【IPAデータ】セキュリティ資格の合格率は約3.4倍差|2025年時点の国家試験2つの難易度と選び方

「セキュリティの資格を取ろう」と思って調べ始めたところで、手が止まっていませんか。検索すると「おすすめ資格まとめ」のような記事が並び、かえって迷ってしまいますよね。
- 種類が多すぎて、どれから手をつければいいか分からない
- 「合格率20%」と書かれていたけれど、本当にその水準なのか
- そもそも取ったところで、社内で評価されるのか
この記事では、IPA(情報処理推進機構)が公表した合格率のデータをもとに、国内の国家試験2つに絞って整理します。結論から言うと、資格は難易度の低い順に取っていくものではなく、自分がいま担っている役割で選ぶものです。
この記事のポイント
- 情報セキュリティマネジメント試験の合格率は、2025年度(令和7年度)で70.0%です(出典: IPA「情報処理技術者試験(情報セキュリティマネジメント試験)推移表(令和8年3月分)」)
- 情報処理安全確保支援士試験は2025年度秋期で22.3%と、同じIPAの試験でも合格率が大きく開きます(出典: IPA「情報処理安全確保支援士試験 合格発表(令和7年度秋期)」)
- セキュリティの専門部署や担当者がある中小企業等は、2024年時点で9.3%。社内に相談できる専任者がいない環境が多数派です(出典: IPA「2024年度 中小企業における情報セキュリティ対策に関する実態調査」)
セキュリティ資格の中心はIPAが実施する国家試験2つ

IPAが実施する情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験の枠組みで、セキュリティそのものを主題とする試験は、情報セキュリティマネジメント試験と情報処理安全確保支援士試験の2つです。どちらもIPAが実施しており、公的な統計で合格率を確認できます。
2つの大きな違いは、想定している対象者と、合格後の登録制度の有無です。情報処理安全確保支援士試験は、合格したうえでIPAに申請して登録を受けると、名称独占の国家資格として名乗れる仕組みになっています。
まずは全体像として、2つの試験を並べて確認しておきましょう。難易度の上下ではなく、守備範囲の違いとして読んでみてください。
| 試験名 | 主な対象者 | 合格率(対象年度・回) | 登録制度 |
|---|---|---|---|
| 情報セキュリティマネジメント試験 | 情報システムを利用・管理する側で、社内ルールや運用を回す人 | 2025年度(令和7年度)70.0% | なし |
| 情報処理安全確保支援士試験 | 設計・運用などセキュリティの技術面を担う専門家 | 2025年度秋期22.3% | あり(登録者は2025年10月1日時点で24,937人) |
出典: IPA「情報処理技術者試験(情報セキュリティマネジメント試験)推移表(令和8年3月分)」/IPA「情報処理安全確保支援士試験 合格発表(令和7年度秋期)」/IPA「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)登録者情報(2025年10月1日時点)」
注意
CISSPやCompTIA Security+といったベンダー系・国際系の資格は、認定団体が公式には合格率を公表していません。そのため本記事では、公的な統計で難易度を確認できる国家試験2つを中心に扱い、これらの資格との難易度の序列は書きません。受験料や年会費などの費用も、実施団体によって改定されるため、必ず各団体の公式情報で確認してください。なお、情報セキュリティマネジメント試験の年度統計は毎年春に更新されます。本記事では最新の2025年度(令和7年度)の値を使用していますので、それ以降の年度の値はIPAの統計情報ページでご確認ください。
情報セキュリティマネジメント試験は組織の管理側を担う人向けで、2025年度の合格率は70.0%
情報セキュリティマネジメント試験は、情報システムを使う側・管理する側の人を対象にした試験です。社内ルールの策定や運用、委託先の管理といった、組織の情報セキュリティを回す業務が守備範囲になります。IPAの試験要綱でも、対象者像は「情報システムの利用部門にあって、情報セキュリティリーダーとして…情報セキュリティが確保された状況を実現し、維持・改善する者」と定義されています。
直近の合格率は2025年度(令和7年度)で70.0%でした。応募者ではなく受験者を分母にした値で、受験45,924名に対して合格32,141名という内訳です。過去の年度も見ておくと、2024年度(令和6年度)は受験41,657名で69.0%でした。2023年度(令和5年度)は受験36,362名で72.6%です。
3年分を並べると72.6%、69.0%、70.0%と上下しており、3年分だけで難化・易化を判断することはできません。合格率のばらつきの読み方は、次の章でまとめて扱います。
情報処理安全確保支援士試験は技術専門家向けで、合格後に登録して名乗る資格
情報処理安全確保支援士試験は、セキュリティの技術面を担う専門家向けの試験です。直近の2025年度秋期(令和7年度秋期)の合格率は22.3%で、先ほどの試験とは水準がまったく異なります。
もう1つ押さえておきたいのが、この試験は合格しただけでは資格の名称を名乗れない点です。IPAの合格発表資料でも、合格者がIPAに申請して登録を受けることで、名称独占の国家資格になると説明されています。
実際に登録している人は、2025年10月1日時点で24,937人です。登録制度の中身は後半で詳しく取り上げるので、ここでは「試験と登録は別」とだけ覚えておいてください。
なお、令和8年度(2026年度)からは支援士試験もCBT方式に移行し、これまでの春期・秋期に代わって、前期・後期それぞれの実施期間内で受験する方式に変わります。受験を計画している方は、申込受付期間と試験実施期間をIPAの案内で確認してください。
出典: IPA「情報処理技術者試験(情報セキュリティマネジメント試験)推移表(令和8年3月分)」/IPA「情報処理安全確保支援士試験 合格発表(令和7年度秋期)」/IPA「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)登録者情報(2025年10月1日時点)」/IPA「情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 試験要綱 Ver.5.6」/IPA「令和8年度 応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の申込受付期間及び試験実施期間について」
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2試験の合格率は同じ年度でも約3.4倍の開きがある

同じIPAの試験でも、同じ年度で比べると合格率には約3.4倍の開きがあります。2025年度(令和7年度)の情報セキュリティマネジメント試験は70.0%、情報処理安全確保支援士試験は春期19.0%・秋期22.3%でした。
支援士試験は年2回実施なので、年度でそろえて計算してみます。春期は受験16,526名・合格3,134名、秋期は受験18,816名・合格4,199名でした。合計すると受験35,342名に対し合格7,333名で、年度の合格率は約20.7%になります。
70.0%と約20.7%の差は49.3ポイント、倍率にすると約3.4倍になります。実施機関も年度もそろえたうえでこれだけ開くため、2つは同じ「セキュリティ資格」でも到達点が別物だと数値から言えます。
なお、1つ前の2024年度(令和6年度)でも同じ計算ができます。支援士試験は春期が受験14,342名・合格2,769名、秋期が受験17,324名・合格2,615名でした。合計は受験31,666名に対し合格5,384名で、約17.0%です。情報セキュリティマネジメント試験の69.0%との倍率は約4.1倍にあたり、2025年度は開きが縮んでいます。

支援士試験の合格率は直近4回で15.1〜22.3%と7.2ポイントの幅がある
情報処理安全確保支援士試験の合格率を「約20%」と単一の数字で覚えると、回ごとの幅を見落とします。IPAが公表した直近4回の合格率は、次のとおりです。
- 令和6年度春期(2024年)19.3%
- 令和6年度秋期(2024年)15.1%
- 令和7年度春期(2025年)19.0%
- 令和7年度秋期(2025年)22.3%
最も低い回と最も高い回の差は7.2ポイントあります。この4回から読み取れるのは、春期と秋期のどちらが通りやすいという固定的な傾向は見えない、ということです。令和6年度は春が4.2ポイント高く、令和7年度は秋が3.3ポイント高いという逆方向の動きになっています。

注意
4回分のデータは、統計的な傾向と呼ぶには短い期間です。令和6年度秋期の15.1%が単発の要因による外れ値で、残る3回が19〜22%の狭い範囲に収まっている、という読み方も同じくらい成り立ちます。今回参照したのは令和6〜7年度の4回分で、令和4〜5年度以前の数値は本記事のデータベースに未登録である点もあわせてご了承ください。
受験者が約1.3倍に増えた同じ期間に、合格者数は約1.5倍に増えている
直近2年は、受験者が増えながら合格者も増えている局面です。4回のうち最初の令和6年度春期(2024年)の受験者は14,342名でした。直近の令和7年度秋期(2025年)は18,816名で、約1.3倍に増えています。
同じ期間に合格者は2,769名から4,199名へ約1.5倍で、受験者の伸びを上回っています。ここから読み取れるのは、受験者が増えると競争が激しくなって合格率が下がる、という直感とは逆の動きです。
これは、上位から一定数を選ぶ相対評価ではなく、各科目の得点がすべて基準点以上であれば合格になる方式で運用されていることと整合的です。ただしIPAは、試験結果に問題の難易差が認められた場合には基準点の変更を行うことがあるとしています。
受験者が増えているからといって、席の取り合いを心配して受験を先送りする必要はありません。

合格率の差をそのまま難易度の差と読むことはできない
ここまで合格率の差を見てきましたが、この差をそのまま難易度の差として読むことはできません。2つの試験は、受験する人の顔ぶれが違うからです。
情報セキュリティマネジメント試験は、情報システムの利用部門の担当者を対象にしており、IT部門以外の社員も受ける前提で設計されています。一方の情報処理安全確保支援士試験は技術専門家向けで、記述式の問題を含むなど出題形式も異なります。
採点方式と実施時期も同じではありません。IPAの試験要綱によれば、情報セキュリティマネジメント試験はIRT(項目応答理論)に基づいて評価点を算出し、支援士試験は素点方式です。実施時期も前者は随時、後者は年2回の実施期間に限られます。
つまり、2025年度(令和7年度)の70.0%と19.0%・22.3%という差は、問題の難しさと受験者層の違いが合成された結果です。読み取るべきは「どちらが上か」ではなく「守備範囲が違う」という点で、これは後半の選び方にそのままつながります。
出典: IPA「情報処理技術者試験(情報セキュリティマネジメント試験)推移表(令和8年3月分)」/IPA「情報処理安全確保支援士試験 合格発表(令和6年度春期)」/同(令和6年度秋期)/同(令和7年度春期)/同(令和7年度秋期)/IPA「情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 試験要綱 Ver.5.6」
情報処理安全確保支援士は登録して初めて名乗れる資格で、登録者は24,937人

情報処理安全確保支援士を目指すなら、受験を決める段階で登録手続きと登録後の義務まで含めて確認しておいてください。試験に合格しただけでは、この名称を名乗れません。
IPAの合格発表資料では、合格者がIPAに申請して登録を受けることで、名称独占の国家資格になると説明されています。登録済みの人は「登録セキスペ」とも呼ばれます。つまり試験の合格と資格の取得は、制度上は別の段階です。
実際に登録している人は、2025年10月1日時点で24,937人です。登録と維持には手続きと費用が伴いますので、金額や更新の条件はIPAの公式情報で必ず確認してください。
直近2年の合格者12,717名は、登録者総数の約51%に相当する
直近4回の合格者を足し合わせると、その規模が見えてきます。令和6年度春期2,769名、同秋期2,615名、令和7年度春期3,134名、同秋期4,199名で、合計12,717名です。
一方、2025年10月1日時点の登録者は24,937人でした。この2つを並べて読み取れるのは、直近2年の合格者だけで登録者総数の約51%に相当する、という関係です。
この試験はそれ以前から継続して実施されているので、累積の合格者数は登録者数をかなり上回っていると考えるのが自然です。合格しても登録に進んでいない人が一定数いる、という前提で制度を見ておくとよいでしょう。
注意
累積の合格者数そのものは一次データとして確認できていないため、上の読み方は推定にとどまります。登録者数は新規登録だけでなく、更新の失効や抹消でも増減します。また、旧試験の合格者がどう扱われるかも今回は確認できていないため、未登録者が何人いるかという数値は本記事では示しません。
登録者の平均年齢は44.3歳で、実務経験を積んだ層が中心
登録者の顔ぶれを見ると、実務経験を積んだ層が中心です。2025年10月1日時点で登録者は24,937人、その平均年齢は44.3歳でした。
ここから読み取れるのは、登録が合格直後に自動的に行われるものではなく、業務上の必要が生じた段階で選ばれている姿です。名刺やドキュメントに資格名を出す必要が出てきてから登録する、という順番も十分にありえます。
読者の方にとって大事なのは、この資格が「若いうちに取らないと遅い」タイプのものではないという点です。情シスの経験が浅くても、射程から外れているわけではありません。
出典: IPA「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)登録者情報(2025年10月1日時点)」/IPA「情報処理安全確保支援士試験 合格発表(令和6年度春期)」/同(令和6年度秋期)/同(令和7年度春期)/同(令和7年度秋期)
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専門部署がある中小企業等は9.3%で、知識を体系的に得る手段は自分で選ぶ必要がある

そもそも、なぜ情シス担当者個人が資格を取ることになるのでしょうか。IPAの2024年度調査を見ると、その背景がはっきり出ています。
中小企業等の情報セキュリティ対策の体制は、次の3つの構成比になっています。
- 専門部署(担当者)がある: 9.3%
- 兼務だが、担当者が任命されている: 21.0%
- 組織的には行っていない(各自の対応): 69.7%
この3つは同じ設問(単一回答)の選択肢で、合計すると100.0%になります。担当者が決まっている企業は9.3%と21.0%を合わせて30.3%で、残る約7割は担当者すら置いていない計算です。
さらに、担当者がいる企業のなかでも21.0÷30.3で約7割が兼務です。ここから読み取れるのは、セキュリティ業務が個人の持ち場として制度化されていない状態が多数派だということです。相談できる専任者が社内にいない以上、知識を体系的に得る手段として資格の学習が現実的な選択肢になります。

規模別では101名以上34.6%、小規模企業者4.4%と約7.9倍の差がある
同じ「中小企業」でも、規模によって体制はまったく違います。2024年調査で「専門部署(担当者)がある」割合は、中小企業(101名以上)で34.6%、小規模企業者で4.4%、全体では9.3%でした。
101名以上と小規模企業者の差は30.2ポイント、倍率にすると約7.9倍です。ここで注意したいのは、全体値の9.3%が「中小企業の平均像」ではない点です。
この調査の有効回答4,191件のうち、小規模企業者は2,775件で約66%を占めます。そのため全体値は小規模企業側に引っ張られています。自社の体制を比べるときは、全体値ではなく自社の規模に近いセグメントの数値を見てください。

注意
この調査はWebアンケートモニタによるもので、回答者の自己申告に基づきます。「専門部署(担当者)がある」と「兼務」の線引きも回答者の判断によります。また101名以上のセグメントは回答数が295件と小さく、34.6%という値は数ポイント動きうる点に注意してください。モニタ調査はIT利用に積極的な層が答えやすいため、実態より体制が整って見える方向のバイアスも考えられます。
従業員教育を実施していない中小企業等は63.6%で、同じ時期に支援士試験の受験者は増えている
教育の面でも、企業側が機会を用意していない状況が見えます。2024年時点で、従業員への情報セキュリティ教育を特に実施していない中小企業等は63.6%、対策を組織的に行っていない企業は69.7%でした。
同じ時期、支援士試験の秋期受験者は令和6年度(2024年)17,324名、令和7年度(2025年)18,816名と約8.6%増えました。企業が学習機会を用意していない状況と、個人が受ける試験の受験者が増えている状況が、同時に存在しているわけです。
この2つを並べると、組織が提供しない教育の代わりに個人が資格取得というルートを選んでいる、という仮説が立ちます。あくまで別々の調査の数値を突き合わせた仮説で、因果関係を示すものではありません。
それでも、資格を「昇進のための飾り」ではなく「社内に教育の仕組みがない環境で体系的な知識を得る手段」と位置づける根拠にはなります。学習範囲がそのまま業務の点検項目になるのも、独学で進める人にとっては大きな利点です。
注意
支援士試験の受験者について、勤務先の規模や業種の内訳は公表されていません。そのため、増えた分が中小企業に所属する人によるものかは確認できません。中小企業4,191件へのアンケートと、全国の試験受験者という母集団の異なる2つの調査を並べている点も踏まえて読んでください。
出典: IPA「2024年度 中小企業における情報セキュリティ対策に関する実態調査」/IPA「2024年度 中小企業における情報セキュリティ対策に関する実態調査 報告書概要版」/IPA「情報処理安全確保支援士試験 合格発表(令和6年度秋期)」/同(令和7年度秋期)
資格は難易度の階段ではなく、担っている役割で選ぶ

ここまでの内容をふまえると、資格選びの基準ははっきりします。合格率の低い試験を上位と考えて順番に登るのではなく、自分がいま担っている役割に合う試験を選ぶのが実務的です。
判断の目安として、2024年調査の体制データを自己判定に使ってみてください。自分の立場がどこに当てはまるかで、狙う試験が変わります。
役割別の選び方チェックリスト
- 他業務と兼務でセキュリティを見ている(2024年時点で中小企業等の21.0%が該当)→ 情報セキュリティマネジメント試験
- 専任または専門部署で技術面まで担う(101名以上の中小企業では34.6%が専門部署あり)→ 情報処理安全確保支援士試験
- 担当が決まっていない(専門部署がある中小企業等は全体で9.3%)→ まず自分の担当範囲を決めてから試験を選ぶ
なお、受験料や教材費、試験日程は改定されることがあります。金額と日程は必ずIPAをはじめとする各実施団体の公式情報で確認してください。
兼務でセキュリティを見ている担当者は情報セキュリティマネジメント試験から入る
他業務と兼務でセキュリティを見ているなら、情報セキュリティマネジメント試験から入るのがおすすめです。2024年時点で「兼務だが、担当者が任命されている」中小企業等は21.0%あり、多くの情シス担当者がこの立場に当てはまります。
この試験の合格率は2025年度(令和7年度)で70.0%です。ただし前半で見たとおり、この数字は受験者層の違いも含んだ値なので、「簡単だから」という理由で選ぶものではありません。
この試験の出題範囲は、社内ルールの点検リストとしてそのまま使えます。従業員教育を実施していない中小企業等が63.6%という状況では、学習内容を自社の運用改善に直結させやすいはずです。
設計・運用まで技術的に担うなら情報処理安全確保支援士を目指す
システムの設計や運用まで自分で技術的に見ているなら、情報処理安全確保支援士が目標になります。専門部署がある環境は、2024年調査で101名以上の中小企業の34.6%にあたり、この規模帯で技術を担っている人は特に射程に入ります。
直近の合格率は2025年度秋期で22.3%と、決して通りやすい試験ではありません。それでも、登録者は2025年10月1日時点で24,937人、平均年齢は44.3歳です。
情シス歴が浅いうちから諦める必要はなく、実務経験を積みながら目指す資格だと考えてください。合格後にIPAへ登録する手続きが別に必要な点は、前半で触れたとおりです。
出典: IPA「2024年度 中小企業における情報セキュリティ対策に関する実態調査」/IPA「同 報告書概要版」/IPA「情報処理技術者試験(情報セキュリティマネジメント試験)推移表(令和8年3月分)」/IPA「情報処理安全確保支援士試験 合格発表(令和7年度秋期)」/IPA「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)登録者情報(2025年10月1日時点)」
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「2030年に最大78.7万人不足」はIT人材全般の推計で、セキュリティ人材に限った公的な需給統計は見当たらない

資格の将来性を語る記事でよく引用されるのが、「2030年に最大78.7万人不足」という数字です。この数字の出どころを、正確に確認しておきましょう。
これは経済産業省が2019年に公表したIT人材需給に関する推計で、対象年ごとに次の値が示されています。対象年2018年で22万人、対象年2025年で36万人(いずれもIT需要の伸びが年平均2.7%程度、生産性上昇率0.7%の標準ケース)、対象年2030年はIT需要の伸びが高位のシナリオで78.7万人です。
つまり、いずれも2019年時点で立てられた見通しです。「2025年に36万人不足」も実績値ではなく、6年前の推計値である点に注意してください。
もう1つ大事なのが母集団です。対象は「システムコンサルタント・設計者」「ソフトウェア作成者」「その他の情報処理・通信技術者」の3区分です。
つまりセキュリティ人材を切り出した推計ではありません。そのため「セキュリティ人材が78.7万人足りない」と書くのは、母集団の読み替えになります。
今回調べた範囲では、セキュリティ人材に限定した需給ギャップの公的な統計は見つかりませんでした。中小企業の体制については、2024年調査で専門部署がある企業が9.3%といった実態が把握されています。その一方で、「何人足りないか」を示す公的な数値は確認できない状態です。
注意
本記事のデータベースと今回の調査範囲で見つからなかったというだけで、該当する推計が存在しない、という意味ではありません。NISCやIPAの人材育成関連調査、経済産業省のサイバーセキュリティ人材に関する報告などに、該当する推計が公表されている可能性は残ります。

出典: 経済産業省「IT人材需給に関する調査 調査報告書概要版(2019年公表)」/経済産業省「IT人材需給に関する調査 調査報告書(2019年公表)」/IPA「2024年度 中小企業における情報セキュリティ対策に関する実態調査」
まとめ

セキュリティ資格の選び方を、IPAが公表しているデータから整理してきました。要点を振り返ります。
- 合格率は情報セキュリティマネジメント試験が2025年度70.0%、情報処理安全確保支援士試験が2025年度秋期22.3%です
- 同じ2025年度でそろえると、支援士試験の年度合計は約20.7%で、2試験の差は約3.4倍になります
- 合格率の差には難易度だけでなく受験者層や採点方式の違いも含まれます。序列ではなく役割で選んでください
- 情報処理安全確保支援士は登録して初めて名乗れる資格で、登録者は2025年10月1日時点で24,937人です
- 専門部署(担当者)がある中小企業等は2024年時点で9.3%。学習の機会は自分で作ることになりやすい環境です
数字を並べて難易度の順位を作っても、自分に必要な知識は決まりません。まずは自分がどちらの役割を担っているかを決めてから、試験を選んでください。
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情シス担当者の学び直しには「情シスカレッジ」
資格試験は、セキュリティの知識を体系的に身につけるうえで確かな手段です。ただ、合格までには数か月単位の時間がかかり、その間も日々の問い合わせやトラブル対応は待ってくれません。目の前の業務で必要な知識を先に埋めたいときには、別の手段があると助かりますよね。
「情シスカレッジ」は、新人・ひとり情シスのためのマイクロラーニングLMSです。短い動画で必要な単元だけを学べるため、資格の学習と並行して、業務で今すぐ使う知識を補うのに向いています。
情シスカレッジの特徴
- 数分の動画と小テストで、すきま時間に学習を進められます
- 必修の割り当て・期限設定・進捗ダッシュボードで、受講状況を管理できます
- 自社カリキュラムの編成と、CSVでの教育記録の出力に対応しています
導入は5名から可能で、請求書払いにも対応しています。初期設定は約10分で完了しますので、まずはサービス内容をご覧ください。
※出典
- 情報処理推進機構「情報処理安全確保支援士試験 合格発表(令和6年度春期)」
- 情報処理推進機構「情報処理安全確保支援士試験 合格発表(令和6年度秋期)」
- 情報処理推進機構「情報処理安全確保支援士試験 合格発表(令和7年度春期)」
- 情報処理推進機構「情報処理安全確保支援士試験 合格発表(令和7年度秋期)」
- 情報処理推進機構「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)登録者情報(2025年10月1日時点)」
- 情報処理推進機構「情報処理技術者試験(情報セキュリティマネジメント試験)推移表(令和8年3月分)」
- 情報処理推進機構「統計情報(情報セキュリティマネジメント試験)」
- 情報処理推進機構「情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験 試験要綱 Ver.5.6」
- 情報処理推進機構「令和8年度 応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の申込受付期間及び試験実施期間について」
- 経済産業省「IT人材需給に関する調査 調査報告書概要版(2019年公表)」
- 経済産業省「IT人材需給に関する調査 調査報告書(2019年公表)」
- 情報処理推進機構「2024年度 中小企業における情報セキュリティ対策に関する実態調査 報告書」
- 情報処理推進機構「2024年度 中小企業における情報セキュリティ対策に関する実態調査 報告書概要版」

