企業が60.4%、社員教育を実施している企業が54.7%です。基盤の保有は外に出せても、誰がアカウントを管理し誰が社員に教えるかという仕事は社内に残ります。
判断材料そのものが乏しい層もあります。IPAの2024年度の調査では、中小企業等の約7割が情報セキュリティ対策投資について「投資していない」または「わからない」と回答しました。
なお、これらの対策実施率の母集団はインターネットを利用している企業全体であり、クラウド利用企業に限った数値ではありません。クラウド利用企業だけを見れば外部委託の割合が高い可能性は残ります。
IT人材の不足は2025年時点で36万人と推計されている(2019年公表)
運用の担い手を確保できるかどうかは、機器を持つかどうかと同じくらい重い論点です。 経済産業省の「IT人材需給に関する調査」では、2025年時点のIT人材の需給ギャップが標準ケースで36万人と推計されました。2030年時点の標準ケースは44.9万人です。
ただし、この推計の扱いには注意が必要です。公表は2019年で、2025年の実測値ではありません。
同じ調査でも前提を変えると、2030年時点の推計は低位シナリオで16.4万人、高位シナリオで78.7万人と、4.8倍の幅で動きます(本記事による計算値)。
この幅を踏まえると、人材不足は単独の根拠にはできません。機器を持つかどうかより運用する人を確保できるかが判断軸になっている可能性を示す材料として使うのが妥当です。人材不足がクラウド選択を促したのか、その逆かという因果は、このデータでは切り分けられません。
出典: 総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」別紙2/経済産業省「IT人材需給に関する調査」調査結果概要(2019年公表)/同 調査報告書/IPA「中小企業における情報セキュリティ対策の実態調査」(2024年度)
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セキュリティの違いは「どちらが安全か」ではなく責任の分担で見る

読者が最も知りたいのは、おそらく「オンプレミスとクラウドのどちらが安全か」でしょう。先に結論を言うと、この問いに公的統計で答えを出すことはできません。
理由は2つあります。ひとつは、クラウド利用率と被害経験率の動きが一致していないことです。
もうひとつは、公表されている被害経験率がネットワーク利用全般の被害を対象としている点です。被害の原因がクラウド側かオンプレミス側かは切り分けられていません。
参考までに、2025年調査で何らかのセキュリティ被害を受けた企業の割合は48.1%、同じ2025年調査のクラウド利用率は83.5%です。2024年調査では、クラウドを利用しない理由として「情報漏えいなどセキュリティに不安がある」を挙げた企業が24.9%でした。
この章では優劣を判定する代わりに、責任の分担がどう変わるかを整理します。脅威を並べて不安をあおるより、そのほうが判断に使えます。
クラウド利用率が13ポイント上がった4年間で被害経験率は上下している
クラウド利用率と被害経験率は、同じ方向に動いていません。 クラウド利用率は2021年調査の70.4%から2025年調査の83.5%まで、単調に13.1ポイント上昇しました(本記事による計算値)。
同じ期間の被害経験率は、2021年52.4%、2022年62.4%、2023年53.9%、2024年46.2%、2025年48.1%と上下しています。上下の幅は16.2ポイントです(本記事による計算値)。

方向が一致していない以上、「クラウド化が進むと被害が増える」も「クラウドにすれば被害が減る」も、この2系列からは支持できません。 加えて2つの指標は母集団が異なり、利用率は回答企業全体、被害経験率はインターネットを利用している企業が対象です。
そもそも比較できるのは5時点だけで、相関の有無を統計的に論じられる本数ではありません。被害経験率は認知した被害を答えたものであり、検知の仕組みが整うほど数値が上がる面もあります。
注意
2024年の被害経験率は、参照する資料によって45.9%と46.2%に分かれます。同じ総務省の同じ調査を載せた資料の間で生じている差です。実務判断に影響する幅ではありませんが、社内資料に引用するときは資料名まで書き添えてください。詳しくは記事の最後の章で説明します。
被害経験率は従業者2,000人以上で64.9%、100〜299人で45.6%(2025年調査)
被害を経験している企業の割合は、規模が大きいほど高くなります。 2025年調査では、従業者2,000人以上の企業が64.9%、100〜299人の企業が45.6%でした。差は19.3ポイントです(本記事による計算値)。
2024年調査でも同じ方向です。2,000人以上が69.5%、100〜299人が44.2%で、差は25.3ポイントでした(本記事による計算値)。

ただし、差が25.3ポイントから19.3ポイントへ縮んだとは書けません。2,000人以上の回答は2024年が105社、2025年が104社しかありません。この標本規模では95%信頼区間が±9ポイント程度と見込まれ、69.5%と64.9%は互いの誤差範囲に入ります。総務省の報告書も、従業者2,000人以上の区分について全体より大きな標本誤差を公表しています。
読み取れるのは差の幅ではなく、大きい企業ほど被害を経験しているという方向が2年連続で一致している点です。 小規模側の数値が低いのは、攻撃されていないからとは限らず、被害を検知して認識できる仕組みがあるかどうかの差を含んでいる可能性があります。
この見方が正しいかどうかは、攻撃の受けやすさと検知能力を切り分けるデータがないため確認できません。オンプレミスかクラウドかを選ぶときは、監視と検知の担い手をどちらが持つのかという論点として扱ってください。なお、この指標はネットワーク利用全般の被害であり、クラウドに起因する被害ではありません。
対策を実施している企業は98.3%だが、実施内容の大半は自社に残る
クラウドにしても守る対象が変わるだけで、守る仕事そのものは社内に残ります。 2025年調査で何らかの対策を実施している企業は98.3%、特に実施していない企業は1.7%でした。
中身を見ると、ウイルス対策プログラムの端末への導入が82.0%、ID・パスワードによるアクセス制御が60.4%です。一方でセキュリティ管理の外部委託は20.2%にとどまります(いずれも2025年調査、無回答を除く集計)。
自社の担当範囲は、使うサービスの層によって変わります。一般に、SaaSでは利用者の担当範囲が狭く、IaaSでは基盤より上を利用者が担います。ただし総務省の「クラウドサービス提供における情報セキュリティ対策ガイドライン(第3版)」も、事業者と利用者の責任範囲はサービス内容や利用条件ごとに異なり、一律には決まらないとしています。両者で責任範囲を合意し、契約で明示することが求められます。 層ごとの分担割合を示す公的データはないため、契約や仕様書で個別に確認してください。
2024年調査で24.9%の企業が挙げたセキュリティ不安も、この分界点を決める作業に置き換えられます。
ポイント
クラウド利用時に社内で決めておく項目です。
- アカウントの発行・棚卸し・退職時の削除を誰が行うか
- 権限設定とログの確認を誰が担い、どの頻度で見るか
- バックアップ範囲と復旧手順が契約に含まれるか
- インシデント時の連絡経路と事業者の対応範囲
出典: 総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」別紙2/総務省「令和7年通信利用動向調査報告書(企業編)」/総務省「令和6年通信利用動向調査報告書(企業編)」/総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」別紙1/総務省「クラウドサービス提供における情報セキュリティ対策ガイドライン(第3版)」
オンプレミスを選ぶ判断は、統計ではなく自社の要件から行う

「オンプレミスが向いているのはどんなケースか」という問いは、公的統計からは答えが出ません。理由は単純で、オンプレミスを選び続けている企業の事情を測ったデータがほとんど残っていないからです。
2024年調査には「クラウドサービスを利用しない理由」という設問がありますが、回答した企業は171社です。同じ2024年調査の回答企業全体が2,330社であることを考えると、ごく限られた標本になります。
したがって、この章では統計の代わりに要件で整理します。まずデータで言える範囲を確認し、そのうえで判断軸に落とします。
利用しない理由の最多は「必要がない」で46.0%(2024年調査)
クラウドを使わない最大の理由は、セキュリティ不安ではありません。 2024年調査で最も多かったのは「必要がない」の46.0%です。
次いで多いのは「クラウドの導入に伴う既存システムの改修コストが大きい」の29.6%です。「情報漏えいなどセキュリティに不安がある」は24.9%、「ネットワークの安定性に対する不安がある」は14.7%でした。

最多の「必要がない」46.0%は、現行のオンプレミス環境で業務が回っている状態を指していると考えられます。
なお、この設問は2025年調査でも実施されており、「必要がない」が最多という並びは変わっていません。ただし回答企業数は2024年調査よりさらに減っています。 社内で「セキュリティが心配だからクラウドは無理」という議論になったとき、この構図は前提を整える材料になります。ただし、次に述べるとおり回答企業数には限界があります。
この回答は171社にとどまり、選択肢間の数ポイント差は序列として読めない
この4項目を順位として扱うことはできません。理由は母数です。
2024年調査の回答企業2,330社のうち、利用理由に回答したクラウド利用企業は1,941社でした。差し引き約390社が非利用側にあたります(本記事による計算値)。しかし利用しない理由に回答したのは171社で、その半数以下にとどまります。
母数が171社の場合、1社の回答で0.58ポイント動きます(本記事による計算値)。29.6%と24.9%の差は、この粒度では序列として読めません。
ここから読み取れるのは、クラウド利用率が2025年調査で83.5%まで上がった裏側の状況です。オンプレミスを選び続ける企業の事情を測る標本は、年々薄くなっています。
ただし「必要がない」46.0%の突出ぶりは標本が小さくても揺らぎにくく、最多であること自体は読める余地があります。
注意
「オンプレミスが向いているケース」を列挙した記事は多くありますが、その根拠になる公的データは実質的に存在しません。この記事の次の見出しで示す判断軸も、統計から導いたものではなく要件から整理したものです。自社の状況に当てはめて使ってください。
判断は法規制・既存資産の償却・通信環境・改修可能性の4点で行う
統計から導けない以上、要件で整理するしかありません。オンプレミスを続けるかどうかは、次の4点で判断してください。
- 法規制やガイドラインの制約: 業界のルールや取引先の要求で、データの保管場所や管理主体に条件が付いていないかを確認します
- 既存資産の償却状況: 現行機器の償却がどれだけ残っているか、次の更改時期がいつかを押さえます。更改のタイミングは移行の検討時期そのものです
- ネットワークへの依存可否: 回線が止まったときに業務が止まって困る度合いを見ます。2024年調査でも14.7%の企業がネットワークの安定性への不安を挙げています
- 既存システムの改修可能性: どこまで改修できるか、その範囲と工数を見積もります。2024年調査で29.6%の企業が改修コストを障壁に挙げた項目です
この4点を確認したうえで、セキュリティ上の懸念があれば責任分担の設計に落とします。2024年調査で24.9%が挙げたセキュリティ不安も、要件として書き出せば判断材料になります。
そしてすべてを一度に移す必要はありません。 システム単位で判断し、条件が厳しいものはオンプレミスに残し、それ以外をクラウドへ出す構成も選べます。ただし、併用の効果を示す公的データはないため、この記事では数値を挙げません。
出典: 総務省「令和6年通信利用動向調査報告書(企業編)」図表3-6/総務省「令和7年通信利用動向調査報告書(企業編)」図表3-6/総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」別紙1
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公的データを社内資料に使うときは、資料名と集計基準までそろえる

最後に、数値を稟議書や社内提案に引用する場合の注意点を整理します。公的統計の数値は、調査年だけでなく資料名と集計基準までそろえて初めて検証できる形になります。
この記事でも、同じ2024年の数値が資料によって分かれる場面が2度ありました。クラウド利用率は80.4%と80.6%、セキュリティ被害経験率は45.9%と46.2%です。
差はいずれも実務判断に影響しない幅です。それでも、出所を「総務省調査」としか書かなければ、後から誰も検証できません。
同じ2024年の数値が資料により80.4%と80.6%、45.9%と46.2%に分かれる
食い違いは、別の機関が実施した調査の間で起きているのではありません。同じ総務省の同じ調査を載せた資料の間で生じています。
| 指標 | 資料A(無回答を含む集計) | 資料B(無回答を除く集計) |
|---|---|---|
| 2024年 クラウドサービス利用率 | 80.4%(通信利用動向調査報告書、回答2,330社) | 80.6%(令和7年版情報通信白書、報道発表資料にも同値) |
| 2024年 セキュリティ被害経験率 | 45.9%(回答2,324社) | 46.2%(回答2,312社) |
出典: 総務省「令和6年通信利用動向調査報告書(企業編)」/総務省「令和7年版情報通信白書」/総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」別紙1/同 別紙2より作成。
この食い違いの原因は、無回答をどう扱うかの違いです。 被害経験率については回答企業数も2,324社と2,312社で異なり、差は無回答の企業数にあたります。報道発表資料の別紙1は、冒頭の留意事項で「無回答を除く形で集計している」と明記しています。報告書の値を無回答分で割り戻すと、それぞれ80.6%と46.2%にほぼ一致します(本記事による計算値)。
実務としては、数値に調査年・資料名・集計基準の3点を添える運用にしてください。この記事では、クラウド利用率の2024年値として報告書の公表値80.4%を採用しています。
2025年の集計は「無回答を除く」方式で、前年との単純比較はできない
もうひとつ、集計基準の変更にも注意が必要です。2025年調査のセキュリティ被害経験率48.1%は、無回答を除く集計として公表されています。
2024年の46.2%から2025年の48.1%への上昇は1.9ポイントです(本記事による計算値)。この2つは同じ無回答を除く基準なので比較できますが、報告書ベースの過年度の値と並べるときは基準がそろわない点に注意してください。
したがって、2022年の62.4%と直近の48.1%を並べて「被害が減った」と書くのは避けてください。 なお、無回答を除く集計が必ず数値を押し上げるとは限らず、無回答企業の性質によっては逆方向にも働きます。
同じ注意は、この記事の業種別・資本金規模別の数値にも当てはまります。これらと全体値83.5%はいずれも2025年調査の無回答を除く集計なので基準はそろっていますが、報告書ベースで示した過年度の数値とはそろっていません。
出典: 総務省「令和6年通信利用動向調査報告書(企業編)」/総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」別紙1/同 別紙2/総務省「令和7年版情報通信白書」
まとめ

要点は4つです。
第1に、違いは「設備を自社で持つか」と「運用を誰が担うか」の2軸に集約されます。
第2に、クラウド利用企業の割合は2025年調査で83.5%ですが、これは移行率ではなく、対象も常用雇用者100人以上の企業に限られます。
第3に、コストは金額ではなく費用が発生する項目で見てください。2025年調査で利用理由にコストの安さを挙げた企業は19.4%と最下位で、金額の比較は自社の見積もりでしか行えません。
第4に、外部化できるのは資産の保有まで(2025年調査で42.8%)で、セキュリティ管理の外部委託は2025年調査で20.2%にとどまります。 クラウドに移しても運用の仕事は消えず、種類が入れ替わるだけだと考えてください。
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※出典
- 総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」別紙1
- 総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」別紙2
- 総務省「令和7年通信利用動向調査報告書(企業編)」
- 総務省「令和6年通信利用動向調査報告書(企業編)」
- 総務省「令和5年通信利用動向調査の結果」
- 総務省「令和4年通信利用動向調査の結果」
- 総務省「令和3年通信利用動向調査の結果」
- 総務省「平成30年通信利用動向調査の結果」
- 総務省「平成29年通信利用動向調査の結果」
- e-Stat 統計表0003165250「通信利用動向調査 企業編 クラウドサービスの利用状況」
- 総務省「令和7年版情報通信白書」(社会基盤的機能を発揮するデジタル領域の拡大)
- 総務省「令和7年版情報通信白書」(データセンター市場及びクラウドサービス市場の動向)
- 総務省「クラウドサービス提供における情報セキュリティ対策ガイドライン(第3版)」
- 経済産業省「IT人材需給に関する調査」調査結果概要(2019年公表)
- 経済産業省「IT人材需給に関する調査」調査報告書
- IPA「2024年度 中小企業における情報セキュリティ対策に関する実態調査」
- IPA「NISTによるクラウドコンピューティングの定義」(NIST SP 800-145 日本語訳)

